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広告運用のインハウス化について考えてみた(前編)

こんばんは、神宮寺です。

今日は「インハウス」についての私個人の考えをまとめていこうと思います。

私は、約7年間Webの広告代理店で広告運用の仕事をした後、事業会社に転職しインハウスでの運用を行っており(業務のほんの一部ではありますが…)、一応どちらの立場も経験しております

少し長くなりそうなので、前編と後編に分けて書くことにします。
前編では、インハウスのメリットについて3つ紹介し、詳細を記載していきます。


インハウスするメリットは?


あくまで私個人の考えですが、広告運用をインハウスするメリットとして下記3つがあると思います。
特に3つ目はめちゃくちゃ重要です。順に説明をしていきます。


①運用手数料の削減

これは一般的にメリットとして挙げられることが多いですが、正直全然メリットじゃないと思っています。

広告代理店に運用をお願いすると20%くらいの運用手数料が発生します
まぁ仕事を依頼しているので、当然っちゃ当然なのですが、もちろんその分CPAは上がります。
単純に考えると代理店に任せたらCPA12,000円のところが、インハウスにするとCPA10,000円になります。

但し、これは代理店と同じクオリティで運用ができた場合の話です。
代理店の運用担当は、毎日ひたすら広告運用をやり続けているいわばプロフェッショナルな人材です。(もちろん全員ではないですが笑)
実運用経験のない人がいきなりこの水準に追いつくのは正直不可能です。時間はかかると思います。

よく勘違いされがちなこととして、
「代理店からアカウントを引き継いだけど、全然CPA変わらんかったわ!まじ余裕!」
みたいなケースで、「やっぱ代理店もたいしたことしてなかったんだなぁ」と思われる方もいるのですが、これはぶっちゃけ違うと思います。
(もちろん本当にたいしたことをしてないケースもあると思いますが笑)

これは1ヶ月や2ヶ月で判断できるものではないんですよね。
それまでに検証してきて、ある程度出来上がっている配信手法を引き継げば、数ヶ月はそれなりの成果が維持できると思います。
最近の広告は機械学習がかなり優れているので、特に手を加えなくても自動でチューニングされているからです。

おそらく3ヶ月くらい過ぎたころから徐々に影響は出始めると思います。

異変を敏感に察知して、先回りして打ち手を講じていくのが広告運用の鉄則です。
これができないと、気付かぬうちにどんどん悪化が進行し、にっちもさっちも行かなくなってしまいます。

この状態になると抜け出すのはかなり難しいです。
ある程度失敗できる状況で検証をするのは問題ないですが、もう失敗できない状態で検証をするのは精神的にもキツイですし、正直思い切った施策を打つのも躊躇してしまうでしょう。
このタイミングで「やっぱり代理店さんもう一回お願いします!」となってしまうことも多々あります。

異変に気付くスキルというのはマニュアル化するのはほぼ不可能で、経験則的な要素が強いので、あまり運用をやったことがない人が引き継ぐのであればこれは正直仕方ないことです。
引き継いですぐに異変が起きるわけではないということを知った上で、中長期視点のリスクをしっかりと頭に入れておく必要があると思います。

あともう一つ要注意事項があります。
それは「作業量」です。

正直、広告運用の仕事ってめちゃくちゃ作業が多いんですよね
特に入稿とレポート。

これって慣れてない人がやるととんでもなく時間がかかります。
「作業やってたら運用できなかった。」なんてこともありえます。

広告代理店は、自動化ツールを契約していたり、地方にオペレーション部隊を持っていたりするので、ここはわりと効率的にできていたりしますが、もちろんインハウス化してしまえばそのリソースは使えません。

エクセルとかしっかり使えるアルバイトの方が何名かいるのであれば大丈夫だと思いますが、マーケティング担当が全部やるというのはそれなりの覚悟をもってやる必要があります。

無料ツールや安価なツールを契約して、レポーティングを自動化するなどは絶対にやったほうがいいと思います。
ただ、入稿の完全自動化はできないので、ここはかなりしんどいとは思います。

メリットというより、注意事項のほうがボリューミーになってしまいましたが、正直「運用手数料の削減」だけが目的であれば、インハウス化は絶対にしないほうがいいと思います。
広告効果の観点や営業利益の観点でみると、絶対にマイナスになります。
ただ、②以降の目論見があるのであれば、話は別です


②機動力の向上

インハウス化するメリットとして、施策の実行スピードを向上させることが見込めます。

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