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名著『影響力の武器』 咀嚼提供 #2 『知覚のコントラスト』の恐ろしさ

改めて心理学って恐ろしい・・・でも面白い。そんな気持ちになれた今回の『知覚のコントラスト』の恐ろしさを紹介します。
まずはじめに、「ドアインザフェイス」と「フットインザドア」をご存知でしょうか。念の為、どういうものかを確認しておくと、

 ドアインザフェイス

 初めに「大きな要求」をして相手に断られた後に、本命に関連する「小さな要求」をすることで、本命の要求を受け入れてもらいやすくするテクニックです。

フットインザドア

 最初に小さな要求を承諾させ、その後少しずつ要求レベルを上げていくテクニックです。

 私も、このテクニックは使うことがあります。主に、ドアインザフェイスは対大人に対して、フットインザドアは対子供に対して行なっています。確かに普通に頼むよりは効果があるのは確かです。さて、本題に入っていきますが、今回の「知覚のコントラスト」も使えるようになったらいいなぁと思い、アウトプットさせていただきます。

「知覚のコントラスト」とは?

まず、これを読んでもらいたいです。

親愛なるパパとママへ

大学に入学してからぐずぐずして、全然手紙を書かなくてごめんなさい。今日は、今まであったことをすべて書くことにしました。
ここから先はちゃんと座って読んでほしいです。座らなくちゃ読み進んじゃ駄目よ!いい?

 私は今、とってもうまくやっています。ここに来てすぐに、寮で火事がありました。その時、窓から飛び降りて、脳震盪を起こし頭蓋骨を骨折したけれど、今はとても良くなっているの。
 
 病院には二週間だけ入院したけれど、今は大体普通に頭が働くし、頭痛も1日に1回くらいになっています。

 運がいいことに、寮から火が出て私が飛び降りたところを、向かいのガソリンスタンドにいた人が見ていて、消防署に電話してくれたの。

 その彼、何度か見舞いに来てくれたわ。寮が焼け落ちて住むところもないから、彼の親切に甘えて、彼の部屋で一緒に生活をすることにしたの。その部屋、地下室なんだけど、結構気がきいているのよ。

彼は、とても素晴らしい男性で、私たちは結婚するつもりでいます。

まだ式の日取りは決まっていないけど、お腹があんまり目立たないうちにすませたいと思っているの。

そうなの、ママ、パパ…….私、赤ちゃんができたの。
孫が生まれて、おじいちゃんとおばあちゃんになるの楽しみにしてくれるでしょ?

きっと、私が子供の時と同じように、赤ちゃんをかわいがってくれるよね。

結婚が遅れているのは、彼が伝染病をもっていたせいで、結婚前の血液検査に引っかかっちゃって、おまけに私も不注意でその病気をもらっちゃったからなの。

さてと、………..今まであったこと書いたけど、よく聞いてね。

寮の火事なんてウソ。だから脳震盪も起こしていないし骨折もしていません。入院もしていませんし、妊娠もしていません。

もちろん結婚もまだだし、病気もなし。ボーイフレンドだっていません。

ただね、歴史の成績が”D”で、科学は”F”ということになりそうなの。

できたら色んな可能性を考えた上で、この成績について考えてほしいな。

愛しの娘、シャロンより

ロバート・B・チャルディーニ.影響力の武器[新版] 人を動かす七つの原理.
誠信書房,2023,22P

伝えたいことわかりますか。もう歴史の成績や科学の成績が悪いことなんて大したことないように思えてきますよね。

私も読んでいて、入院?・・・男性と同棲・・・地下室?・・・・妊娠・・・・え、伝染病?・・・・

といろいろなことを畳み掛けられて頭がまずいなぁこの状況・・・となりましたが最後はこのオチ。本にも書いてありましたが著者は、

シャロンは科学の単位を落としたかもしれませんが、心理学については『A』がもらえます。

と言っていました。(笑)

知覚のコントラストとは、異なる二つのものが比較されることによって実際とは違うように見えてしまうそうです。

いくつか例が挙げられていました。

・サラダのカロリーを見てからチーズバーガーのカロリーを見るとなんか高く見える。

・最初に軽いものを持ってから次に重いものを持つと最初に重いものを持った時よりも重く感じる。

・高いスーツを買った後にスーツよりも安い少しお高い商品を書いやすくなる。

この心理学をどのように使っていこうかな。
もちろん、自分が騙されないために使うことはもちろん、私は教師なので、良い意味でこの効果を活用できたらと思います。

できればこちらを選択してもらえたらこの子はもっと伸びるだろう。そんな場面でこのコントラストや「ドアインザフェイス」や「フットインザドア」を活用できればよいだろうと思います。

みんなそうですが、自分で決めたことは実行しやすいので、あくまで心理学を基づいて良い方向に誘導していくいければいい。

使い方をしっかりと考えていきたいと思います。

今回も見ていただき、ありがとうございました。

よければこちらも覗いてもらえたらうれしいです。


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