言っちゃダメだけど

父親がモラハラのせいで、

子供達と私はけっこう仲良しだ。 


かばい合ったり、

慰め合ったり、

不満を喋り合って

やり過ごしてきた。


そんな家族間の絆のことを考えていたら、


夫がシスコンであることも

私達のことと同様だと思えてきた。


夫はかなりのシスコンだ。

私との結婚についても

姉にアドバイスされて

決まったらしいし、

結婚後も、

私との喧嘩や不満を

姉に長電話してぶちまけていた。

中でも一番印象的だったのは、

義理の母の介護が始まっていた頃のある時、

娘達が夫にこんな質問をした、


『お母さんとお姉さんが川に流されていたら、どちらを助ける?』


夫は、

『姉ちゃんだろうね。

姉ちゃんはウチの両親に貢献しているから、お母さんにはかわいそうだけど仕方ないね。』と言ってのけた。


娘達がドン引きしたのはいうまでもないが。

私もなんとも複雑な気分になった。

人の価値をそれだけで測るのは皆にとって悲しい。

そのことが私の心の奥でずっとシコリのように引っかかっていた。


しかし、今考えてみると、

それだけではなかったのだろうと思っている。


というのは、義理の父はかなり意地悪な毒親だったのは想像に難くない。その暴君から身を守るため、

姉妹弟は互いに守り合い、

助け合ったに違いない。

しかも、彼らの母は体が弱く、

長女が母親代わりだった。


そんな特別な歴史的絆があったとすれば、

先のような発言も

表面的な意味の裏に見えない絆があったのだろうと頷けた。


そして、私自身もそう思うことで、

心の奥の小さなシコリがとけ、

偏見が消えて、

『頭のおかしい夫?』から

またひと皮ムケて、

普通の人に近づいて見えた。


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