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鼠の浄土 耳を澄ませていると 水の流れる音がきこえてきた 崖が平地にとどいた場所から 清…
その村は、川の近くにあって 昔から そこに住む人がいた 中洲には 小さな祠があって そこ…
青空に映えている 冬の木はうつくしい 冷たい風に 葉を落としつつ 木は とても静かだ ぼく…
ひとりの駅 駅には自分以外に だれもいなかった 列車が到着するまで まだ小一時間はあった …
川沿いのバラ 川沿いを歩いてると 咲いていたバラの花 僕がたたずむ 冷たい空気のなかで 赤…
仙人の話 小学生のころ 仙人にあこがれた あれは たしか 芥川龍之介の小説だったか 少年向…
疲れたときは 疲れたときは やすむべし そんなことを思いながらも どこかに やすめない自分がいる 仕事ばかりしてると だめになるよ なかのよい友だちが 心配してくれた そうだよね わかってはいるのだけど つまりは 意思が弱いのだろうね そこで 公園のベンチに腰かけてみた 冬の木々が ほどよく枯れて 枝先が青空に光っている 美しさに心がなごむ やすむことの大切さを思いながら (森雪拾)
冬の駅舎 君を乗せた 電車を見送った日 プラットホームで 別れぎわに 君は大きく手を ふって…
眠れない木たち 美しい街では 木は寝不足です 夜の通りを 仕事帰りの人びとが 帰って行きま…
この道は どこまでも まっすぐな道 夏の日 冬の日 わたしは歩いたものだ この先に なにが…
自然の言葉に 丘の上から 風が吹くと 木々がざわめき 鳥が羽ばたく そして そのあとは 何も…
父というもの 父というもの にあこがれた まだ若いうちに 亡くなった父 早すぎると 友…
冬の日差しに 夏に買った風鈴が 窓辺にぶらさがっている しまい忘れたわけではなく なんとな…
まなざし 冷えた感触の風が 乗り手のないブランコにひしめき 枝を断たれた木々の空が 澄んだ眼で見下ろしていた わたしの抱擁した水をしたたらせても 乾いた植物がぬかれたまま 寡黙な傷はふさがれない 森雪拾