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秋分からの養生

秋分者,陰陽相半也,
故昼夜均而寒暑平。

9月23日の今日は
暦上では、『秋分』となります。
二十四節気の第16番目で
秋の六つの節気の4番目です。

昼と夜の長さがほぼ等しい
暑さと寒さのバランスも均等で
気温はちょうど良い日です。

秋分を境に昼夜の長さが逆転になり
『夜長昼短』になっていき
秋も『中秋』から『晩秋』に深まり
『陰長陽消』の季節に変わっていきます。

秋燥と肺燥 

秋は、乾燥の季節。
中医学では『秋燥』と呼びます。
秋分から燥気がいっそう強くなり
残暑の影響もあって『温燥』が続きます。

この『秋燥』は『肺燥』を引き起こし
喉の乾燥や痛み、皮膚の乾燥、便秘、
風邪などの症状に繋がる可能性が高い。

滋陰潤肺ー秋燥を防ぐ

秋の養生の基本は『滋陰潤肺』です。
梨や蜂蜜、桃やみかん、大根、白湯など
水分の多いモノを取って『陰』を補いましょう。

そして、体内の『津液』(陰)を収斂させます。
『酸味』は収斂作用があるため
梅やレモンなど取るように心がけましょう。

補肺養血ー秋悲を防ぐ

秋になると、自然界の陰気が強まり
粛殺の陰気が肺に悪い影響を与え
気持ちが悲観的になりがちです。

特に、老人や肺気の弱い方は
理由もなく悲しさが湧いてくる
物事をマイナスに捉え
悲しみと悲観的な感情に苦しむ方もいます。

『補気養血』『疎肝解鬱』は
秋悲を防ぐ基本的な養生法です。

『秋燥』と『秋悲』を改善する
とても美味しい薬膳をご紹介します👇🏻

黄金烏梅湯
『酸甘化陰』『疎肝解鬱』

『烏梅湯』は夏の薬膳と思われますが
じつは、乾燥の季節こそ『烏梅湯』が必要です!
烏梅湯の薬効性をみてみましょう。


烏梅湯には9種の食用漢方が配合されています。
烏梅(ウバイ)、山楂子(サンザシ)、
陳皮(チンピ)、桑椹子(ソウジンシ)、
甘草(カンゾウ)、洛神花(ハイビスカス)、
桂花(キンモクセイ)、黄氷砂糖(コウリサトウ)

烏梅湯の味は、甘酸っぱい。

『滋陰潤肺』の秘密の一つは
まさに、この味です!!

『酸甘化陰』という漢方の考え方があります。
酸味の生薬と甘みの生薬を配合すると
『陰液』を生み出す効果があるとのことです。

烏梅と山楂子と陳皮の酸味に
桑椹子、甘草、氷砂糖の甘みを足すと
肺を潤して津液と血液を作り出します。

烏梅は『収斂薬』

烏梅は代表的な『収斂薬』です。
長く続いた出汗や下痢、咳、失精などで
体の津液と体力が奪われます。
烏梅は流失したエネルギーを止める収斂作用で
体に潤いとパワーを回復させる働きがあります。

甘草は『補気薬』
桑椹子は『補血薬』

甘草は肺気と肝気を補う効能があり
また、肺炎など炎症を抑える効果もあります。

桑椹子は補血作用がある同時に
補腎養肝作用もあります。 

甘草と桑椹子との組合せは
体力と免疫力を高める効果が大きいです。

山楂子は『消食薬』
陳皮は『理気薬』

山楂子は消化を促進する作用と
血液をサラサラにする作用があります。

陳皮は健胃去痰作用があって
山楂子の消化促進作用を強化します。

洛神花は『止咳降圧』
桂花は『生津化痰』


洛神花も桂花も美容効果が高く
また、気分をリラックスさせる効果も高いです。


有糖と無糖(甘味料)

黄金烏梅湯は、甘味料に拘っています。
有糖と無糖の二つのバージョンがあります。 

有糖は、黄氷砂糖(原糖)を使用していて
無糖は、ステビアの葉を使用しています。


黄氷砂糖はミネラルが豊富に含まれ
主に薬膳料理に使われます。
『補中益気』『温肺化痰』作用があります。

ステビアは甘いですが糖分ではない!
むしろ、血糖値や血圧をさげる効果があり
糖尿病や高血圧、高脂血症の改善に使われ
ダイエットや抗酸化作用も注目されています。

どっちも程よい甘酸っぱさで美味しいです。
秋分から黄金烏梅湯を
取り入れて肺を養生しましょう🫁




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