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パーソンズ美術大学留学記シーズン4 Week4 #281

未だに卒業制作で自分が何をしようとしているのかが明確ではない気もしますが、自分がその時々にできることをしていくしかないと思って取り組んでいます。

Thesis

先週から引き続きCritical Sharing Sessionが続いています。今週は自分の発表は休みなので、他の人の発表を聞いたのに対してフィードバックをする時間でした。ここでは、個人的に学びになったことを列挙してみます。

デザイナーの役割とは?

「やる気のある無能が組織に一番不要である」という言葉もありますが、Transdisciplinary Designでは専門分野ではない領域を素人が無知のまま進める怖さがあります。それを避けるには専門家の助けが必要。デザイナーはデザイナー以外の人とのコラボを必然的に求められることになります。デザイナーとして誰と一緒に進めるのか、誰のためにデザインするのか、デザインの過程では、必然的に人間関係の構築が必要になるようです。

成果をどう見せるのか?

進捗報告のコツ(のようなもの)も学んでいます。"Show us, not tell us"というのはデザイン界では有名な言葉ですが、この授業でも大切な心構えです。Minimal Viable ProductとかPrototypeという言葉もあるように、とにかく他人に予想される最終成果物のイメージを共有することの大切なのです。まさに「百聞は一見に如かず」であり、いかに自分の考えていることやリサーチした結果をストーリーではなく作品として見せることを意識しなければならないようです。

卒業制作でするべきなのか?

「そのテーマは残り80日程度で終わりそうなのか?」というのもあります。卒業制作では自分の興味を深掘りするので、ともすればライフワークにもなり得るようなテーマを選んでいる場合もあります。それでも、「卒業制作としてできるのはどこまでだろうか?」と限界を見据えることも必要です。

やりたいことがありすぎるけれど一つに決めなければならないのが人生。そんな時に役立つ逸話を先生が教えてくれました。

ある人は二つの選択肢で迷った時、どうしても決められないからコイントスで決めることにした。コイントスで結果が出た時に「もう一方のほうが良かったな」と思ってはじめて、自分の本当に選びたい方がわかった。


Seminar

今週はWays of Workingをテーマに、卒業制作を進めていく時の方法論を明確にしていくという話でした。そこで、今回先生が提案したのは「料理で例えると?」という考え方でした。料理のレシピを例えとして使うことで自分の想定している方法論に沿って進めたら、目標とする成果が得られそうなのかを検討しようという話でした。

私はこの話を聞いて『料理の四面体』を思い出していました。この本では火という熱源に対しての距離、空気、水、油という媒介物の多寡によって調理方法を分類できるという提案がなされています。何百とある調理方法がこの四面体上のどこにあるかで表現できるというのだから驚きです。

デザインの場合で言えば、元Transdisciplinary Designの講師だったElliottや岩渕正樹さんが図解を試みています。自分のしていることはどの領域に位置づけられそうかと意識することで、選ぶべき方法論も見えてくるかもしれません。

by Elliott P. Montgomery
by Masaki Iwabuchi


まとめ

これまで授業でTransdisciplinary Designとは何かについて学んできたことが、卒業制作を進める過程で自分のものになっていくような感覚もあります。卒業制作をしているからこそ同級生と話す機会が生まれる時もあります。

一筋縄ではいかないですが、先の見えないこの混沌なプロジェクトを楽しんでいきたいです。

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