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子供が発達障害でもしかしたら私も発達障害なのかなと思った人

ちょっと、なんでこんなに「発達障害」という言葉が氾濫しているのかわからない。
SNSがあるせいかもしれない。
「偏差値」と同じくらいの、自分と他人を比べるための物差しとして使っているんだろうか? それとも他人を蹴り落とすための? 「身長」「体重」とたいして変わらない?
ところで「カタログスペック」という言葉を知っていますかね。ITでよく使う言葉なんですが。パソコンの性能とか、製品サイトや紙カタログに書かれていますが、これって実際にそのパソコンを使って見ると、あんがいそのスペック通りの性能が出てないな、て感じることがあるんです。結局カタログに載ってる値なんて、メーカー側が測定したものだし、実際と異なる場合はあるわけです。それが悪いっていうかそういうんじゃなくて。
環境や状況で、パフォーマンスは変わるんです。
人間の能力にはでこぼこがあって、それは環境や状況で、パフォーマンスが変わるんです。
サッカーだって、暑い国でワールドカップ開催だったから今年はどこどこの国が勝ったなって言ってるじゃん。
才能は、環境という変数で大きく変わります。
今ダメなものも、過去良かったかもしれない。
今良いものも、未来にはダメになるかもしれない。
可能性は束にしてポートフォリオにしておかなくちゃいかんものです。ああ愚痴になった。
ということで、今日の無名人インタビューを斧田氏見くださいね!!(主催:qbc)

今回ご参加いただいたのは なずなはな さんです!

現在:職場で人付き合いしなきゃいけないのが、すごい苦痛だったんだなっていうのが、フリーランスやってすごいわかりました。

qbc:今、何をしている人でしょうか?

なずな:1年前からフリーランスのライターをしています。記事やシナリオの文章を書いてますね。

qbc:どんなお気持ちで、その仕事をされていますか?

なずな:私、文章を書くのがすごい好きで。逆に、口で何かを説明するのはものすごく苦手です。文章だと後からいくらでも直せるので、それがとても楽ですね
もちろん、ちゃんとした文章を書かなきゃいけないとか、締め切りに間に合わせるとかはあるんですけど。文章を書くこと自体が好きなので、そんなに苦ではない感じです。

qbc:書くのが好きというのは、どういうところなんですかね。

なずな:なんていうんでしょうね。私は、自分の考えを頭の中でまとめるのがすごく不得意で。考えてるうちから消えていく感覚があります。
自分が考えてることを、ババーッと文章に出力していくのが好きなんですよね。そうすることでまとまっていくというか。そういう作業自体は元からとても好きで、よくやっていました。

qbc:思考を書いてまとめる、というのはどんな気持ちですか?

なずな:すっきりしますね。他人に喋ったり愚痴を言ったりすることがストレス発散になる人って、割といると思うんです。
私にとって書くということは、そういう行動と同じだと思いますね、たぶん。

qbc:以前は何のお仕事をされてたんでしょう?

なずな:事務作業の補助みたいな、パートで働いていることが多かったです。そんなに職種を限定するものではないので、いろいろな仕事の事務をしてましたね。

qbc:なぜ、フリーランスのライターになったんでしょう?

なずな:20代初めから会社に属して働いてたんですけど、人間関係にすごく疲れてしまって。職場内の人付き合いって、閉鎖的というか、特殊だと思うんですよね。会社にいるときしか仲良くしないというか。仕事が終わったり、会社を辞めたりしたら、そんなに連絡を取らないみたいな。
私は職場の人間関係をあんまり把握できなくて。たとえば、AさんとBさんは仲が悪いとか、CさんはAさんのことが好きとか、そういうのに対応することに疲れてしまって。
30代の終わり頃、仕事で私が大きなミスをしたとき、全員に嫌われてるんじゃないかって思って。他にもいろいろあったんですけど、それでメンタルの調子を崩して、仕事を辞めたんですね。
で、その後は長く引きこもって。これからどうしようかなっていうときに、昔から文章を書くのが好きだから、フリーランスのライターになったっていう感じです。

qbc:今のお仕事になったのは、良かったか悪かったかで言うとどちらですか?

なずな:ライターになって良かったと思いますね。すごく楽です。本当に。職場で人付き合いしなきゃいけないのが、すごい苦痛だったんだなっていうのが、フリーランスやってすごいわかりました。

qbc:何年ぐらい我慢してたんですか?

なずな:今40代前半なので、20年近く頑張ってたっていう感じですね。

qbc:今のお仕事は、1日のうちでどういう風に進めてますかね。

なずな:小学生の子供がいるので、朝は子供と一緒に起きて。子供を学校に送り出した後に、家事をやって仕事を始めます。完全に在宅なので、お昼食べた後も、子供が帰ってくるまで仕事をしますね。そしたら、夜ご飯作るっていう生活です。

qbc:今、どのようなご趣味をお待ちでしょうか?

なずな:読書とか、美術館とか博物館に行ったり、映画を見たりとかですね。そんなにたくさん行けてないですけど。昔は音楽を聞くのがすごい好きでした。

qbc:読書で、大学生におすすめの一冊って言ったらなんですか?

なずな:今の大学生で、あんまり知り合いがいないからな。なんでしょう。私、読む本の範囲が狭くて。
1人好きな作家さんがいると、その本を全部揃えちゃうみたいな、そういう偏った読み方をするので。よしもとばななさんや川上弘美さん、江國香織さんは、一時期ほとんど文庫で揃えてました。
最近読んだのは、幸田露伴の娘で幸田文っていう、エッセイとかを書いてた随筆家なんですけど。
幸田文は、明治から昭和の時代を生きた、すごく昔の感性を持った人で。家の掃除の仕方も、畳をほうきで掃くとかで、全然私の知らない世界の話なんですけど、それを読むのが好きです。大学生におすすめするとしたらそれかな。

qbc:ご自身では、何をしてるときが一番好きですかね。

なずな:一番好きなのは文章を書いてるときですね、やっぱり。

qbc:文章を書くことと、読書や美術館とかの趣味って、つながりがありますか?

なずな:私、ちょっと記憶力が弱くて。物を見たりしても、あんまりこう、長いこと記憶を保っていられないんですね。
なので、美術館や映画を見に行ったりすると、その感想を文章で書くようにしてます。別に、公開するとかでもないんですけど。自分が何を感じたかっていうのを記録するために、文書を書いてる感じがします。

qbc:好きな食べ物は何ですか?

なずな:前まではもう、絶対にカルボナーラだったんですけど。ちょっと胃腸を悪くしてしまって、今はカロリーとか脂質に気をつけて食べてるので。
でもやっぱり好きなのはカルボナーラかな。あっさり系のカルボナーラがあれば、それをずっと食べてると思います。

qbc:カルボナーラのどこが好きなんでしょう?

なずな:あの、こってりさですよね。クリームがなくても全然いいんです。チーズっぽさが感じられれば。

qbc:周りの人から、自分の性格ってどんな感じだと言われますかね。

なずな:私、家族と友人・知人に対する対応の仕方が、全然違うとよく言われるんですね。ものすごく外面がいい。
家族以外の他人に対してはすごく優しいというか、当たり障りない感じですけど。家族、特に親に対してはものすごく甘えてしまうので、すごい冷たい態度をとっちゃうんです。

結婚した後、旦那と一緒に私の実家へ行ったときとかに、「なんで親に対して、あんなに冷たい言い方するの」みたいに言われたことがあります。
自分としては、それが一番自然のことというか。「これでも許してもらえるだろう」って家族に対して思ってるので。他の人から見るとそうなんだなって思った記憶はあります。

qbc:家族ではない周りの人からは何て言われますか?

なずな:家族ではない人だと、本当に私、友人が少なくて。学生の頃からずっと仲良くしている友達が1人と、幼なじみが1人いて、それ以外はもうほとんどいないんですよね。
付き合いの長い友達からは、見た目はすごいしっかりしてそうなんだけど、話すとちょっとぼんやりしてるみたいに言われます。

qbc:自分自身ではどんな性格だと思ってます?

なずな:すぐ白黒思考になりがちですね。物事を二元論で考えるので、自分と合わないなと思ったら、その瞬間から距離を置いてしまう。その代わり、自分が興味ありそうだと思ったらものすごい深く突っ込んじゃうとか、極端だなっていう感じはします。

過去:集団行動を無理やりさせられた「学校」という場がずっと苦手でした。

qbc:子供の頃は、どんな感じの子でしたか?

なずな:子供の頃から人付き合いが苦手で。あんまり友達の輪とか、グループとかに入っていけない子ではありましたね。

qbc:物心ついたぐらいの頃は、どんな遊びをしてました?

なずな:3歳上の姉がいるんですけど、その姉の後をずっとついて回ってて。普通にローラースケートとかスケボーとか、そういうので遊んでたかなって感じですね。

qbc:家の中で遊ぶ、外で遊ぶだと、どっちが多かったですか。

なずな:外で遊んでたことが多かったです。姉の幼なじみが家の近くにいて、姉がその子達と遊んでたので、私もそれについていってました。ついていきすぎて、姉の友達からは邪魔に思われてたみたいなことを、大人になって聞いたりしましたね。
私は家の周りに同学年の子がいなかったので、姉と一緒に遊ぶか、幼稚園の友達と遊ぶっていうくらいでした。

qbc:性格的には、今と違ったりしましたか?

なずな:引っ込み思案で、おとなしい感じでしたね。あんまりその、同世代の子たちに同調できなくて。彼らが話してることを面白いと思わなくて、かといって自分のことをアピールできるわけでもなく。大体いつもちょっと浮いた存在というか。仲間に入れないなっていう、疎外感がずっとありました。

qbc:どんなことに同調できなかったか、覚えてます?

なずな:低学年の頃ですけど。例えば男の子が、女の子の上履きとかを持っていっちゃって、その女の子が怒るっていうのがあったんですね。それを私も1回やられたんですけど、相手はこちらが過剰に反応するのを見て楽しんでるんだろうな、と思って。
そう思うとなんか冷めちゃうんですよね。私はそれに乗りたくないな、という気持ちがあって。何か取られても、後で探しに行けばいっかみたいな感じでほっとく。

あとは、クラスメイトが話してて、みんなすごい笑ってるけど、全然面白くないな、みたいな。そういう気持ちになることが多かったですね。

qbc:中学・高校では、どんな感じでしたか?

なずな:そんなには変わらない気はするんですけど。ちょっとは仲いい子もいたり。
昔からずっと、グループに属するのが苦手で。みんなで同じことをするとか、学校でペアを組むとか。そういうことを強制させられるわけじゃないんですけど。

もちろん、社交性を育てるのには必要だったと思うんですけど、やっぱり集団行動を無理やりさせられた「学校」という場がずっと苦手でした。あんまり学校に対していい思い出がないんですね。
とはいえ、今の友達とは学生時代から仲良くなったので、いい人はいっぱいいました。中学のときにいじめられたりしたけど、めちゃくちゃ恨んでるとかもないです。でも、学校自体にはちょっと嫌悪感がありますね。いまだに。

qbc:嫌悪感がある?

なずな:嫌悪感がありますね。

qbc:小・中・高で印象的なエピソードって、他にありますか?

なずな:高校では文芸部に入ってたんですけど、すごくカリスマ性のある部員がいて。その人は自分の主義主張をきっぱり言えるし、割とみんな好意的に見てたんですけど。私はその人に利用される立場というか、命令されることが多くて。すごい操られてる感覚がありました。

ただ私は自分が、特に意見を持っていないっていうのが、今でもコンプレックスなんですね。
他人からこう言われると、あーなるほどってその気になっちゃう。「あなたはどう思うの?」って言われたときに、すぐに答えられない。そういうところがあるので。人の意見に流されるまま、過ごしてる感じでした。

qbc:高校の後の進路はどうなったんでしょうか。

なずな:そうですね、高校のあと大学に行って。私、小学校のときから算数がものすごい苦手で。国語は得意だったんですけど。
高校も、文系のところに行って、数学は途中から選択しませんでした。そうするともう大学も、今センター試験って言わないと思うんですけど、センター試験を受けられなくて。国語と英語だけの入試を選んで受けました。

qbc:大学はどうでしたか?

なずな:大学生活は、すごい楽しかったですね。あんまり強制されることはない。自分で学びたいものを学べる。何かグループ作れって言われることも、滅多にないし。学生生活って意味で言うと、大学が一番楽しかったなって思います。

qbc:大学では何を勉強されたんですか?

なずな:文学部だったので、古典とか日本文学とか哲学とか。大学3年生のときに、民俗学のゼミナールを専攻したっていう感じですね。民俗学っていうのは、日本文化や習俗についての学問なんですけど。

qbc:なぜ、民俗学に興味を持ったんでしょうか?

なずな:もともと大学で、民俗学の講義を聞くのがすごく好きだったんです。
有名な例えで言うと、お正月のお雑煮かな。お雑煮のお餅のかたちが、日本の東西で変わるという話があります。関西ではお餅の形が丸くて、関東だと四角だ、とかですね。
その地域とか時代によって、伝わる文化や言い伝えとかが全然違ってたり、また逆に似てたりするっていうのがすごい面白くて。

qbc:民俗学の面白かったところ、もう少し詳しく聞いてもいいですか?

なずな:はい。日本民俗学は、柳田国男が中心となった起こした学問で。当初は民間の人々に伝わる話や風習を、体系的・全国的に収集してまとめる、みたいなことが目的だったと思うんですけど。

伝承や風習って、数が膨大なんですよね。昔話一つとっても幅広い話型があったりして。そういう物語とか習慣が人々の間に伝播していく工程を見るのがすごく面白いんです。同じ日本に住んでるけど全然知らなかった、とかも。人の話を見たり聞いたりするのが好きだっていうのもあるんですけど。

qbc:その後、社会人になった20代ってどんな感じでしょう?

なずな:20代は、やっぱり人付き合いが苦手なので、本当に大変だったという思いしかないんですよね。そんなにすごい仕事はしていないんですけど。
威圧的な人が苦手なので、職場にそういう人がいると、「嫌だな~」って思いながら仕事に行ってました。そんなに特筆することはないです。

qbc:30代はどうでしょうか?

なずな:30代。でもそうか私、20代後半で旦那と結婚したので。30代の最初に子供を産んで、それからは子育てと一緒に進んできたっていう感じですね。30代後半になってから、二次創作にハマりました。

qbc:二次創作は、どんなことをされてたんでしょう?

なずな:好きだった漫画の、BL小説を書いてましたね。妄想のカップリングで。睡眠時間を削って同人誌の原稿を書いたりとか、イベントに行って自分の同人誌を売ったりとかしてました。

qbc:30代は、他に何かありますか?

なずな:30代も終わりになってくると、なんとなく、人付き合いってこういう対応した方がいいんだろうな、みたいなのがわかってきて。あとは会社とかで、「こういう場面ではこういうことをすればいいんだな」ってわかってはきたんですけど。それに合わせるのが本当に疲れてきたというか。そういうことに悩むのは、そんなに毎日じゃなくていいかなって思ったのは確かですね。

ずっと人付き合いについて悩んでいる人生というか。自分はこう言ったけど、これでよかったんだろうかみたいな、ずっと自問自答してしまうので。そうやって考える機会は少ない方がいいかな、って考えにいたった10年間みたいな感じがします。

qbc:30代の終わり頃にメンタルを病んだというのは、どの程度だったんでしょう?

なずな:希死念慮があって、すべてが怖くなって。家から出られなくなる、身体が動かせなくなるという感じです。常に泣いちゃうみたいな。
子供は学校に行かなきゃいけないので、朝は一緒に起きてましたけど、それ以外はずっと寝てましたね。

qbc:子供の頃から今まで、ご家族との関係ってどんな感じでしたか? 

なずな:自分が子供の頃は、母親がすごい過保護で、甘やかされてきたっていう記憶があります。私が末っ子で、2人姉妹だからかもですけど、「女の子はこうでなきゃいけない」みたいに育てられました。それが大人になってからも続いてる感じはしますね。母親はやっぱり今でも過保護なので。

ずっと、家にいるのが苦痛だったんですよね。家を出たいと思っていて。家にいると、部屋の掃除とか料理とか、私がちゃんとできないことを、みんなやってくれるんです。逆に、やろうとすると、それは違うよって直される。
自分は恵まれていて、感謝すべきことだって、わかってはいるんですけど。私はこのまま何もできない人になっていくんじゃないかっていう気持ちはずっとありました。

qbc:実際に、ご実家を出られたのはいつですか?

なずな:実家を出たのは、「結婚する前にとりあえず同棲をしてみよう」って旦那と決めたので、そのときです。すごい親に反対されたんですけど。嫁に行く前に同棲をするのか、ご近所になんて説明するんだ、みたいなことを言われて。

qbc:旦那さんとは、わりとすぐ会える距離だったんですかね?

なずな:普通に電車で1時間ぐらいの距離でした。ただ、結婚できるかどうかって一緒に住んでみないとわかんないな、と私も旦那も思っていて。
親と旦那と、みんなで話し合いとかをして、とりあえず1年間同棲して。「おっ、これは結婚できるな」と思って結婚した、っていう感じですね。

未来:その人ができることを、その人なりの方法で、うまくこの世を生きていくしかないんだなっていうのがわかってきた感じがします。

qbc:5年後10年後、30年後40年後の自分、最終的に自分が死んじゃうよってところまでイメージしていただいた上で、未来ってどういう風に感じてらっしゃいますかね。

なずな:私は死ぬことが、ずっと昔からずっと怖いんですね。1日に1回以上、必ず死ぬことを考えたりするぐらい怖いんです。なので、あんまり何十年も先のことが全く想像できなくて。
ただ、「小説を書きたいな」っていうのはあります。一次創作の小説を書いていきたい。そう思いながら、今はちょっとまだ書くところまでは行ってません。

qbc:オリジナルの創作をしたい?

なずな:メンタルを崩してから、創作をすること自体が難しくなってしまったので。何かお題があって、それに沿って書くっていうのはできるんですけど。
ライターをしながら小説を書きたいなっていう気持ちはあります。

qbc:気持ちの面で「未来はこうなっていたい」っていうのはあります?

なずな:今までは「白か黒か」っていう思考をすることが多かったんですけど、それをもうちょっと変えていきたいな、と。
自分の子供に対しても、「こうあるべきだ」みたいな考えを押し付けていたことがあって、それはやっぱりよくないなと自分でも思うので。そう言ってしまうのは、自分がそう育てられてきたからだよなっていう気持ちもあります。

子供については、人として最低限、社会に対応する術を身につけていてくれたら、あとは自由でもいいんだろうなとは思うんです。でもまだ自分も、少しずつしか変えて行けなくて。
自分が物事を決めるとき、「それでいいのか」って内なる声が聞こえてくるみたいなのがあると思うんですけど。それってやっぱり、自分が今まで受けてきた教育とか、親から言われた言葉、他人から言われた言葉とかがすごい染み付いてる感じがするので。
それを、もうちょっと柔軟にしていきたいなって思います。

qbc:話は変わりますけど、旦那さんってどんな方ですか?

なずな:旦那は、すごく我慢強い人ですね。私はいろんなところが偏っていて、過集中とかルーズだとか、掃除できないとかいろいろあるんですけど、そういうので怒られたことはほとんどないです。もう10年以上一緒にいますけど。

それは旦那にとっても欠点であるというか、我慢しすぎているのはあって。結婚したばかりの頃、旦那が職場でパワハラに遭って、メンタルを病んだこともありました。
旦那も、幼い頃から我慢強さを強いられてきた結果、そういう性格になっちゃったところがあって。なので、それを素晴らしいとか、手放しで褒めるっていう感じではないんですけど、感謝しています。
旦那とは一緒にいてとても楽しいですね。説明するのがすごい上手なので、旦那の話を聞くのが面白いです。

qbc:もしもの未来、という質問をしておりまして。
もしも「書くのが好き」とは逆の、「話すのが好き」っていう感性に切り替わったとしたら、何をしたいですか。

なずな:それだったら、たぶん先生になってたんじゃないですかね。先生か教授かわかんないですけど、何かしらの講義をする人になってたんじゃないかな。物事を突き詰めて考えることが好きなので、複数の人に対して話をしてる気がします。

qbc:未来のイメージで、この場所に居たいとか行きたいとかってあります? 

なずな:自分が書いた小説が、誰かに評価してもらえれば、それでいいなという気持ちはあるんですけど。それ以外では特にこの場所にいたいとかは、ないですね。

qbc:今、不安に思ってることは何ですか?

なずな:子供が発達障害のグレーゾーンなので、将来大丈夫かなって心配してますね。ただ、「なるようにしかならないんだろうな」っていう気持ちもあるので。
先生とも協力して、学校の中で子供が浮かないようにしてるつもりなんですけど。でも、それも子供が自分で何とかやっていく面が大きいので、祈るしかないというか。だからこそ不安に思う、みたいな感じですね。

qbc:お子さんの診断名をお伺いしてもよろしいでしょうか?

なずな:子供の場合は知能検査を受けたわけではなくて、発達障害児向けの診療をしてくれる病院の問診結果なんですけど。ADHD(注意欠如・多動症)とASD(自閉スペクトラム症)の特性があると言われました。

qbc:今の自分のことは、どう思いますか?

なずな:今の自分は、好きになってきた感じがしますね。10代・20代の頃は、ずっと自分が嫌いでした。うまく人付き合いができないのは自分が悪いんだろうなっていうのをずっと思ってて。
他人を責めたりするよりも、自分を責めるのが一番楽なので。だけど、最近ようやく、「自分が悪いわけでもないんだな」と気づきました。他の人が悪いってわけじゃないんですけど、「そうなるべくしてなったこともあったろうな」みたいな感じというか。それをちゃんと分かるようになってきたのは最近のことなので、今は割と好きかもしれないです。

qbc:自分を好きなのは、今がピークってことですかね。

なずな:たぶん、ピークだと思います。

qbc:自分自身への好意が上昇したきっかけって、何だったんでしょう?

なずな:きっかけは、一度メンタルが壊れたのが大きかった気がしますね。
仕事でミスをしたのと、子供が学校に馴染めなかったのが重なったのもあって。
ただそのとき、どんなに私が頑張っても、できないものはできないんだなっていうのがわかりました。そこで自分の限界を見た感じがします。
ってことは、この世には「絶対こうしなきゃいけない」みたいな基準って、ないんだなって。その人ができることを、その人なりの方法で、うまくこの世を生きていくしかないんだなっていうのがわかってきた感じがします。最近、ようやく。

qbc:人間関係に悩んだのは、なぜだったんですかね。

なずな:集団生活での悩みが強かったですね。自分は職場の人に興味を持てないのに、興味を持とうとしていて。嫌われるのがイヤだ、っていうのがすごくあって。それは、自分が傷つきたくないからなんですけど。
自分を守るために、人にいい顔をするっていうのが染み付いている。そうすると、少しでも相手が嫌そうな顔をしたり、いつもと違う態度だったりすると、もうそれだけで傷ついちゃって。あーこれは良くなかったんだ、じゃあ次はこうしようみたいなのを繰り返していると、全然楽しくないんですよね。

もちろん、自分が仲良くしたいなと思う人もいます。ただ、職場の人に対しては、分け隔てなく過剰にいい人ぶろうとしてしまうところがあって。逆に、自分の気持ちを言えなかったりとか。
でも最近、自分の人付き合いのキャパシティがすごく小さいってことがわかってきました。自分ができる範囲で接するしかないんだなって。

qbc:その、わかるためにかかった年数については、どう思っていますか?

なずな:それに気付いたのが本当に最近なので、めちゃめちゃ長かったなと思いますね。40年かけてこれをわかったのか、って。
人付き合いのコツって、うまくできる人はできると思うんですよ。ようやく気づいたっていう感じはします。

qbc:そのことを、誰かに話したことってありますかね。

なずな:親友や旦那には話してますね。人付き合いへのモヤモヤとか、うまく人間関係を構築できないとか。

qbc:自分のキャパシティがわかったことに対して、旦那さんはどんな反応でした?

なずな:私が人付き合いについて悩むのって、日常茶飯事で。学校の保護者会があった日の夜はすごい鬱状態になって、でもまあ頑張ろうみたいな感じで持ち直す、ってのを繰り返してまして。旦那としては慣れっこというか、またやってるよぐらいの気持ちだと思いますね。

qbc:他の周りの人も実は同じだった、みたいなことは想像したりします?

なずな:それはたぶん、想像はできるんですけど。そういう、他の人も大変なんだなっていうのに気付いたのも、やっぱり最近なので。それまではもう、自分だけがつらいみたいなところがずっとありましたね。

qbc:ありがとうございます。最後に言い残したことがあれば、お伺いしています。

なずな:この前、大人向けの知能検査を受けまして。子供が発達障害っていうことで、もしかしたら私も発達障害なのかなと思って。まだ結果は出てないんですけど。
そこで心理士さんと話をしたときに、「視覚がものすごい強いんですね」って言われて。検査の中でも、目を使うパズルはすごい得意だったんですよ。その一方で、数字を使ったものは全くできなくて(笑)。
そのとき、だから私は今までこういうのが得意で、こういうのが苦手だったんだ、みたいに納得して。
発達障害かどうかを確かめることって、レッテルを貼られることなんじゃないかと思ってたところがあります。
でも、そういうことではなくて。自分は何が得意か、何か苦手かっていうのを判断して、それでこれから自分がどういうふうに生きていくのかを決めていくことなんだなっていうことに気づきました。

ただ、それはやっぱり当事者に近くないとわからない感覚だなとも感じていて。「自分が発達障害かもしれない」みたいに悩んでる人がいれば、知能検査やカウンセリングを受けてほしいですね。そこで自分の得意・不得意を知って、これからの人生に活かしていけるといいんじゃないかなって、思ってます。

qbc:ありがとうございました。

なずな:ありがとうございました。

あとがき

嘘も方便っていうじゃないの。あれ私、苦手なんですよね。
だって、ほんとうのこと言わないと、現実にリーチできないじゃん。
まあ、傷つけずに変えるって方法もあるかもしれないし。傷ついたら何もできないってこともあるだろうし。様々ですよね。
スペイン語には「海の表面のさざなみに太陽の光がちらちら光って輝いてかわいらしい」という言葉があるって話を美大生から聞いたことがあって。
日本には、そういった語彙がないわけです。
日本人にはそういう感性がないのかもしれないし、海の、波の、感じが、日本とスペインで違うんだろうよ、と。
その差異についてどう思いを致すかってことだと思う。思った。
一方で、日本には雨に関する語彙が多いらしいですね。水の国らしいですからね日本は。
雨。
イギリスの、マリー・クワントの展示をこの間渋谷に見に行ったんですが、なるほどイギリスも雨が多いわけで、レインコートのデザインであらたな知名度を得たみたいな話があったことを思いだした。
その国その風土その人それぞれでそれぞれのそれぞれがそれぞれになっているって認知を取る所存のプロジェクトにしたいなってこの無名人インタビューを、と思いました。
思って。思ってばかりの国の住民です。

インタビュー担当:qbc

編集:なずなはな

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