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曇天でいたいのです

ホルモンバランスや、気圧や、そんなこと一切合切関係ない、ただの個人的なバイオリズムなんかにより、わたしの元気メーターは常にゆらゆら危なっかしく揺らいでいる。

何かがあったわけでもないのに、ずどーんと下降線を辿ることもあれば、「妙に……前向きだぞ……?」と感じることもある。前向きなのは一見いいことなのだけれど、そのあとの反動が怖くて、両手放しでは喜べない。なんとも面倒だ。

心身のバランスは、脳の働きに影響を及ぼす。書くには脳が働いてくれないとトンチンカンなことになって困るので、バランスの崩れは死活問題だ。淡々といつだって高パフォーマンスを発揮し続けられる……とは残念ながら言えないお粗末な人間だから、せめてニュートラルな状態をできうる限り保ちたいと思っている。

ただ、仕事の「書く」は、とにかくぐっすり寝て休めば、まだそこまで大きな影響は受けない。「日本語能力が低下している……ダメダメだ……」と思っても、一度下手でも何でも書ききってしまえば、集中スイッチが入ってくれる。あからさまに影響が出るのは、好き勝手に書いているnoteや創作だ。

心がぴっかり快晴、晴れ渡った青空―! がベストかというと、そうでもなかったりする。超元気、ポジティブ、ハッピー! なときは、それはそれで変なスイッチが入ってしまっているらしく、脳みその中にある「書く」がスムーズに起動しない。ほわわわーんとしてしまって、そもそも集中力が欠けている気がする。

反対に、どん底です、真っ暗闇です……なときは、それはもう、ダメだ。ナメクジのように這うしかない。ふとんとお友達になるしかない。思考を働かせてみても、この状態のときにはろくなことを考えない。寝るか、寝られなくても倒れておくか、気力があるならカラオケアプリで歌ってみるか、同じく気力があるならマンガをぱらぱらめくってみるか。絶対ではないけれど、人と話すのも割と効く。ついスマホでSNS三昧になってしまいそうになるけれど、これはたぶん、あんまりよくない。たぶん、視野が広がるどころか狭まっていくからなのだと思う。思考もテンションもすーっと落とし穴に落ちていく感覚になってしまう。スマホをいじるなら、SNSよりも読みものを読んだ方がいい。

そんなわけで、書く際の「いいお天気」は、わたしにとっては曇天なのだ。むしろ、「なんか、小雨が降るかもね」程度がいい。そのくらいが、感情と思考との釣り合いが一番取れる状態なのだ。いい塩梅の曇天を保つ方法は、残念ながらまだ見つけられていない。どうしても晴れか闇かに振れてしまいそうになり、そのたびブレーキをかけようとがんばってみたり、成すがまま屍になったりしている。てるてる坊主ならぬ、もくもく坊主がほしい。メンタルやじろべえ人間は、今日も試行錯誤を続けているのです。


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