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フラットな視点で志向を見極め 才能に投資する - メンバーインタビュー: 曹 雨 / Yu Cao

<プロフィール>
曹 雨 / Yu Cao
リアルテックホールディングス株式会社
チームディベロッパー(人事)

2023年リアルテックホールディングスに参画し、自社採用と共に投資先スタートアップのバリューアップ支援の一環として人事採用支援を担当。CXOの採用を中心に、組織採用力の強化などの人事面を支援する。リアルテック以前のキャリアは、新卒でシンガポール系転職エージェントに入社し、主に産業技術、IT分野での両面型ヘッドハンター業務に従事。その後、食品包装最大手で採用スペシャリストとして日本法人の中途採用に取り組む。直近では、ロボティクス・スタートアップにて、人事採用と組織開発を担当。出身は中国の上海で、2010年に来日し、留学生として上智大学法学部地球環境法学科を卒業。

想いを持ったタイミングのご縁とミッションへの強い共感が理由

――まずは、リアルテックに入社した経緯を教えて下さい。

採用を軸にキャリアを積み、前職では、日本が直面している人手不足の解決を目指すロボティクス・スタートアップにて人事採用と組織開発を担当しました。CXO採用の機会でベンチャーキャピタル(VC)と関わりが生まれた際に、VCの立場に立てばさらに多くの採用課題を抱えるスタートアップにも支援できると感じ、自身の知識や経験をスケールさせたいと考えました。その想いを持ったタイミングでリアルテックからお声掛けいただきました。自分も以前から社会課題を解決するディープテック分野に非常に興味を持っていたので、そのようなきっかけから対話を重ね、相互に価値観やニーズが一致していることを感じ、入社を決めました。

――多くのVCが存在する中で、リアルテックを選ばれた決め手は何だったのでしょうか。

何よりもリアルテックの支援分野の魅力とミッションに共感したことが決断の理由です。また、企業の条件面などを比較して選ぶことはなく、出会いのご縁や価値観の一致を大切にしたいと考えています。
自身も人に対し様々な企業を紹介した経験から、完璧な会社というものは存在せず、必ず何らかの課題を抱えているはずなので、それらを解決するのが社員の役割であり採用活動の意義であると思います。課題があるからこそ、やりがいがあります。

戦略の遂行をサポートし、伴走することが私たちの役割

――リアルテックでは、具体的にどのような取り組みやプロジェクトを考えられていますか。

リアルテックの強みは、資金調達などのファイナンス面のみならず、セールス・マーケティングや広報・ブランディング、知財戦略などのハンズオン支援を多角的に行えることです。キーマンの採用や組織戦略、コミュニティの創出などの人事支援は、その一端として非常に重要な要素を担います。
そのため、関係するステークホルダーは投資先スタートアップ、投資家、採用エージェント等、多岐に渡ります。それぞれの立場に立ち、彼らが物事を捉える角度を想像して事象や課題を精査することで、死角のない採用支援をしたいと考えています。

また、特に重要視しているのは、我々は戦略を立てるだけではなく遂行をハンズオンでサポートし伴走する役割ということです。例えばスポーツでは、監督が立てた戦略に基づき、実際に試合で実践するのは選手です。一方で我々は監督も選手も担当することがあります。結果を求めるためには、実際の業務フローにおいて、改善箇所を見出しチューニングしていかなければなりません。
「鳥の目」のような俯瞰的な視点は重要ですが、さらに「虫の目」や「魚の目」で細部や推移まで目を凝らし、改善を積み重ね、支援先企業にとって最大限にフィットした採用に繋いでいくことを目指しています。

――Yuさんは社内外のどんな人に対しても率直で、かつ圧のない絶妙なコミュニケーションをされているとお聞きしています。なにか意識されていることはありますか。

自身が相手の立場であれば、どのような方法が最善かを考え抜くことに集中しています。直近では、私自身がスタートアップ企業の採用人事という支援先の担当者と同じ立場を経験してきました。彼らを成功に導くためには、たとえ批評的であっても、その企業にとっての最善策を考え、フラットに伝えることを意識しています。

ーー上智大学では、地球環境法学科へ進学されています。専攻への進学の動機や、想いがあれば教えてください。

現在のキャリアまで明確な意志を持って選んでいるわけではありませんでしたが、自身の中では環境問題を一貫したテーマとして重視しているのかもしれません。気候変動などの環境問題は我々の未来に対してインパクトが大きく、社会全体で意識し始めなければ手遅れになるのではという危機感があります。当時、中国の環境問題も非常に深刻だったため、日本の経験や知識を学び役立てたいと考え、専攻を選びました。

留学より以前はソフトウェア開発などのIT分野を専攻していましたが、すべての学びには繋がりがあると考えています。今や産業分野の革新にはIT技術が欠かせない存在であり、環境課題の解決においても産業技術の革新が重要なキーファクターとなっています。

ーーそれらの危機感は幼少期からの影響もあったのでしょうか?どのような幼少期や学生生活を過ごしてきましたか。

今は当時の欠片も残っていませんが、幼少期は中国の都心部、上海のスラム街に近いような地域で育ち、決して裕福な環境ではありませんでした。1990年代から2000年代までは中国の高度成長期の最中のため、環境汚染もひどいものでした。また、都会の人はなかなか自然と触れ合う機会も少なく、コンクリートの森の中で暮らしていました。当時はそれほど違和感を持っていませんでしたが、今から振り返ると、やはり環境が悪化してしまったら、一番しわ寄せが及ぶのは我々一般の人々です。そのため、日本に来て、こんなに身近に溢れている豊かな自然環境に驚きました。自分の子供には絶対に自然と触れ合いながら育ってほしいと思っています。

人間のコアな意思決定基準は、理性よりも感性

ーーご自身の人生の中でリアルテックに繋がる経験や想いがあれば教えてください。ここに至る遠因となるような原体験はありますか。

学生時代を振り返ると、さまざまな属性やタイプの人と関わりを持つことに楽しみや面白さを見出していました。その人特有の人間らしさや素晴らしさを見つけていたことは、今現在の業務や関心にも繫がると思います。日本に来てからも、留学生を交えた交流会など、人を繋ぐイベントを開いたりしていました。
リアルテックは多くの技術系スタートアップを支援しているので、私も様々な優秀な創業者との出会いの場を持つことができ、非常にエキサイティングな日々を過ごしています。

ーー人に対しフラットかつ多角的な視点で捉えられるYuさんは、採用候補者に対してもその人個人の目線や幸福の価値観を重視されているように感じました。

その通りですね、まさに社員一人一人が幸せであることが、企業の幸せにも繋がると思います。
能力やスキルのマッチングも重要ですが、人間のコアな意思決定基準は、意識的な理性よりも無意識的な感性の部分が大きいと考えています。直感的な面白さ、魅力、幸せそう、などの情緒が根拠になるため、その人が何を重視し幸福と感じるのかをできるだけ正確に把握することが、本質的にフィットする環境を提供することに繋がります。
その解像度を高めるために、多くの働く人や経営者と出会い、客観的に分類したデータベースに加えて、目の前の個人のリアリティと照らし合わせています。また、ステレオタイプになってしまっていないかを日々意識的に内省しブラッシュアップしながら、一人一人を最もフィットする職場に導くことを心掛けています。

ーー意識されている視点がよくわかりました。では、Yuさんご自身は趣味や生活、仕事などで何をしている時に一番幸せを感じられますか。

以前は週末にいつも仲間たちとボードゲームを楽しんでいました。みんなで頭を絞って勝負する時は幸せを感じていました。現在は、5歳と7歳の2人の子供がいます。子供と一緒に遊ぶこと、父親として頼られていることを実感する時に幸せを感じます。自身の幼少期には自然に触れるチャンスがなかったこともあり、子供たちには自然環境の中で様々な体験をさせたいと考え、よくアウトドアに連れ出しています。

仕事では、採用された人が活躍され、本人と企業どちらからも感謝を伝えてもらえる時が非常に幸せです。例えば過去に、大企業に所属され海外出張や長期滞在が多く、家族との時間を思うように作ることが難しい方との出会いがありました。その方は転職後の生活が一変し、幸せなイクメン姿を見せてくれた時は本当に嬉しかったです。
また、ある会社に採用された方が、パフォーマンスを出してその会社を次のステージに成長させた時は最高のやりがいを感じました。

多様性のある組織で、仲間たちから学び柔軟に吸収したい

ーーこれから取り組みたい仕事のイメージがあれば教えて下さい。リアルテックの仲間たちとどんな働き方をしたいですか?

これから取り組みたい仕事は主に2つあります。1つ目は、ディープテック・スタートアップ人材プールの拡大です。これまで注目されていないディープテック・スタートアップの魅力や技術の将来性を多くの人々に発信し、新たなキャリアの選択肢を提供していきたいです。2つ目は、ディープテック・スタートアップの採用力の強化です。人材不足の現状を打開するには、注目されるだけでは不十分なので、会社側としても人材をキャッチする筋肉質な採用体制が必要です。

リアルテックの仲間たちとの協同関係には、マーベル映画の「アベンジャーズ」のようなイメージを持っています。お互いの背中を預け、皆で同じゴールを目指しながらもそれぞれ最大限の個性や主体性を発揮するような関係が理想です。現代社会のような複雑性が高く正解のない世界では、ゴールへアプローチするルートや方法はいくつもあり、各自が主体的に試行錯誤を繰り返しながらPDCAを回していく必要があります。多様性のある組織の強みは、個人の特性によって同時多発的に経験値を積み、ベストプラクティスの知見を共有してさらに組織強化をしていけることだと考えています。リアルテックにはそうした理想を実現するための土壌があると思いますし、常に自身の持つ方法が唯一というわけではないと考えているため、仲間からも学び柔軟に吸収していきたいです。

また、アプローチの自由度が成り立つのは、リアルテックの目指すべきゴールである、地球と人類の課題に取り組む技術や事業をどんどん社会実装し、豊かで持続可能な人類社会を支えるというビジョンと、想いの熱量をメンバー間で共有できているからだと感じています。

ーーリアルテックでの経験は、Yuさんにとって今後の人生にどのような影響を与えそうですか。

まだスタートして間もない時期ですが、すでに今後の人生にとってリアルテックの存在は大きいと感じています。リアルテックのビジョンやクレドが、自身が重きを置いてきた価値観と一致し、そこに強く共感しているためです。
具体的には、目的から逆算して必要な行動を取る=実行を重視している点、会社や支援先企業のことを自分ごととして捉える当事者意識を重視している点、未知な領域でも自発的に踏み出しているかを重視している点、これらに特に共感しています。

多くのスタートアップには、何かアイデアを思いついたときにスピード感を持って実行し、適否の評価アウトプットを出して仲間と共有するカルチャーがあります。最初から100点を目指し完璧な計画を立ててから動くのではなく、まずは60点でもいいから走り出し、走りながら軌道修正を繰り返すのです。これらの経験は私の中で、重要な学びになっています。
地球と人類の課題解決という壮大なミッションを持つリアルテックで仲間たちと共に挑戦する先に、より深い学びが得られることが非常に楽しみです。

ーー今後の仕事や人生で成し遂げたい事はありますか。

中長期的には、未だに未解決のディープテック・スタートアップの採用難という課題を体系的に解決できる手法を確立していきたいと思います。
具体的には、まず「できない」から「できる」ようにした上で、「速く、安く、フィットする」という3つの目標を持っています。スタートアップにとって時間は命なので、より迅速な母集団形成の手法を見出し、全体的な採用コストを抑えて、限られたキャッシュを大事な研究開発や貢献してきた既存社員の福利厚生に回していただき、さらに人と企業どちらもが本質的にフィットする環境を見極めることでミスマッチを未然に防ぎ、支援先の事業成長にポジティブなインパクトを与えたいです。
そのようなインパクトを多くの他人の人生に与えることは、私のライフワークです。

ーー最後に、リアルテックに興味を持っている人に向けて、メッセージはありますか?

私たちの投資先が取り組んでいる課題は、どれも地球・人類に大きなインパクトを与えられるものです。同じような志を持つ方々に、ぜひ仲間に入っていただきたいです。


リアルテックのビジョンに共感し、募集ポジションにご関心ある方からの応募をお待ちしております。また、リアルテックファンド投資先のベンチャーで働くことに関心ある方もお気軽にお問い合わせください。

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