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パーソンズ美術大学留学記(完)

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パーソンズ美術大学・Transdisciplinary Designでの学びについて書いた記事です。2021年9月から23年5月までほぼ毎週連載していました。
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#日記

パーソンズ美術大学留学記シーズン4 Week13&14 #298

授業ではおよそ二週間後に迫る最終発表に向けての準備が進んでいます。「Exhibitionで何を展示するのか」「Presentationで何を発表するのか」などを現時点でシミュレーションをしています。 たとえば、Exhibitionでの展示場所やPresentationの順番をどうするかを考える場面がありました。こうした行為を「キュレーション」と呼ぶようです。ディズニーランドやUSJなどのアミューズメントパークにおいて様々なアトラクションを一つの園内に収める時に、似ている雰囲

パーソンズ美術大学留学記シーズン4 Week12 #295

今週のニューヨークは30度越えの日もありました。4月にして真夏日を記録するとは。今学期も残り約一か月と佳境を迎えるので、忙しくなる前に散髪を済ませておきました。 フィードバックをする時に意識していること今学期の授業は卒業制作の進捗報告とそれに対するフィードバックというスタイルで進んでいます。今週はDiscussantというフィードバックの方向性をリードする役目で、どんなフィードバックをしようかと考えていました。留学してからフィードバックや批評をする(&される)機会が多く、ノ

パーソンズ美術大学留学記シーズン4 Week11 #294

気温が20度を超える日もあり、厚手のコートの出番が終わりを迎えそうです。今週はThesisとSeminarの二つの授業ともに自分の卒業制作の進捗を10分程度で説明したので、心身ともに疲れた一週間でした。今週の『留学記』の更新はスキップしようかとも思ったのですが、今の思いだけでも書き残しておくことにします。 Transdisciplinary Designerの孤独「Transdisciplinary Designとは孤独な営みだな」と感じます。なぜなら、自分のしていることが

パーソンズ美術大学留学記シーズン4 Week10 #293

学校からの帰り道、キャンパス近くにあるUnion Square Parkの桜が満開になっているのを見つけ、春の訪れを感じました。そうかと思えば氷点下になる朝もあって、体温調節が難しい時期です。 Thesis現在取り組んでいる卒業制作は、ExhibitionとPresentationとWritingの3種類のアウトプットが求められています。今回の授業では中間発表を終えて初めての授業ということで、あらためてその妥当性について1時間以上にわたる議論がなされました。 学生からすれ

パーソンズ美術大学留学記シーズン4 Week9 #292

一週間の春休みが終わり、春学期も後半に突入。卒業制作もそろそろ仕上げといった時期。全ての授業が発表とフィードバックの形式で進んでいくことになりそうです。 そのため、今後は授業で先生から教わったことを体系的に整理してから書いていくというよりは、私個人の進捗や気づきがあれば気まぐれに書いていくことになりそうです。とりあえず今週は箇条書きでメモしておくことにします。 noteが人とのご縁を結ぶ今週はnote主催のマガジンに2つも選んでいただきました。特に『退屈な時は、何もしなく

パーソンズ美術大学留学記シーズン4 Week7 #287

今週は中間発表でした。火曜日と木曜日の二日間に分けて開催され、私は木曜日に発表。一人当たりの持ち時間は30分で、前半の約15分でプレゼンテーション、残りの時間で質疑応答を行うという形式でした。 15分も英語で説明したのはこれが初めてだったかもしれません。A4用紙2ページ分の原稿を事前に用意しておいて、それをチラ見しながら発表しました。いつもは発表する時に原稿を読まないようにしているのですが、英語かつ長時間ということで久々の解禁。 発表内容の概要以前の記事で「Zen-Ins

パーソンズ美術大学留学記シーズン4 Week6 #285

火曜日には雪が積もっていて、滑って転ばないように気をつけながらの登校となりました。自分の記憶が正しければ今シーズン初めての積雪のはず。少しずつ暖かい日が増えつつも、まだまだ寒さが厳しいニューヨークです。 Thesis今週も引き続きCritical Sharing Sessionです。今週は自分の発表が休みなので、他の人の発表を聞いたのに対してフィードバックをする時間でした。 Seminarの授業も含めて約一ヶ月間フィードバックをし合っていることになるのですが、そこで培われ

パーソンズ美術大学留学記シーズン4 Week5 #283

ThesisとSeminarという二つの授業を受けて日曜日にNew York Zen Centerに通うというサイクルを過ごしていると、あっという間に一週間が過ぎていきます。忙しいながらも自分の興味を深掘りできているので、精神的には充実感がある日々です。 Thesis先週から引き続きCritical Sharing Sessionが開催中。今週は発表者だったので、卒業制作の進捗報告を行いました。そこでのフィードバックを受けて「Buddhism-inspired ethica

パーソンズ美術大学留学記シーズン4 Week4 #281

未だに卒業制作で自分が何をしようとしているのかが明確ではない気もしますが、自分がその時々にできることをしていくしかないと思って取り組んでいます。 Thesis先週から引き続きCritical Sharing Sessionが続いています。今週は自分の発表は休みなので、他の人の発表を聞いたのに対してフィードバックをする時間でした。ここでは、個人的に学びになったことを列挙してみます。 デザイナーの役割とは? 「やる気のある無能が組織に一番不要である」という言葉もありますが、

パーソンズ美術大学留学記シーズン4 Week3 #279

2月に入れば卒業制作のExhibitionまで100日を過ぎ、あっという間に今学期も過ぎ去っていくのだろうなと思うなど。留学生活も終わりが見えてきてクライマックスを迎えているワクワク感と、卒業制作は無事に終わるのだろうかという焦燥感が半々といったところ。 Thesis今週から4週間は"Critical Sharing Session"という形式が続きます。これは隔週で進捗報告を行い、それに対して先生や学生からフィードバックをもらうというものです。私は今週と再来週に発表するこ

パーソンズ美術大学留学記シーズン4 Week2 #278

雪が積もったり、-10℃を下回る日があったりと冬らしさを強く感じる一週間でした。Week2からはいよいよThesisとSeminarという二つの授業を介して卒業制作が進んでいきます。 Thesis今週以降はより密なディスカッションができるように、30人近い学生を4つのグループに振り分けて、それぞれのグループに一人ずつ先生がアドバイザーとして就きました。この形式で今月中は隔週で進捗報告をしていくことになります。 また、Transdisciplinary DesignのThe

パーソンズ美術大学留学記シーズン4 Week1 #277

今週から新学期が始まりました。2021年秋の留学開始時点から続けてきた「パーソンズ美術大学留学記」シリーズも完結編となるシーズン4(2023 Spring)に到達しました。泣いても笑ってもこれが最後の学期。学校生活は残り15週間しかないので、グズグズしている余裕はありません。全力で駆け抜けていきます。 Thesis/Transdisciplinary Design Seminarさて、今学期の授業は"Thesis"とTransdisciplinary Design Semi

パーソンズ美術大学留学記シーズン3 Week16 #266

Week12から学校がストライキに入って授業がない日々を過ごしていたので、それに合わせて『パーソンズ美術大学留学記』もお休みしていました。 約一ヶ月間に及ぶストライキも、今学期の最終週であるWeek16を前にしてついに終了しました。といっても、いきなり最終課題の発表をしなければならにということにはなりませんでした。学校側からストライキ前までの提出物等で成績をつけるようにという通達も出ているようです。 この記事ではストライキ中の進捗を簡単に書いておくことにします。 Sup

パーソンズ美術大学留学記シーズン3 Week11 #258

ハロウィンが終わって11月に入ると、ニューヨークは少しずつクリスマスムードが漂います。今学期もあと一ヶ月ほどで終わってしまうし、2022年も終わりが見えてきました。そろそろラストスパートをかける時期を迎えています。 Professional Communication今週の課題は「実際に仕事に応募してみよう」というものでした。一週間で応募書類を準備して実際に応募するのは酷なので、自分の入りたい企業の募集要項を見ながら自身のポートフォリオなどをつくってみるというシミュレーショ