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パーソンズ美術大学留学記シーズン4 Week2 #278

雪が積もったり、-10℃を下回る日があったりと冬らしさを強く感じる一週間でした。Week2からはいよいよThesisとSeminarという二つの授業を介して卒業制作が進んでいきます。

Thesis

今週以降はより密なディスカッションができるように、30人近い学生を4つのグループに振り分けて、それぞれのグループに一人ずつ先生がアドバイザーとして就きました。この形式で今月中は隔週で進捗報告をしていくことになります。

また、Transdisciplinary DesignのThesisを進めていく上で参照することになるTransdisciplinary Design Lenses(TD Lenses)を確認しました。TD LensesはTDらしいプロジェクトの進め方を九か条にまとめたもので、チェックリストのようにこれらを全て満たしているのかを確認するというよりは、行き詰った時に新たな視点を得るために使います。

1. THEORETICAL FRAMEWORKS: What theoretical frameworks and conceptual understandings inform your project? In what ways do you engage this material? How is your work in conversation with precedents from design and adjacent fields?(参考にする理論は何か?)

2. METHODOLOGICAL FRAMEWORK: What methods guide your research? How would you describe your methodology? Why are these the most fitting methods in guiding your inquiry?(何の方法論を使うのか?)

3. PARTICIPATION/SOCIAL CONTEXT: In what ways do you engage people through fieldwork, exchanges with interlocutors, collaborative activities, participatory practices, and so on?(社会との関わり方は?)

4. PROPOSITION: (based in your studio practice): How are the findings from your research synthesized to glean meaning that is expressed materially? Are your ideas expressed in the shape of artifacts? Materialized in other forms?(どんな作品で表現するか?)

5. TRANSDISCIPLINARITY: Where, on the spectrum of art, design, advocacy, activism, social practice, etc. is your work located? In what ways is your work transdisciplinary?(どの分野に位置づけられるか?)

6. DESIGN PRINCIPLES: What are the design principles that guide your work? What design principles have emerged through the process or have taken on particular significance?(デザインの手法を使っているか?)

7. THEORY OF CHANGE/TRANSFORMATION: In what ways does your project prompt transformation, provide a theory of change, and/or create value?(どんな変化をもたらしたいのか?)

8. ISSUES AND SCOPE: How can you place your work in the larger arc of the issue space in which it is located? What are the capacities and the limitations of your work in this space? What enables your work and what, in turn, does your work make possible?(扱う問題の範囲は?)

9. REFLEXIVITY: In what ways do you account for your own subjectivity, assumptions, biases, and experience in the context of your project?(主観や仮説の部分はあるか?)

TD Lenses

これまでの授業で断片的に理解していたTDらしさが一つにまとまっている印象です。今学期が終わって落ち着いたらTD Lensesに基づいて記事を書いてみようかなと思います。

Seminar

今週の課題は、300wordsでProject Statementを書くというものでした。授業内では、三人ずつに分かれてお互いのProject Statementを読んで伝わりづらい箇所を教え合い、その後自分以外のProject Statementをもとにその人のプロジェクトを紹介しました。

このアクティビティを通して、自分の考えていることを言語化する難しさをあらためて感じました。自分としては言葉にしなくても当然と思っている前提や論理構造でも、他人から見れば当たり前ではないことに気づかせてくれました。

また、他の人の言葉で説明してもらうことで、話の流れが論理的になったり上手な言い回しになったりする経験もしました。自分のプロジェクトを自分の言葉で説明するよりも、それを聞いた他人がその人なりの言葉で説明し直してくれた方が分かりやすくなるというのは何故なのでしょうか? プロジェクトに無駄なこだわりがなく、情報の取捨選択が上手くいくからなのでしょうか? 他人に見せてフィードバックをもらうことの重要性を身をもって学びました。


まとめ

未だに自分が卒業制作で何をしているのかがはっきりしない気がしています。あれもこれも興味があって一つに絞れていないという感じかもしれません。来週以降は自分のプロジェクトで追求したいことを何か一つに絞っていくことになりそうです。

いただいたサポートは、デザイナー&ライターとして成長するための勉強代に使わせていただきます。