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モラトリアムのエピローグ
春になりかけた冬のこと。
大学も単位を取り終わり、卒論も受理された。
僕はこの4年間で何をして、何を学んだのか、あまり覚えていない。思い出せるのは、ただ赴くままに音楽をして、写真を撮って、友人と酒を飲んでいた事だけだ。そこにあるのはいくつもの断片だ。
いつの日かの黄昏、車窓からの景色、雑音、ページをめくる音。
冒頭の写真、いつ撮ったものなのか、あまり覚えていない。わかるのは、ただ海に向かっていたと言う事と、電車の雑音、激しく射す西陽と、それに照らされて妙に生温かくなった車内温度。そこにあるのはいくつかの断片だ。
気が付けば、人生に溢れているのはそんな記憶の断片ばかりで一日それぞれの記憶がない。映画のワンシーンが繋がっていくみたいだな。
なんでも無い日に、思った。
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