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11月4日の手紙 お気に入りZARA香水のイメージを語る①

拝啓

X(Twitter)でフォロー・フォロワーにある方が、今、1番好きな香水について、「自身が思う『自分』のイメージに近いから」という理由を書いておられました。

この理由にはハッとさせられました。
香りそのもの、香料の成分の好み、はもちろんありますが、香水にはそれだけでなく、もっと抽象的な部分、イメージに関する要素があるのではないかと以前から思っていたのです。
香料が組み合わさって作られる香りの全体像、時間の経過とともに変化していくノート、それらから、醸し出されるイメージ、立ち上る印象、捉えることが難しいが確実にある、何か、
個人的には香料の成分よりも、そちらの方に惹かれている気がします。
香水がお好きな方、インフルエンサーの中には的確に香料を理解したり、その構成を言語化できる方もおられますが、全くその才能がありません。
ひたすら自分の鼻が良い!と思うもの、気持ちがハッとするものだけを選んでいます。ですからおそらく、それぞれの香水の持つイメージの方を強く感じているのでしょう。
香料を見てもどうしてそういう香りになるのかはよくわからないことが多く、香料だけ調べて買い求めても、イメージと違う香りであることが多いのです。同じ香料を使っていると聞いても、全く違う、印象だったりします。
特にプチプラであるZARAの香水は、公式が発表している香料からはイメージできない香りであることも多いと感じています。
一体何がどうしてこういう香りになったのか、素人では全く分かりません。
だからこそ、カリスマ調香師という方々がいるわけですね。イメージを香料で構成できる才能というのは特別なものだと思うのです。

そういうことを踏まえて、自分の香水選びを考えてみると、香水の持つイメージに、自分の色々な側面が重なり合う時に、この香水が欲しい!となることに気づきました。
以前に、好きな香水は記事にしているのですが、今回は自分がどういうイメージを持ってそれが好きなのかを掘り下げます。

今1番好きで、使用頻度が高い香水は、以前記事にもしたように、
ZARA のOlivia Giacobetti VAPEUR BLANCHEです。

ZARA Olivia Giacobetti VAPEUR BLANCHE

https://www.zara.com/jp/ja/vapeur-blanche-edp-100-ml-p20210647.html

“スポーティながらスピリチュアルなホワイトがコンセプト。熱い蒸気雲、水蒸気のごとく、爽快、浄化、スピリチュアル” Olivia Giacobettiのパフューム

ユーカリ、シダーウッド、ムスクのノートを明らかにするウッディなアロマティックフレグランス。

VAPEUR BLANCHE EDP 100 ML | ZARA Japan / 日本

この香りは、落ち着いていますが、爽やかでもあります。ですが、公式の説明に、「熱い蒸気雲」とあるように、決してクールな感じ、冷たくはありません。
個人的に、イメージするのは、次のような情景です。

近代的なガラスと金属で構成された、研究室。ガラス戸のついた白い本棚の中にはぎっしりと古びた装丁の本が詰まっています。書かれている文字は様々な国の言葉です。
白く大きなテーブルの上には、電子顕微鏡やビーカー、試験管、ガスバーナー、遠心分離機、パソコンやモニターなどが広げられ、これから何かの実験が始まるようです。
そこには、揺らぐ気持ち、激情はなく、落ち着いた知性と程よい熱意が満ちていて、研究者は自らのクリアな判断とインスピレーションを待っています。
研究者は、現代的な錬金術師とも言えるでしょう。

この香水、仕事やフォーマルの場、特に気合を入れないといけない時に重宝しています。
それらの場では、冷静かつ、クリアな判断をしたい、と考えているからです。
つまり、個人的に、この香水は、「仕事やフォーマルな場でなりたい姿」をイメージしていると言えるでしょう。

一方、夏の間、毎日つけていたのは、
ZARAのSUNRISE ON THE RED SAND DUNES。

https://www.zara.com/jp/ja/sunrise-on-the-red-sand-dunes-edp-100ml-p20220240.html


ZARAのSUNRISE ON THE RED SAND DUNES 

Mylene Alranが、無限に広がる地平の世界にひらめきを与えるような、シトラスフレグランスをご紹介します。フレグランスピラミッドには、タンジェリンベース上にベルガモット・ジンジャーのノート。バックにはオレンジブロッサム・ブラックカラントに包まれたアンバーノートが香ります。

SUNRISE ON THE RED SAND DUNES EDP 100ML | ZARA Japan / 日本

こちらで浮かんでくるのは、海辺にある窓、そこに置かれたグラスです。
窓辺に置かれた、氷入りのグラスにジンジャーエールが注がれています。
グラス越しには、砂浜と海が見えます。誰もいない朝の砂浜です。仄暗い空から明るくなっていくまで、白波が立っては砕け、立っては砕けるその上を、グラスの結露がしたたっていきます。
空になったグラスにはまた、氷が入れられ、ジンジャーエールが注がれます。海辺にはパラソルや明るい色の水着の人々が現れていますが、ジンジャーエール越しに見るとセピア色の写真のようです。それでも賑わう様子は十分に伝わってきます。
そのうちに、何度もガラスは空になり、その度に氷とジンジャーエールら注がれます。
そしてその日の夕暮れは美しいオレンジ色でした。グラス越しに、犬を連れた人影が見えます。人影が遠ざかっていくにつれて、暗くなり、海は大きな暗がりになりました。
グラスは夏の日の光と海を集めて吸収したような佇まいで、窓辺に残されています。グラスの中身は空っぽです。

こちらの香水は、夏の蒸す頃にも、重くなりすぎないのが、気に入って、毎日のようにつけていました。
夏の日の光や風、それから波、そういう瞬間的なものを沢山集めたような複雑さもあるけれど、基本的には夏らしくさっぱりとしています。

この香水は、仕事中ではない時に、ありたい自分に最も近い気がします、
そして、自分の外から見たイメージにも近い気がします。
複雑なように見えて、あっけらかんとした夏の1日、甘さもあるけれど、ジンジャーのスパイシーさの方が残るような人間なのです。

さて、今日こんなに香水のイメージを熱く語っているのは、ずっと欲しかった香水を手に入れることができたからです。
熱く語っているうちに、ひどく長くなってしまいました。
ずっと欲しかった香水とそのイメージについてはまた明日、書きますね。




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