博士号はとるべき?~博士号を取得して良かったこと~
博士号を取得して良かったこと?うん、今んとこなんもない。
で、終わらせてはいけないですね。笑
見えにくいだけで、いろいろな「良かったこと」が起きているはずなのです。
今日はそれをちょっと考えてみたいと思います。あわよくばこの記事が、博士号を取ろうと悩んでいる方、もう少しで博士号が取れる!なんて方の励みになればと思って、書いてみます。
まず、私は2023年度をもって博士課程の単位取得および論文執筆が完了し、博士(医学)を授与されました。
はるまあ博士、爆誕(自分で言うな)。
この4年間は、働きながら通ったので十分な学修ができない焦りも常に抱えていたし、コロナ禍で県をまたぐ移動ができず、当初の研究計画を修正せざるを得ないアクシデントもありました。
そのため、博士号を取れたのは本当に運が良かっただけだと思うし、支えてくれた家族、研究者仲間、厳しくも温かい指導教員のおかげであることは言うまでもないのです。
そんなことを言うと、運も実力のうち、とか、素晴らしい仲間や環境を作り上げることができた、それ自体がキミの力だ、と言われるので、なるほどそうかもな、と思うようにしています。
ただ、やはり目に見えて能力が上がったかというとそんなことはなく、「研究者としてのスタートラインにようやく立ったのだ」というような気持の方が個人的には強いです。
何かこう、ポケモンの進化みたいに見た目や体格が変わったり目に見えて能力値が上がったりすることを期待していたけれども、当然そんなことはない。笑
博士号を取って良かったこと、という本題に戻って考えてみます。以下のことがあるようなないような、と頭に何となく浮かんでいることを言語化してみます。
1.切迫感から解放された
まだ博論の英語論文化→投稿などの課題が残っているんだけど、もう博論に追われる毎日から解放されたんだ…と感慨深くなります。博士課程に在籍している間は、勤務時も休息時も頭のどこかで常に「あぁ…博論書かなきゃ…」という切迫感があったので、これがやっぱり結構しんどかったです。
特に最終年度なんかは温泉とか入っているときも「気持ちいい~副交感神経優位だ~~……あ、博論…」みたいなのがあったんですが(笑)今はそういう切迫感から解放されたので、気持ちよく休日を過ごせている気がします。
2.周囲の見る目が多少変わった
博士号を取ったということで、やはり多少は周囲の見る目が変わったように思います。こう見えて(?)はるまあ、博士持ちとは思えないほど話していてアホっぽいし語彙力がない感じがあって(実際ない)舐められやすいのですが(笑)、名刺を渡した後、何となく敬意を払われて接していただくことが増えたと思います。
ただこうした傾向はあまり良くないと思っていて、博士を持っていなくても研究能力が素晴らしい人なんてゴマンといるし、権威性につながりかねないので、やはり肩書ではなく人柄の研鑽に努めることは忘れずにいたいものです。
調子に乗って裸の王様になってしまっては、目も当てられないのです。私の嫌いなタイプの人間に、私自身が向かっていってはいけない。
3.研究を主体的に進めなくてはならないという責任感の芽生え
これは気持ちの面が強いのですが。今年、科研費基盤Cに採択され、とある研究を進めています。自分の好きな研究者や現場の方々を共同研究者として誘い、研究を進めているんですが、やはり「博士論文にも追われていないし、博士持ちとしてしっかり研究を進めなくては」という責任感が芽生えたように思います。
そんな感じですかね。あと挙げるとするなら、学費をもう払わなくてもいいんだ…と、奨学金返済中の私にとってはかなり大きい。
博士号をとったデメリットなんかも挙げてみようかな?と考えましたが、特に思いつかないので書きません。
病みそうになる時期も多少ありましたが、そこはストレスマネジメント(気分転換、先輩研究者に愚痴る)をした他、「最悪、辞めてもいいや、死なないし」くらいの気持ちでやっていたので何とかなったのかなと思います。
以前も書きましたが、博士号はよく、足裏の米粒に例えられます。①取らないと気持ちが悪い、②でも取っても食えない、と言われます。でも、私にとっては大学教員のキャリアアップのために必須であり、まさに食うために必要な資格です。教授になるための要件として、おそらくほとんどの看護大学でこれから必要になります。個人的には博士(看護学)である必要はないと思っています(理由はいろいろあります)。
それ以外にも、精神的に余裕が出たこと、責任感の芽生えが出たことは大きなメリットであり、私にとっては足裏の米粒ではなく最高級和歌山県産「五穀豊穣 極み」卵を炊きたてのコシヒカリ「あさか舞」に落として食べる卵かけご飯くらいの価値があるなあと、改めて思いました(何言ってんだコイツ)
↓こちらの記事も博士や大学院について触れてますので良かったら読んでください。
ということで、考えてみると、良いこと、たくさんありました。書いてよかった。笑
そうそう、博士論文執筆にあたって、メンターとして支えていただいた高橋あすみ先生が書籍を出版したので、ここでさりげなく宣伝しておきます。
私も刺激をいただき、連載記事や本の執筆という新たな目標ができました。
みなさんも、博士について思うところがあれば、ぜひいろいろな意見をお聞かせください。
ここまで読んでくれたあなた。愛しています。
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