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【感想】読書感想文「切断島の殺戮理論」_非実在女子大生、空清水紗織の感想Vol.0047

文化人類学の学徒たちが“地図にない島”で遭遇する!
異様な世界(クローズド・サークル)、異常な殺戮(ジェノサイド)、異形な真実(アルゴリズム)!

帝旺大学人文学部文化人類学科の最強頭脳集団・桐村研が現地調査に赴いたのは、国家に隠匿された地図にない
島──鳥喰島。
江戸時代に囚人の流刑地とされたその孤島には、身体を切断する成人儀礼を始めとする奇習を存続させた〈鷲族〉と〈鴉族〉が存在していた。
“欠落を美と見做す”彼らの閉鎖世界で発生する連続殺人……これは無計画の連鎖か、計画された虐殺か?
惨劇を追認する推理の果て、異形の真実が剥き出しにされる──!

〈黒猫〉シリーズの森晶麿が、異形の美学を構築する本格ミステリ!

[新刊案内] 2024.02.29 | 切断島の殺戮理論 | 星海社https://www.seikaisha.co.jp/information/2024/02/29-post-setsudantou.html

ネタバレありの短文感想。

星海社さんの「令和の新本格ミステリカーニバル」シリーズの一冊。
いわゆる特殊設定ミステリに分類されるであろう本作、特殊設定好きなのでとても楽しく読むことができた。

「欠落がないから個人を判別できず、白衣を着ていれば医師とみなされる」という推理はなるほどなぁと感動した。まさにこの島ならではの観点だなと深く納得。
犯人が酉鬼というのも合点がいったし、スマートで明快な解決だなと思った。

そこに至るまでに披露された推理も納得感が大きかったし、多重解決ものとしても非常に楽しめた。
私は「推理するぞ」というスタンスではなく、その場その場で「へ~」と驚いたり納得したりしながら読む質なので、一つの事件に対して違う角度からの解法が示されるのは好きだし、ワクワクしながら読める。
読者目線から探偵目線に引きずり込まれて、解釈が一気にインストールされる感覚とでも言うのだろうか……?
上手く言語化できないが、そういう感覚が好きなので、私と同じような読み方をしている方であればきっと楽しめると思う。
まだの方は是非。

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