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文芸社さんで本を出した人

一番好きな小説を決めましょう。わあーむずかしい。どうしよう。
どうしていきましょう。
私の上位本はですね、
ノサック「死神とのインタビュー」
安部公房「箱男」
筒井康隆「最後の伝令」
サリンジャー「ナイン・ストーリーズ」
カフカ「カフカ短編集」
作品レベルなのか単行本レベルなのか、よくわからんですねえ。こう書くとねえ。
私の10代、20代にとって小説というのは一番のエンターテイメントでした。マンガもアニメもゲームも映画も好きだったけど、小説だけが群を抜いて特別でした。
それはやっぱり、読み進める手を止めて涙を流したり、えんえんと考える時間を与えてくれたからでしょう。なんなんだろうね、言葉だけの世界って。
確実にあれはもう一つの世界だよね。
小説が好きすぎて、自分でも書き始めたんだけどさ。
今じゃあなんでインタビューしてるのって? それはインビューも人間とは何かを追求する作品だからですよ。
この営為を止めるな!!!!! 無名人インタビュー始めます!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(無名人インタビュー主催)】

今回ご参加いただいたのは 新橋典呼 さんです!

https://twitter.com/VmtzoAn7PqN2g0z


現在:人としてこういうことがあったよっていうのを知っている限り何か形にして残したいっていうことです。

イワナ:新橋さんは現在何をしている方でしょうか?

新橋:ルポライターと言ってしまうとちょっとおこがましいんですけれども。
公園に行ったりお祭りに参加したり美術館や博物館に出向いて、自分が見聞きしてきた物の写真を撮ったり体験した感想文をまとめて、雑誌やコンピューターサイト運営会社に記事を売ってるっていう感じです。

イワナ:ライターさんっていう感じですかね。

新橋:そうですね。そんなに収入が多くないのでそう言ってしまうと恥ずかしいんですけれども、仕事内容としてはその内容です。

イワナ:お仕事はルポライター関連の仕事1本で進めてるんですか。

新橋:はい、そうです。

イワナ:大体週にどのぐらいどこかに行ったり、何かを書いたりしてらっしゃるんですか?

新橋:何かを書くのはほぼ毎日なんですけれども、取材に行くのは必ず週1回、多いときには週に2回行ってます。

イワナ:必ず週1回行くって決められてるのって何か理由があるんですか?

新橋:私の会社っていうのは、コンピューターのサイト運営会社や雑誌社に、人が足りないからこちらに行ってくださいって頼まれていくんですね。
週に一回は誰でも行かないと仕事が回っていかないので、本当に忙しい。例えば、夏のイベントが多い時期ですとか秋学園祭シーズンですとかは、週2回ってなることもあります。毎日記事を書いてるって言うのは他の人が書いた記事の質問に答えたり、補足する記事だったり、こういう見方もありますよっていうこぼれ話的なものだったりっていうのをみんなで分担して書いてます。

イワナ:仕事をいただいて取材に行って記事にするという一連の流れで、この作業が一番好きっていうのはなんでしょうか?

新橋:そうですね、やっぱり現場でいろいろ体験してる瞬間でしょうかね。

イワナ:取材っていうことですかね。

新橋:はい。現場で取材してるのが一番楽しいですね。
私は水木しげるさんや手塚治虫さんが好きだったりするんですけど、お二方に関係する展覧会の取材も任せてもらうことがあるんですね。
やっぱり、手塚さんや水木さんの作品を目の当たりにすると、仕事を一瞬忘れてることもありました。

イワナ:そういうときってどんな気持ちになりますか。

新橋:いやぁ、この仕事に就いてよかったな!っていう。
友達は会社の総務だったり、オートバイで美術品運んでいたり、それぞれ別の仕事をしているんですけど、仕事で自分が好きなものに一番触れているのって自分かなって思うと、イベントでもみくちゃにされることも時々あるんですけれども、その苦労も吹っ飛ぶかなって思います。

イワナ:周りの方から性格についてなんて言われることが多いでしょうか?

新橋:母親からは言い出したら聞かないって言われます。
本を出すときも、初めは反対されてたんですけれども、やっぱりこれは自分が知っているから、知っていることを言わないでいるのは人間としてどうなんだろうっていうのがあるので、出させて下さいって頭を下げたんです。
あと隣の町内に住んでるさっき言った総務やってる友達からは、おっちょこちょいだよねは言われます。
後に話す小説の主人公も、本の1行目から失敗しでかしていにはるんですけれども。
私も結構靴履いて外出た瞬間に、定期券持ってなかったって言って、バタバタって家に戻ってくることがあるんで。

イワナ:おっちょこちょい以外にご自身ではどうでしょう。他に何か、こんな性格だなって思うことってありますか。

新橋:緊張しいですね。今も結構、ガチガチになって話してます。

イワナ:何かご趣味ってありますか。

新橋:趣味…そうですね。芸術鑑賞全般が趣味で、その趣味が高じて、博物館の学芸員の資格を大学で取得しました。今の会社にもその資格を活かして就職しています。

イワナ:そうなんですね。芸術鑑賞っていうのはもう何でも好きなんですか?

新橋:はいそうです。本当に書道からガラス細工から演劇から狂言から何でも。
芸術と名の付くものにはこれ見に行かない?って言われたら、ありがとうございます!って感じですね。

イワナ:芸術鑑賞はどんなところに惹かれるんですか?

新橋:元々綺麗な物が好きなので、綺麗な音だったり、色だったり形だったり、踊ってる人の仕草だったり、そういうものに見入る聴き入ると、本当にあの、今すごい暑いですけれど、暑さを忘れたりします。

イワナ:ご自身では何かやったりはしないんですか。

新橋:高校時代に演劇部に入っていて県大会に進みました。

イワナ:最近はもうされないんですか?

新橋:最近は文を書いたり本を読んだり、くらいですね。

イワナ:文章を書いたり読んだりすることって、新橋さんにとって芸術の中に入りますか?

新橋:入りますね。詩ですとか、小説等の文学作品はやっぱり、書かれた物の時季ですとか、想像しながら読むので、やっぱりあぁ、こういう情景が綺麗だなって思ったりするので。私にとっては芸術です。

イワナ:小説を書いてらっしゃるっていうふうにお聞きしてるんですけど、芸術いろいろある中でどうして小説を書こうと思われたんですか。

新橋:元々文学部を卒業したんで、文を書いたり読んだりすることは苦にならなかったんです。
高校時代から作文は得意で、ほんとはいけない事なんですけれども、演劇部の一級上の先輩が作文書くの面倒くさいよねって話していて、だったら私が書いちゃおうか、と冗談で言ったんですよ。
そしたら本気にされてしまって。結局私が二人分の作文を書いて、先輩が使ってる言葉使いに直して、清書だけ先輩がそれぞれして。提出したら、先生に何も言われなかったんですよ。
先輩も喜んでくれていたし。あ、私って文書くの結構上手なのかなってその時に思いました。

イワナ:それは文章って言ったら、もうエッセイみたいな文章でも小説みたいな文章でも得意ですか?

新橋:んー。残念ながら随筆は書いたことがないんですよ。
いつか挑戦してみたいなっていうのもあるんですけれども、その前にやっぱり小説の書きたい題材が次々に浮かんできてしまっているので、こちらがいつ一段落するかわかんないんですけど、ひと段落してから、ちょっと次何書こうかなと思った時にもしかしたら、エッセイっていうんですか、随筆の方も書いていくかもしれないなっていう。
いつもはほら、評論まではいかないですけれども、例えばある公園に行ったらそこの公園にいかに次に人を呼び込むかっていう、宣伝みたいな文を書いているので、小説とそういう宣伝のような文とを、日常的に書いてるっていう感じです。

イワナ:小説書いてるときと評論書いてるときって全く違うんですか?

新橋:そうですね。世に本という形で出てるのは1冊しかなくて。後はカクヨムさんっていうサイトを使って書いているんですけれども。
小説の方は、専門的な職業ではないので、趣味というか、に近いです。宣伝文の方は自分の生活に関わってくる仕事の部分なので、自分がちょっとでもそういうふうに思ったことでも、それによって人が来てくれるんだったら、ちょっと大げさめに書くだとか。
 例えば、そこのデパートの、デパートで美術館持ってるところも行ったりするんですけれど、催し物係の担当の方が、最近ちょっと来館者が減ってしまってと言ってたなと思ったら、今年この美術館で催される展覧会のこれが一番おすすめですみたいなのをパンって書いてしまったり。しちゃいますね。
なので、自分の気持ちプラス、依頼主の思惑っていうのが、関わってくるのが宣伝文のところで、そういった思いが全く関わってこないで、自分がこういう結末にしようって思って自由に書けるのが小説っていう感じだと思います。

イワナ:小説についてお聞きしたいんですけども。どんなお話の小説なんでしょうか?

新橋:一言で言いますと、ボランティアウォークを主題にした小説です。
ボランティアウォークっていうのは、福祉的な目的で人を集めて決まった距離決まったコースを決まった日時に歩くっていう。そういった形のものなんですけれども、私が描いたボランティアウォークは、あしなが育英会という団体が主催していたものです。

イワナ:実際にあるボランティアウォークのお話を小説にしたっていうことですか?

新橋:あるといいますか、あった、が正確なところですかね。
かつて平成時代には、日本全国いろいろなところで行われていたんですけれども、今はあるといいますと1ヶ所だけで、大分県にある、昭和学園高校さんっていう私立の高校があしなが育英会の意思を継いで、今もあしながPウォーク10っていうボランティアウォークを続けていただいてます。

イワナ:どうしてその題材で書こうと思ったんですか?

新橋:そのウォークがあったということを、1人でも多くの日本の人に知ってもらいたかったからです。
そのウォーキング会を始めたのは、あしなが育英会っていう会から奨学金を受けて、高校や専門学校や大学に進学した人たちだったんですね。
その人たちが、自分たち同様に困っている人を1人でも減らそうっていうことで、企画運営していたのがあしながPウォーク10っていうボランティアウォークだったんですよ。
そのことがあったよっていうことを、1人でも多くの人に知らせたくて書いたんですね。
もう、全国的には行われなくなってしまったので、誰かがどこかでこういうものがありましたっていうのを何らかの形で留めておかないと、どんどんどんどん人々の記憶から、消えていってしまう、忘れられていってしまうんじゃないかっていう危機感を持ったんです。
せっかく学生たちがいいことをしているのに、なかったことにされてしまうのはあまりにも悲しいなと思いまして、あしながPウォーク10に参加させていただいて、自分自身が成長したところもあったので、お礼という気持ちもありました。
人としてこういうことがあったよっていうのを知っている限り何か形にして残したいっていうことです。

イワナ:その本を出した後って、新橋さん自身には何か変化はありましたか。

新橋:ありました。1人友達が増えまして、都内に住んでいる年上の方なんですけれども、小説を読んで感想を書いてくださったんです。彼女とはフェイスブックで知り合って小説に書かれているコースを実際に歩いてみようかって言って、歩きに行ったら意気投合しまして、今度は別のところにも遊びに行ったときに、ひといくさんっていう団体が主催する親バカの会っていう催し物のチラシをいただいたんで、ついこのあいだ8月8日に衆議院の議員会館で開かれたその催しに出席しまして。
私は結婚したこともなければ子供もいないんですけれども、全国の子供がかわいくて仕方がない親御さんたちの熱気に触れまして、また自分の世界が広がりまして、そのお礼にと思って職員の方に、そのひといくさんの連絡先を教わりまして、つい最近自分が書いた小説をひといくさんの事務所宛てに送らせていただいたんですね。
すると、代表の方から昨日、届きましたっていうお礼の電話をいただきました。
こうやって輪が広がってます。

イワナ:現在の最後の質問なんですけども、出版された本は新橋さんにとってどんな存在でしょうか?

新橋:そうですね、ここまでの形にすることができたという証明ですね。
ありがたい事に、さっき言った、衆議院の議員会館の近くにある国立国会図書館にも、自分の作品が置いてありますので。人生の記念になったと思ってます。

過去:あと子供の頃好きだったのが、海岸清掃とか廃品回収だったなって。あれもコツコツ一つ一つ海に落ちてるゴミ拾ってったり束になってる新聞紙を一つ一つ積み、別の場所に運んでて集めたりとかしてたんでそういうのが好きだったんだなって思います。

イワナ:お子さんのとき、幼い頃なんですけども、どんなお子さんでしたか?

新橋:そうですね。好きだったのはかくれんぼでした。かくれているのを探すのも、探してもらえるのも好きで。

イワナ:どんな性格だったか覚えてますか?

新橋:わかりやすく言うと、夏休みの宿題が、7月のうちに、きっちり3分の1終わってるような子でした。どちらかというと、計画的にこつこつやる子と言うか。
あと子供の頃好きだったのが、海岸清掃とか廃品回収だったなって。
あれもコツコツ一つ一つ海に落ちてるゴミ拾ってったり束になってる新聞紙を一つ一つ積み、別の場所に運んでて集めたりとかしてたんでそういうのが好きだったんだなって思います。

イワナ:では、学生時代はどんな感じでしたか。

新橋:学生時代ですか。中学校の頃は、生物園芸部に入っていて、学校の庭に鯉が棲んでいる池があったんですよ。それを年に一度、ゴシゴシ部員のみんなで、磨いて綺麗にしたりですとか。
学園祭で花を売ったりですとか、夏休み終わった時にはみんなで手分けして、学校の周り中の雑草を1本1本抜いてったりですとか。
ナショナルトラスト運動って言って、近くの山に行って葛を取ってきて、一つ一つ種を取り出して、どこか外国に送ったのかな。
そういう環境ボランティアみたいなこともやらせていただいて、楽しかったのを覚えてます。

イワナ:そういうボランティア活動とか結構今の活動にも繋がるんかなと思ったんですけど。

新橋:そうですね、今思えば中学校のときのナショナルトラスト運動とかの部活動が、大学時代のあしなが育英会のボランティア活動に繋がったのかなっていう。

イワナ:学生時代からずっとそういう活動に何度か参加されてるっていうことでしょうか?

新橋:興味はありましたね。だから何度か参加したんだと思います。

イワナ:先ほど文学部だったっていうお話いただいたんですけど、文学とか本とかがお好きなのはもう昔からですか?

新橋:そうですね。小学校で教科書が配られますよね。
毎学年国語の教科書を配られたその日に大体読んでしまってたって感じです。
今も会社休みの日になると新聞読むのが好きだったりします。

イワナ:もう全然分野関係なく文章を読むのがお好きなんですか。

新橋:割とそうですね、はい。
街歩いていても例えば、あのここに、昔お城がありましたみたいな、看板みたいな。
それも読んじゃいます。
あと全然関係ない地域なのに、何月何日、ここ工事が始まりますよですとか、読んじゃったりしてますね。

イワナ:それってどういう部分に興味があって読んでしまうんですか?

新橋:元から文字が書いてあるのは好きなのかなって思うんですよ。
よく考えたら、私が文字が好きっていうのはちょっと理由があるような気がして、新橋典呼というペンネームの中に、辞典の典って文字が入ってると思うんですけれども、それは本名の小沢典子にも使われてる字なんですけれども。その字の元がですね、下の部分の、あの横棒点々が台を表すんですよ。
上の部分の縦線が木の札、そこに文字が書かれてるんですね。
で、横線の部分がそれを繋ぐ糸なんです。昔の本の形なんですね。
なので、辞典の典っていう字の元の意味は、台に載っている書物っていうことなんですよ。
そういう名前を両親からいただいてるんで、やっぱり生まれついての。文字文章好きなのはああこれが理由だなって思います。
類は友を呼ぶで、私友達って結構そういう人が多くて、先ほど新しくできた都内の友達の話をしましたけれど、その人の下の名前が奈良の奈に、月二つの朋に、美しいで、奈朋美さんっていうんですね。
月二つの朋の字なんですけれども、友達っていう意味があるらしいんですよね。本当に小さい頃から友達たくさんだったって風に言っていて。
先ほどから何回か出てきてる隣の町内の友達は、アヤコっていう名前なんですけども、色彩の彩って書くんですね。いつもカラフルな服着てます。
それで私の小説の書評を書いてくれた方は、写真の真に也て書いて真也さんっていうんですけれども、お父様も写真家だったそうなんですけれども、本人も私と遊びに行くときにもいつでもカメラを持ってます。
写真を取るのがすごい好きらしくて、しょうがないだろう俺の名前写真の真くっついてんだからよ。って。そんな感じで名は体を表すの友達が多いです。

イワナ:学生を終えてからのお話ですけども、先ほどちらっと博物館の学芸の資格を取られたっておっしゃってて、学芸員として、昔は働いてらっしゃったんですかね?

新橋:いいえ。働きたかったんですけど就職氷河期で。
そちらを先に探していたんですが、氷河期だったんでなかなか博物館で働く人が辞めなかったんですよ。
それで、空きがなくて、就職活動を初めて春から秋は学芸員で探してたんですけれども、全然駄目で、秋から冬にかけて、第2志望の事務員で探してたんですけれども、何しろ履歴書を送っても送っても面接にすらたどり着けないっていう時代でして、結局就職浪人をして、藤沢にあった職業技術校に1年通ったんですよ。
そこで、コンピューターの資格を取ったり、簿記やワープロの資格を取ったりして、2月に単位が足りてるから就職活動していいよって言われて、隣町にある産業包材、例えばお弁当箱のトレーですとか、ハンバーガーの包み紙ですね。そちらを扱う商社に庶務兼経理補助としてやっと就職が決まりまして、優しい会社だったんで、技術校の卒業式には、会社を休んで出席させていただきました。

イワナ:そこからは、仕事はどんな感じで今の状態になられてるんですか?

新橋:そうですね、そちらの産業包材の商社が狂牛病と0157の影響で、下り坂になってしまって解雇されまして、次のところも正社員で入ったんですけれども結局、販売実績が上がらなくて、営業所が閉鎖されてしまったんですね。
せっかく社員になったんですけれども、2回続けて会社側の理由で余儀なくされてしまったんで、もう最初から期間が決まってるところで働こうって思いまして派遣登録して、そこで図書館のカウンターですとか学校の学部事務室ですとか病院の受付ですとか、事務職を転々としていました。
そちらの事務職もちょっと年齢でもう紹介できるところがって言われたときに、元から博物館美術館を巡るのが好きだったんで、上野に行ったときに、ちょっと人を探していて…みたいな感じの話を聞いて、新橋に話を聞きに行ったところが今の会社です。
なので趣味に救われたっていうところはありますね。

イワナ:今の仕事って昔のお仕事と比べたらどうですか?

新橋:んー、そうですね。外に定期的に出られるので、その分は気分転換にもなりますし、同じ会社の中で事務作業をしてたりするよりは、視野が広がるので、人生勉強にはなります。今まで会ったことのない分野の方にも会いますので。

未来:そうですね紆余曲折あって、でも初めからこの仕事をしているより、いろいろ体験してきたから今の仕事が勤まってるっていうのがあるのかなと思います。

イワナ:新橋さんご自身の5年後とか10年後とか死ぬ瞬間までイメージをされたら、どんなイメージになりますか。

新橋:そうですね、本当に夢といえば夢なんですけれども。
本というのはいつブームが来るかわからないっていうところもあるので、自分が『鎌倉ひとり10km』っていう小説を出した事を忘れているぐらいの時に、ぽっと鎌倉本のブームでも来て、こんな話があったんだ.って。1行目から主人公がドジ踏んでる、これは面白いっていう感じで話題になって、ばあって売れないかなっていう。
本当にね、それが事実だったらって感じですね。
あと身近な目標としては、今年22世紀アートさんっていう日本橋の出版社が文学レボリューションという行事を立ち上げまして、そちらに参加させていただいてるんですけれども。全国の読書愛好家が集まって、決められた本を読んで、期日以内にその本に対する読書感想文を送るっていうコンテストなんですね。
いつも参加者は300人程度なんですけれども、1回目は上位100人に選ばれ、
7月15日に開催された第2回のコンテストの結果が出たんですけれども、
なんとギリギリ50位以内、49位に選ばれてまして。もっと次回は上位を目指したいなって。
ゆくゆくは、そちらの22世紀アートさんにも自分が書いた小説丸々1点読んでもらえたらなっていう、目標は立ててます。

イワナ:いいですね目標。小説だったら書きたい題材が次々に浮かぶっておっしゃってて、次の題材とかって思い浮かばれてるんですか?

新橋:いま、カクヨムさんというサイトで書いてる途中なのが、さっき言った、高校時代に先輩の作文を書いてしまったっていうエピソードを元にした話です。ちょっと意地悪な先生が出てきて、その先生の行動があまりにも理不尽だから、ぎゃふんと言わせちゃえっていうことで、主人公がその先生にばれないように、先輩に代わって作文を書いてしまうっていう。
ただほら、今一番書きたいのがとんでもない先生も中にはいると思うんですよ。
なので、先生が言っていることが絶対じゃないよっていうメッセージを含んで書きたいなと思いまして。どう書くとそのメッセージが伝わりやすいかなって試行錯誤しているところです。

イワナ:それってメッセージを送りたいっていう気持ちと高校時代のエピソードを使いたいっていうのをどちらが先に思い浮かんだんですが?

新橋:前者ですね。ちょっと理不尽な校則とかもあるんで、それに対して自分なりに反抗してるというか。

イワナ:皆さんにもしもの質問をしてまして、学校卒業されて、そのまま博物館の学芸員として働けてたとしたら、今何をされてると思いますか?

新橋:そうですね、子供たちに博物館の面白さを伝える側になってるんじゃないかなと思います。
博物館に行けば、普段絶対見ることはできないようなものが見られたり、漫画には書いてないような説明文が書いてあったりするじゃないですか。
たまにはそういうものにも触れてみようよっていうのをいろいろ工夫して伝えているんじゃないかなって思います。

イワナ:伝えるっていうのがすごい新橋さんのキーワードなんですかね?
今のお話聞いて、小説を書いて、何かを社会に伝えるみたいなのと、子供たちに博物館の面白さを伝えるみたいなのがすごい似てるなと思ったんですけど、博物館の学芸員をもしされてたら今と伝え方とかって違ってたと思いますか?

新橋:そうですね。もしずっと博物館だけの世界しか知らなかったら、もっと伝え方が固かったのかなっていうのはありますけど。
より専門的に伝えるっていうのはできていたかもしれないですけれども、博物館以外の例えば病院でしたり大学でしたり、一般企業でしたりの内情も今の私は知っているので、その分伝え方が工夫できたりとか、ずっと博物館にいたときには出てこなかった言葉で伝えてるのかなっていうのはあります。
それも全部自分が工夫して博物館の外の世界をどれだけ知ろうとしていたかなっていうのにも関わってくるのかなとは思うんですけれども、もしかしたらずっと博物館に勤めていたら小説は書いていなかったか、書いていたとしても、もっと硬いボランティアっていう感じの小説になっていたかなっていうのもあります。

イワナ:本当に今のお仕事がすごい合うというか、全部いろんな知識が自分のものになってらっしゃるんですね。

新橋:そうですね紆余曲折あって、でも初めからこの仕事をしてるより、いろいろ体験してきたから今の仕事が務まってるっていうのがあるのかなと思います。
ただ、ちょっと金銭的に不安定なので。なんて言ったらいいですかね、本当に記事が読まれてある程度評価されないと収入に繋がっていかないっていうのがあるので、他の人にこの仕事を薦めますかって言われると、躊躇はしてしまいますけれど。
会社自体が、今ちょっと苦しいところがありまして、私も空き時間に今までいろいろ読んできた本の感想文も書いてくれって、こないだ依頼が来たばかりなんで。
何かこれから変わってくる過渡期にいるのかなっていうのはありますけれど。

イワナ:そういう部分ってどんな感じでこれから変えていきたいんですか?

新橋:そうですね。もうちょっと将来の不安をしないで済むような方向に変えていきたいっていうのがありますね。
あと私の『鎌倉ひとり10km』っていう本も、せっかく書いたので、今1000部刷ったうちの431冊しか売れていない状況なんですね。
なので本当に人脈ありそうな無名人インタビューさんの方に、できる事でしたら、何か本の広告をしているような人を紹介していただくとかそういうふうにできたら嬉しいんですけれどっていう感じですね。

イワナ:なんかでも繋がっていきそうですね。もう今500人ぐらいインタビューさせてもらってるんで、昔の記事とか読んでもらって、気になる人にはアプローチをしてもらったら、多分いい感じに縁は繋がっていくんかなって思いました。

新橋:あとできればあしなが育英会っていう組織自体が、病気や、災害、自殺などで両親または片親を失ってしまって経済的に学校に進学できないっていう子供たちを1人でも減らそうっていう団体なんですね。
なので、将来福祉を学びたい人だとか、教育関連の仕事をしている人ですとかにこの本の存在を知ってほしいなっていうのもあります。それでひといくさんの方にも送らさせていただいたんですけど、先ほど申し上げたあしなが育英会の志を次いでPウォーク10の活動を続けている昭和学園高校さんの方にも1冊送らせていただいてるので、あとは本当に福祉の専門学校の方ですとかにも繋がっていってもらえればいいなって思っています。

イワナ:最後に他にいい残したこととか、これを読んでる方向けでも自分に対する独り言でも大丈夫なので、何かありますか?

新橋:はい。最後に『鎌倉ひとり10km』っていう本を出した出版社について話させてください。文芸社さんっていう、新宿御苑の会社なんですけれども。
血液型別の取り扱い説明書ですとか、あの映画にもなった余命10年などが有名なんです。最近のヒット作としては夏奈色 ひとみさん、石川 ゆかりさんの絵本ですね。『ぼくのしあわせ』っていう、木のイラストが素敵な絵本なんですが。
他には、岡村守さんが書いた冒険ファンタジー小説『ルークとマジックパーク空の滝』っていう。こちらは多分、シリーズものになっていくんじゃないかなっていう終わり方をしているので、今から読めば全シリーズ読めると思いますので、特に中学生・高校生でわくわくすることが大好きな人におすすめですし。
更には、今話題になってるいじめ撲滅っていうテーマとして、MR.和丸ブランドさんていうちょっと長いペンネームの方の『井の中の蛙 ~心の道しるべ~』ていう本がありましてね、お笑いなども混じった笑って泣ける小説ですので、そちらの方も本好きな方は調べてみてくださいっていうことを言い添えたいです。

あとがき

新橋さん、ありがとうございました。
知っていることを知っている人が伝えていかなければならないっていう使命感に、少しハッとさせられました。
毎日生活していると、目の前の仕事とか悩みでどうしても一杯になってしまって、そういう優しさや思いやり、と私は感じたんですが、その心を忘れてしまっている瞬間があります。
こうやって無名人インタビューも何かを大勢の人に伝える一端を担っている認識ですが、私自身、初めの「伝えたい」のエゴのところまでしか見るようにしていないなって実感、、、
どんな活動でも伝えた先の受け取り側はどう受け取ることができるのか、どう流れて行くと全体が良くなる、素敵になるのかまで見えるように目を凝らした方が人生楽しそうやな、、と、少し話は反れたようですが、編集しながらこんなことを感じました。
新橋さんの話を聞いていて、自分が感じたこととか起こった出来事を表現するのに使う言葉って大切だなと改めて感じました。どう表現しても伝わるとしたら、より味が出るといいますか、千差万別のできるだけたくさんの人に実感しながら受け取ってもらえるような言葉を選びたいですね。
好きなことをしているときに「暑さを忘れるくらい」とか、「大変さを忘れるくらい」とか、この表現が口から出てくるのって私からはすごく素敵に思えました。
「〇〇を忘れるくらい…」という言葉、日常に取り入れようと思います◎

本日も読んでいただきありがとうございました!

【インタビュー・編集・あとがき:イワナ】

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