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詩ことばの森㊲「ひとり旅」

わたしの旅行は、有名な観光地もよいのですが、人に知られないような小さな町を歩くのが好きです。そういうときは、たいてい一人旅です。なんだか寂しい、孤独な旅ですが、不思議とそういう旅先のほうが、心が休まったりします。忙しい仕事で疲れたときも、心が落ち着いてくる気がするのです。

ひとり旅

わたしの知らない町の
だれもいないバス停に
雨がふりつづいていた

ときどき車が通りすぎるたび
雨にぬれたまっすぐな道で
コスモスだけが風にゆれている

あのときも ひとりだったなと
わたしは傘をさしたまま
ひとりごとなんて つぶやいたりする

また一台 車が通りすぎる
わたしの知らないバス停は
今日も 雨がやまない
         森 雪拾



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