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淀まず、濁らず。

動くことのない水は淀む。動きがない分、清と濁に上下で分かれ、一見上澄みはきれいに見えるのだけれど、その水は淀んでいる。

実家近くには池があって、水面は鈍く光り、きれいだとは感じなかった。魚がいたのかどうかは知らない。でも、生きている感じはしない、そんな池だった。


勢いが良すぎる場所は、時に濁る。場所によっては、流れの勢いのままにきれいを保っているけれど、下の土やゴミを巻き上げて、濁ってしまっているところも少なくはない。


場に合った適度な変化が、一番その場所の透明感を保てるのかもしれない。


そして、これはきっと、人の心も同じだ。

同じ場所、同じ環境、同じメンバー、同じ内容……変化のない“同じ”は、楽かもしれないけれど、淀みを生む気がしている。

かといって、目まぐるしく変化する場所にばかりいたら、それはそれで疲弊してしまう。自分が全力、それ以上のスピードで走らなければならない環境に身を置くのは、一時的なものにしきておかなければ、いつか動けなくなってしまう。

なんとなくエネルギーが枯渇して、無気力さを感じているときは、このどちらかに偏っていることが多い。

淀んでいるときは、そうっと指先でかき混ぜて。濁っているときは、しばらく動きを止められる場所に置いてみる。

そんな風に、バランスをとっていきたい。



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