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アンラーニングの意味とは〜Googleの検索上位から検証する

前回は、Googleで「アンラーニング」と検索して出てきた上位10サイト(2022年10月7日時点)から「アンラーニングの意味」「アンラーニングのメリット」「アンラーニングの実践ポイント」について抜き出してみました。

今回は、それらサイトが説明している「アンラーニングの意味」について検証します。

アンラーニングで「捨てるモノ」

アンラーニングを初めて提唱したのはボー・ヘドバーグという学者です。
彼は「アンラーニングは、学習者が知識を捨てるプロセスである」と言ってます。

しかし、どうやらアンラーニングには「知識」以外にも捨てるモノがあるようです。
先に検索したサイトで、「捨てるモノ」として挙げられていたのは、知識の他に、価値観、スキル、習慣、考え方がありました。

そうするとアンラーニングで捨てるモノには、知識を業務などで活用したり、その過程で経験したことなど、全てを含めているみたいです。

難しい言葉で言うと、明示的に学習してきた形式知だけでなく、行動することによって非明示的に学習した価値観や習慣といった暗黙知の部分も捨てる対象なのかな。

アンラーニングで「捨てるモノ」って大きいですね。

アンラーニングと「取捨選択」の相性は最悪

さらに4つのサイトでは、ただ「捨てる」だけでなく「取捨選択」するとあります。必要なモノと不要なモノを分けてから捨てるというのです。

でも、どうやったら取捨選択という仕分けができるのでしょうか。

先ほど検討したように、アンラーニングは、知識や価値観などを捨てることでした。
なぜ捨てるかというと、何か変わったことが起きたとき、従来の自分たちの知識や価値観では対応に限界があるからです。
つまり、従来の思考では解決できない問題が起きたとき、突破口となるのがアンラーニングといえます。

そうすると、取捨選択は不可能です。

なぜかというと、私たちが取捨選択をするとき、自分の意志が働きます。
「これは使うもの」「これは使わないもの」と、仕分けをするのです。

この仕分けは、従来の自分の思考でしかできません。
お片付けのように「ときめき」のあるモノを残したところで、それは今の自分がときめいているモノです。

あたりまえだけど、未来のことはわからない

アンラーニング後の自分に必要な知識や価値観などは、変化した未来にいる自分にしかわかりません。未来から自分の思考を借りることはできないのです。

タイムマシンに乗って未来から来た「私」が「コレと、コレと、コレが不要だから捨てようね」と言ってくれればできるかも。でも、それは不可能ですね。

仮に可能であったとしても「そんなこと大きなお世話、オレはオレの考えでやる!」と断ってしまうかもしれません。だって、私は、いまの自分の、いまの考え方が正しいと思っているんですから。

ということで、4つのサイトに書かれている、知識などの「取捨選択」は眉唾ものといえます。
どれも人材関連の会社の方が書いているものでしたから、知識やスキルの棚卸し部分で自分たちの研修を売りたかったのでは、と勘ぐってしまいます。

アンラーニングは主体的な行動です

ここでアンラーニングの原点に返ると、「アンラーニングは、学習者が知識を捨てるプロセス」ですから、アンラーニングは学習者の主体性によって実行されるプロセスといえます。

つまり、自分で気がついたときにアンラーニングが起こるということです。
誰かに言われてするのアンラーニングではないんです。

次回はアンラーニングのメリットと実践ポイントについて、Google「アンラーニング」検索上位10サイトの検証します。

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