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ベテラン運用者が自腹で自分の広告を出してみた結果、意外と●●だった…

こんばんは、神宮寺です。

今日は、自腹で自分の広告を出してみるというチャレンジを行ったので、その結果についてまとめていきたいと思います。
私は7年以上広告運用の仕事を行っておりまして、ベテラン運用者の部類に入ると思っています。
そんな私が自分自身を広告を使ってうまくプロモーションできるのか?検証してみましたので、お楽しみください!

※途中の細かい分析は読み飛ばして頂いて結構ですが、最後の「考察」の章だけは必ず読んで頂きたいです!

是非御覧ください!


▼何をしたのか?

神宮寺麗子の有料noteの売上を伸ばすために、自腹でTwitter広告を出稿してみた。

▼出稿に至った背景

①公開できる管理画面がほしかった
これが一番の理由。私は運用者に役に立つという軸でアウトプット活動をしているが、運用者の困り事の大半は、管理画面上での出来事である。
「他の人がどういう設計で、どんな運用をしているのか見てみたい」というニーズがある一方で、管理画面を公開している人はほとんどいない。公開できない情報があるので当然のことである。
なので、自分が自由に公開できる管理画面が欲しくて、配信をしようと思った。(結局全然公開してないのだが…)
②アウトプット活動がマンネリ化していたので、刺激がほしかった
別にnoteの売上にこだわりは持っていない。もちろん売れてくれたら嬉しいが、これがないと生活できないとかそういうものではない。
買ってもらえるコンテンツを考え、文章をたくさん書き、適正価格を考え、反応を見て振り返る。この活動が自分の力になっているのは間違いないが、習慣化しすぎて飽きてきてしまったので、これまでやってこなかったことをやりたくなった。
noteからの売上を使って、なにか実験できないかな?と考えていた。
③実際自分の運用スキルが自分に活かせるのか検証してみたかった
わりと運用については詳しいと思っているが、相談に乗るときはいつも緊張してしまう。
特に緊張するのは、少額しか予算がない時。代理店時代は一日数千円しか配信しないような案件はないので、経験としてもほぼない。正直予算規模が違えば運用のやり方も変わってくるので、少額案件は少額案件なりの戦い方がある。少額案件でも、これまで培ってきた運用の知見が転用できるのか、検証してみたいと思った。


▼結果

いきなり結論だが、
広告を出したことによって、売上は3.8倍に伸長

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広告費を差し引いた利益でも2.7倍に伸長

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以下に検証内容や考察について詳しく記載をしていく。


▼検証の全体像

①入札戦略の検証
‐リンククリック最適化
‐エンゲージメント数最適化
‐フォロー数最適化
②ターゲティングの検証
‐キーワードターゲティング
‐興味関心ターゲティング
③クリエイティブの検証
-noteでいいねが最も多い記事の訴求
-Twitterで過去最もいいねがついた投稿の模倣版
-拡散狙いの企画訴求
-新訴求(人気noteランキング)


▼検証の前提

前提として、noteというプラットフォームにはタグが設置できないため、広告によって購入が発生したかどうかは厳密には判断ができない

なので、同時に複数の検証を走らせるとどの要素が売上につながったかどうかのジャッジができないため、基本的に1つずつ検証をしていくことになる

ただ、全て1つずつ丁寧に検証していくと膨大なコストがかかってしまうため、変数の大きさ等を鑑みて、臨機応変に同時に変えたりもしながら検証を進めていった。


▼検証内容(①入札戦略)

検証したものとそれぞれの期間はこんな感じ。

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(1)リンククリック課金の検証

noteの売上を伸ばすためには、本来であれば購入されたページにCVタグを設置し、CV最適化をかけるのが理想ではあるが、noteなのでタグの設置ができない。
この状況下で、とりあえずはnoteへの流入数を増やすのが手っ取り早いと考え、はじめはリンククリック最適化で配信を行った。

とはいえ、運用をやったことがある人ならわかると思うが、リンククリック最適化はうまくいかないことが多い。興味の有無に関わらず広告をクリックをしまくる「ヘビークリッカー」という人たちがWeb上には存在し、クリック最適化はどうしてもそういう人たちに配信がよってしまう。結果的に、成果が見合わないことが多い。

というわけでかなり疑念を持ちながらも、「noteを読んでくれたら買ってくれるのではないか?」という一縷の望みを持って配信をしてみたが、疑念のほうが的中してしまった。

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※5/22~5/23が検証期間

グラフを見ると、リンククリック数が伸びても、利益の伸びとは相関がないことがわかる。

クリック単価は80円でもほとんど配信が伸びず、noteの購入もほとんど伸びない。

完全な検証まではできていないが、このCPCだとnoteの平均購入単価が500円とした場合に6クリックくらいで1購入されないといけない計算になる。利益を出そうと思うと3,4クリックで購入を生み出さなければならない

10クリック程で目立った成果が出ていなかったので、2日目の途中にリンククリック最適化は早々に打ち切った。(目標の2倍以上のクリック数が発生した上でのジャッジなので、そこまで焦った判断ではないかと思う)

結論、「リンククリック数を稼ぐこと≠noteの売上アップ」ということが検証ができた。


(2)エンゲージメント課金の検証

続いて検証を行ったのが、エンゲージメント最適化配信である。

狙いとしては、広告を起爆剤にしつつ、いいねやリツイートなどのオーガニックの力を使って拡散し、noteに興味を持ってもらうことだった。

配信を行ったところ、エンゲージメント率30%、エンゲージメント単価3円という超効率的そうな数字が出た
しかし、たいしてnoteの売上は伸びていない。

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※5/23~5/25が検証期間

リンククリック同様に、エンゲージメントと利益との間に相関関係は見られない。

数字を深堀りしてみてみると、「いいね」「リツイート」「リンククリック」「フォロー」などの効果のありそうなエンゲージメントはほとんど発生しておらず、「詳細のクリック」が大半を占めていた。
つまり、しょうもないエンゲージメントをしがちな人たちに広告を出して、しょうもないエンゲージメントに3円ずつお金を払っているという状況だった。
クリエイティブ等で工夫もしてみたが、たいした売上アップにはつながらなかったので、3日間ほど配信して見切りを付けた。

見せかけの数字に騙されてはいけないことを学んだ。ぜひ出稿を外注しているクライアントさん達も気をつけて頂きたい。


(3)フォロー課金の検証

Twitter広告で売上を上げることは無理なんじゃないかと若干諦めかけていたが、最後にフォロー最適化配信を試してみた。
結果的にはこれがうまくいき、みるみるうちにnoteの売上が上がっていった。

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※5/26~が配信期間

後で紹介するが、クリエイティブでフォロー&リツイートキャンペーン的なものを作って配信をしていたので、どうせフォローするならその場でできたほうが楽だよね!ということでフォロー配信をすることにした。

1日くらい気付かなかったのだが、フォロー課金(プロモアカウントという)の場合、こんな感じ↓で広告の画像は表示されずにプロフィールに設定している画像が表示される。

プロもアカウント


私は完全にそのことを失念しており、適当な背景画像を設定していたので、慌てて主旨が伝わるような背景画像を作って設定を行ったところ、フォロー率は格段に改善がされた。

フォロー率が向上することにより、低単価でもフォロー数を稼ぐことができるようになり、同じ予算でも多くのフォロワーを獲得できるようになり、結果的に売上の急拡大につながった。

フォロー最適化が売上につながった仮説については、最後の考察にまとめようと思う。



▼検証内容(②ターゲティング)

ターゲティングはそこまできちんと検証はできていない。配信したのは下記の2つ。
・キーワードターゲティング(1~3日目)
・興味関心ターゲティング(4日目~)

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はじめはTwitter広告の王道であるキーワードターゲティングで配信を開始した。
正直良し悪しを判断するには材料が足りていなかったが、キーワードの内訳を見ると「マーケティング」「LINE広告」の2つのキーワードにIMPの大半が割かれていた

これではなんのターゲティング検証もできていない状態で、3日目の段階ではほとんど売上も上がっていなかったこともあり、ターゲティングを変更することにした。

3日目時点での興味関心別の数値を見ると、テクノロジーに関心を持つユーザーのクリック率やエンゲージメント率が特に高いことがわかった。もちろん広告系のカテゴリも数値は高かったので、「広告系+テクノロジー系」の興味関心に切り替えることにした

ちょうどこのタイミングでフォロー課金に切り替えて、売上も伸び始めたので、そこからは特にいじってはいない。
ターゲティング変更によって売上が上がった可能性もなくはないが、正直クリティカルな要因ではないと思っている。
理由としては、それまでも配信自体はわりとメインで出ていて、より検証しやすいように切り替えただけなので、それだけで一気に売上が上がるとは予測しづらいためである。

ターゲティングはまだまだ検証の余地があるので、今後着手していきたい。


▼検証内容(③クリエイティブ)

配信を行ったクリエイティブは主にこの4パターン
1~2日目:noteでいいねが最も多い記事の訴求
2~3日目:Twitterで過去最もいいねがついた投稿の模倣版
4~16日目:拡散狙いの企画訴求
16日目~:新訴求(人気noteランキング)

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結果として、この中では企画訴求が最も良かったといえる
フォロー&リツイートでnoteを1記事プレゼントするという企画で、
フォローもしてもらえるし、拡散もしてもらえるし、受け取る記事を選ぶためにnoteにも目を通してもらえる。
目的を達成するために、合理的に考え、この企画にたどり着いた。

しかし、一点留意点がある。
フォロー課金の配信だと、大半のIMPはクリエイティブが表示されない。
こんな感じ↓で、プロフィールしか表示されないIMPのほうが圧倒的に多い。

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クリエイティブが表示されたIMPのほうが圧倒的にフォロー率が高いのでフォロー数のシェアとしては半々くらいだったが、フォロー最適化で配信をする上ではアカウントのプロフィールや投稿内容もターゲットに刺さるようにしっかりと充実させておく必要がある

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▼考察(必ず読んでほしいパートです)

少額ではあるが、こんな感じで1ヶ月ほど広告を出してみて気付けたことがたくさんあった。
たくさんあったのだが、すべてはこの一つに集約される。

『本質を考える』ということだ。

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