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自転車世界一周中の、安楽死を研究していた人

私は高校の時の体操着を30歳近くまで着ていた。それはなぜか? なぜだろう。なぜなんだろうね? わからない。わからないというのだ。わからないからにはわからない。そう、嫌がってる。わかってる。私は物持ちがいいのかもしれない。あるいは、高校生でもないのに高校時代の服を着て、風変わりな自分を楽しんでいたのかもしれない。
いや、本当にそうか? そうではないのかもしれない。いや、そうだ。そうに違いない。
いやいや、そうではないだろう。私は、風変わりを楽しむために高校の体操服を30歳まで部屋着に使っていたわけではない。なんという。そもそも、左胸のところに「栗林」としっかりした刺繡が紺色の糸で。
考え方の角度を変えてみたらいい。「風変わり」という価値観の部分ではなくてですね、わかりますか? 16歳から着ていたものが、14年近く着られたという真の意味が。むつかしくない、シンプル、わかりますか? 丈夫なだけなんですよ。思春期向けの、体操服、丈夫にできてるに決まってる。男の春機発動、それを守護るブッとい木綿。
そして、物を大事にする心。
You Know? 風変わりでありたいという気持ち、丈夫な布、SDGsグッドハート。これが令和の三種の神器です。
怖いドル円150円。
ということで、本日の無名人インタビュー、おったのしっみくっだっさいいねー!!(主催:qbc)

今回ご参加いただいたのは ゆーせい さんです!

現在:世界、自分旅行した場所が何か自分の庭みたいになる感覚が好き

qbc:今、何をしている人でしょうか?

ゆーせい:今、自転車で世界一周をしています。

出発して8ヶ月ぐらいですかね。2月にスタートして、7ヶ月ちょっと、そろそろ8ヶ月ぐらい。

qbc:どこからスタートして、今どこにいらっしゃるんですか?

ゆーせい:自転車で移動してるものですから、実はまだアメリカとカナダしか行ってなくて。ロサンゼルスに2月に到着して、そこから8月まではずっと北上していました。
なので夏を追いかけるといいますか、ロサンゼルスに冬に着いて、寒い間は南の方に行って、春から夏にかけてどんどん北上して、最後は北極海まで何とか8月に到達することができて。
北極海まで行ったところで今度は冬から逃げないといけないので南下しないといけなくなりまして。ちょっとそのまま自転車で南下するのだと追いつかれてしまうので、飛行機で反対側、アメリカ大陸の西海岸と呼ばれる方を北上してたんですけど、今度東海岸側下りたいなと思って。
トロントっていうカナダで一番大きい街に飛行機で飛びまして、そこから南下して現在はアメリカバージニア州のノーフォークという軍港の近くに来てます。

qbc:ざっくりした質問なんですけど、今、どんな気持ちですか?

ゆーせい:最初ついて数ヶ月の間は、もうただただアメリカの大きさに驚愕というか。
人生で初めて360度地平線みたいな景色を見て。水平線は日本にいるとよく見るじゃないですか。でも地平線っていうのはなかなか見たことがなかったので、本当になんか周りが全部地平線になってるのを初めて見て、ちょっとでかいなと思ったりとか。
あとはスーパーマーケットとか行っても、やっぱり品揃えとか違うし商品も大きいし。アメリカにいる人はなんか太ってる人とかも多くて、お腹とか、何から何まで全てが大きいなということに驚いていたっていうのが最初の方で。
今はそういう感じにもちょっと慣れてきて、なんか普通に旅行しているなという感覚に近くなってきたといいますか、ちょっと物価高だけちょっとどうにかしてほしいという感じですね。

qbc:とはいえ以前にも旅の生活で、数か月間定住してる状態じゃなかったじゃないですか。こういう生活自体は慣れてらっしゃるんですか?

ゆーせい:世界一周に出発する前に、1年半ぐらい自転車で日本一周していて。そのときは野宿をしながら、あとUberEatsでいろんな街で働きながらっていう感じの生活をしていたので、そういう意味では、定住しない生活は日本で慣らしたっていう感覚は近いです。

qbc:日本一周は、いつごろされたんでしょう?

ゆーせい:2020年の6月から2021年の11月くらいまでだと思います。
もう本当なんか懐かしいですけど。最初の緊急事態宣言が終わってすぐ出発して、緊急事態宣言が出ている間は移動を控えて、UberEatsで働くみたいな生活してました。

qbc:日本一周って、場所はどこから出発してどこまで行ったんですか?

ゆーせい:東京から出発して東京に帰ってくるんですけど、一応滋賀県を除いて都道府県は一通り走りましたね。泊まってない県とか、通り過ぎただけとかもありますけど。
47都道府県なんで、滋賀県除くと一応46都道府県は行きました。

qbc:なるほど。そっか、生活費はUber Eatsで賄ってたってんですね。

ゆーせい:はい、生活費はUber Eatsで全部賄って、ダラダラ旅行して。
なので、そんなお金のかかる観光とかはさすがにできないですけど。なんか地元の名産品いっぱい食べるとか。でも、その場で楽しく過ごすみたいなことはできる。

qbc:現在は、収入はどうされてるんですか?

ゆーせい:今現在は収入はYouTubeでお小遣い程度のお金がようやくいただけるようになって。
あとは、元々学校の先生をしていて、その教員時代に貯めたお金を切り崩して旅行しているので、働いてはいないです。

qbc:趣味は、何かありますか?

ゆーせい:趣味はボードゲームで遊ぶこととハンドボールすることが、旅行に出る前は趣味だったと言いますか。旅行に出てからはハンドボールをすることがなくなって、ボードゲームをする機会はたまにありますが、特にはないっていう感じですかね。
あとは日本一周中からYouTubeをやっていてその時は収入が全くなかったので、YouTubeは今もお金もらえてるとはいえ、別に仕事ではないです。ほぼ趣味。

qbc:ブログはないんですか? YouTubeだけですか?

ゆーせい:ブログとかやってないです。文章を書くのがあんまり得意ではないというか、苦手意識がありまして。かといって編集が得意かと言われるとそういうわけでもないんですけど。
まあ文章よりは自分がやって楽しいと思えるので。

qbc:なるほど。この、今の状態、生活における自転車って、どういう位置づけになるんですか?

ゆーせい:自転車は一つに位置づけすることは難しくて。
一つは、安く旅行できる手段。自転車で旅行していると交通費がかからない上に野宿していると宿泊費もかからないので、観光費と食費だけで旅行できるんですよね。なので、交通費と宿泊費が浮くっていうのは相当大きくて、普通の旅行よりかなり安上がりに旅行できる手段として活用しているというのが一点と。
あとは自転車で旅行していると、あんまり共感してもらえることは少ないんですけど、自分の旅行した場所が何か自分の庭みたいになる感覚が好きと言いますか。普通の飛行機とか車でも旅行はするんですけど、例えば東京から沖縄に飛行機で行くと、東京と沖縄って理解は点と点でしか結ばれてないんですけど、そこを例えば東京から鹿児島まで自転車で行って鹿児島からフェリーに乗って沖縄で行くってなると、東京から沖縄までの期間が線で結ばれるみたいな。大体どれぐらいの距離感なんだなっていうのがわかってくるといいますか。
それが日本一周してほとんど全部の都道府県を走ったとかってなると、なんかもう、線を通り越してほぼ面みたいな。もう場所と場所との距離感がダイレクトにこっからここまでは何百キロかとかっていうのがわかると、自転車で大体何日ぐらいだなとかっていうのがわかってくる感覚がすごい好きですね。
自分の行動範囲が広がった気がするというか。そういう感覚がなんかすごい好きですね。それをなんか世界中に広げられた、楽しそうだなみたいな。

qbc:その感覚を最小の行動で追体験するなら、どうしたらいいですかね?

ゆーせい:例えば東京だったら、東京のどちら側に住んでるかにもよりますけど、今まで行ったことある場所に自転車で行くと、こことここって繋がってるなみたいな。
例えば、qbcさんはどの辺にお住まいですか?

qbc:世田谷区ですね。

ゆーせい:世田谷で男性だったら、おそらく高尾山とか。行かれたことあります?

qbc:はい。

ゆーせい:高尾山ぐらいだったらちょうど1日で往復して、途中で例えば多摩川見たり、多摩川は越えないですけど。神奈川方面に足伸ばしても、川崎とか横浜とかでも、こことここってこうなってて、間にこの街あるんだみたいなのとかも、電車で行くより全然地続きになって。

qbc:点と点でしか知らないところを、線で見ましょうっていう感じなんですね。

ゆーせい:そうですね。で、あとUberEatsやってよかったなと思ったのが、街限定ですけど、それが一気に面になるっていうのが。もう街中の何か裏道まで全部わかって。

qbc:旅の楽しみっていうのは、各地各地の自分の知らないことを知ることだ、というのはよく聞くんですけど。
ゆーせいさんにとっての旅の楽しみは、その土地を制覇するみたいなところになるんですかね?

ゆーせい:それも何か一概には言えない。それも楽しいですし、例えば知らない人と会って話して、その人から自分の知らない世界を知れることも楽しいですし。
あとシンプルに例えば北極海まで自転車で来たっていう達成感、それは制覇に近いですけど。達成感もすごい好きですし、あとは自転車は手段の一つでもあるので行った先で例えばダイビングするだとかハイキング、山登りするだとか、そういう普通にいわゆる観光っぽい遊びも好きです。

qbc:なるほど。性格について、周りの人からは何て言われますかね。

ゆーせい:周りの人からは、まあ明るいとか、あとはお喋りとかはよく言われます。あとは、あんまりよくわかんないですね。自分についてどう思うかを聞いたことがない。

qbc:自分自身では性格はどうだと思いますか?

ゆーせい:自分自身では、自分で考えて動くのが好きですかね。人から命令されて動くとかっていうよりは、自分で動く方が好きなタイプだと思ってます。

qbc:近しい人から、特にこう言われるみたいなことありますか?

ゆーせい:家族からは、自分の名前「ゆーせい」というのが「悠々自適」の「悠」なんですけど、あと、「せい」は「生きる」なんですけど、名前の通りだよねみたいなことは言われます。何か悠々と生きてるなみたいなことは家族から言われることが多いですかね。

qbc:その名前を意識して、お父さんお母さんは育てられたんすかね?

ゆーせい:おそらくそうだと思います。幼い頃から自分がやりたいって言ったことはやらせてくれることが多かったなと思います。何か習い事、こういう習い事してみたいとかっていうと、じゃあまあやってみるかみたいな。

qbc:なるほど。好きな食べ物は?

ゆーせい:好きな食べ物はって聞かれたときはバナナって答えてます。なんか何でも好きなんですけど、バナナって安いし美味しいしどこでも売ってるし、最高ですよね。

qbc:それは旅の知恵です?

ゆーせい:旅行の前から好きは好きですね。基本的にケチくさいというか。ケチくさいはよく言われますね、人から。自分ではそう思ってないですけど、今思うと。

qbc:何か具体的なエピソードあります?

ゆーせい:例えば今旅行中ですけど、ほとんどいわゆる特産品みたいなものを食べないとか、
あとは温泉とかも特に好きではないので、旅行先で温泉には入らないとか。
あとはシンプルに割り勘きっちりやるとか。
そういうところでケチくさいとはよく言われますね。
あと服とかも拾ったものとか、もらったものとかを着てることがかなり多いです、私服は。あとは高校のときのクラスTシャツとかまだ着てたりとか、そういうところで何かケチくさいって言われます。

過去:元々もう仕事も自転車旅行をするためにお金を稼ぐ手段として捉えていたので、きっかけというかそもそも辞めるつもりで働いてました。

qbc:子供の頃はどんなお子さんでしたか?

ゆーせい:子供の頃は、先ほど何か自由にさせてくれてたってとは言ってたんですけど、意外と禁止されてることも多くて。その二大巨頭が携帯電話とテレビでして。
小学校の何年生かちょっと思い出せないんですが、小学校の中学年ぐらいの頃に地デジ化したタイミングで、家からテレビがなくなり、そこからテレビがない生活が始まったんですけど。ちょっと定かじゃないんすけど、多分小学校3年生か4年生ぐらいだったと思います。
そこから流行りの芸人さんとかタレントさんとかが全くわからない生活をしていて、幼いときはそれに対して、なんでみんなすごい楽しそうにテレビ見てるのに俺は見られないんだろうとか。
携帯電話も結局中学校卒業するまでは禁止されていて、当時、クラスでガラケー持ってないのが自分だけとかそういう状況で。

qbc:当時は、みんな中学くらいから持ち始めるんですね。

ゆーせい:そうですね。中学校入るぐらいでみんな持ち始めて、中三で卒業するときには、クラスで自分だけが持ってないみたいな状態で。なんでそのいわゆる流行りとかっていうものがほとんどわかんない状態で過ごしていたのが、小中だったかなと思います。
で、結局その中学校のタイミングで反抗期も来ちゃったんで、高校に入って携帯持ってもいいよみたいになったのに、変に反抗期だから、「いや、いらねーよ」みたいな。
もう必要ねえしっていう感じになんかなっちゃって、それをズルズル引きずって、結局大学院卒業間近まで携帯を持たずに生活してました。23歳までですね。

で、就職活動に入るタイミングで、実家の電話番号書いてもしょうがないじゃないですか。
だからそこで初めて携帯電話、それも何かおじいちゃんが使うらくらくフォンみたいなの使って、電話だけできるみたいなやつをっていう感じですね。
あと周りからは、結構それでも何かいつも楽しそうにしてるっていうか、実際毎日別に特に何の不満もなく楽しかったので、何か制限はあれど、すごいのびのびと過ごさせてもらったなという記憶はあります。

qbc:なるほど。ちなみに今おいくつなんですか?。

ゆーせい:今、28歳です。

qbc:子供の頃、性格的にはどんなお子さんだったんですかね?

ゆーせい:割と活動的で、周りの影響もあってちょいちょいいたずらとかもしつつ、っていう。
あとはすごい天狗になってて、大人を馬鹿にしてましたね、なんか中学校の時とか。
小学校のときまでは、なんか担任の先生方にもすごい恵まれて、のびのび過ごさせてもらったんですけど。中学校入ったぐらいであんまりいい先生との出会いも少なくなって、すごい大人を馬鹿にしてたような記憶があります。

qbc:性格的に、今とその頃とで、ガラッと変わりましたとか、そういうのはありましたか?

ゆーせい:ないですね。小学校時代の友人とか中学校時代の友人と会うと「変わらないね」って言われます。

qbc:小学校時代は、どんな感じに過ごされていたんですか?

ゆーせい:これといって何かそんな変わったこともなくですけど、ちょっと変わってたのは、やりたいって言ったことをやらせてくれた環境にあったので、習い事がめちゃくちゃ多かったですね。

qbc:どんな習い事ですか?

ゆーせい:まずウクレレをやっていて。それは何か当時ストリートミュージシャンになりたいとかって思ってて。で、ギターを習いたいって言ったんですけど、ギターは大きすぎるからちょっと小さいウクレレやれば? みたいな感じで。小学校2年生ぐらいのときに。それは子供心にそうかもと思ってウクレレを始めて。

あと、保育園のときからサッカーをして。キャプテン翼にすごいはまって、キャプテン翼見てサッカー選手にもなりたいと思って、サッカーを保育園の頃から習っていて。
なぜか小学生ながらに、その翼くんが海外で活躍するシーンを見て、やっぱサッカーで活躍するなら海外に行くしかないとかって思って。
その当時翼くんが言っていたブラジルに行くためには何かポルトガル語が必要らしいということで、ポルトガル語習いたいと親に言ったところ、探してくれたんですけどポルトガル語教室なんて近所になくなくて、当然ですけど。それで何か代わりに英会話教室行ってみる?みたいな。英語できれば何か世界行けるんじゃねみたいな感じで英会話教室にも行き。

小学校5年生ぐらいのときに、今度は勝手にライバル視していた女の子が水泳を習い始めたみたいなことを聞いて、じゃあ俺も水泳をやってそいつを見返そうみたいな感じで水泳も習い始めて。

その中でもサッカーに一番ハマっていたので、サッカーの教室みたいな近所のサッカー少年団みたいなやつと、あとサッカー教室みたいなのかけ掛け持ちして二つぐらい行ってて。
で、小学校6年生になるころぐらいで何かお受験する人たちにちょっと憧れて。急に俺も受験するって言い出して1年くらい塾に行ったんですけど、お遊びだったんで1個だけ自分で見つけていきたいっていう学校を受けて、そこを1個だけ落ちてそのまま公立の地元の中学校に行きましたね。
でもやりたいって言ったらやらせてくれたんで。挑戦をさせてくれるという。

qbc:中学はどうでした?

ゆーせい:中学は部活でサッカーやってっていう感じですね。

qbc:高校時代はどんな感じ?

ゆーせい:高校時代は部活でハンドボール。
高校でハンドボールと出会い、大学の附属高校に行ったので大学受験をしてなくて。そこでずっとハンドボールしてたっていう感じです。
特に高校も大学も強豪校とかでは全くなくて、本当に1回戦勝つか勝たないかぐらいの感じで、どこにでもある普通の部活動だったんですけど、それでも自分なりにはまって。ずっといわゆる高校生の、朝練して早弁して昼はちょっと筋トレして、放課後は部活また行って、夜は帰って寝るだけみたいな感じの生活でした。

qbc:で、大学、大学院まで行ってっていう感じですか?

ゆーせい:そう、大学院ではちょっと別の大学院に行って、部活とかはせずに勉強だけ。

qbc:大学院は何を専攻されてたんですか?

ゆーせい:大学院は刑法を専攻してました。法律の中でも特に刑法で、中でも安楽死について勉強してました。

qbc:安楽死ですか。何かきっかけがあったんですか?

ゆーせい:中学校のときの教科書に森鴎外の『高瀬舟』っていう短めの短編小説みたいなのが教科書にあってそれを読んで。
それは安楽死に関するお話で主人公が島流しされちゃうお話なんですけど。その主人公が弟を殺した罪でその島流しされてると。で、どういう経緯で弟を殺したのかみたいのを話していくっていうお話なんですけど。
当時中学生ながらに、その弟を殺した理由はすごい真っ当なものに思えて、この人が有罪になるのはおかしいんじゃないかって思ったのがきっかけで。そこからずっと何か人を殺すことに興味が・・・あっ、いやちょっと今のかなり語弊がある。
人を殺す理由、まあ要は安楽死に興味があって。
それをずっと引きずって大学院まで行っちゃったって感じですね。

qbc:人の死と法律っていうことですね?

ゆーせい:そうですね、人の死と法律。安楽死について勉強してると、やっぱり哲学とか倫理学とかそっちの方がフォーカスされがちですけど、自分は法律に興味があったんで。
安楽死が犯罪になるかならないかを研究してました。

qbc:なるほど。就職は? お仕事は教員でしたよね。

ゆーせい:教員、学校の先生を2年間だけ。私立の中高一貫の学校で。

qbc:中高一貫って中学と高校って先生は分かれないんですか?

ゆーせい:両方教えますね。中学校も高校も教えます。
免許が2つにわかれてるんですよ、中学校と高校って。でも大学の単位的にはほぼかぶっていて、どっちか取っちゃうと残り数単位取ればもう1個も取れちゃうみたいな感じだったんで両方取っておいて。
そうしておくと、それこそ自分みたいに中高一貫で働きたいみたいなときに有利に働くといいますか、どっちも持ってた方が就職しやすいというか。なので、両方で教えてました。

qbc:で、ようやく自転車旅行しようぜってなると。きっかけはなんだったんでしょう?

ゆーせい:それも中学校時代ですね。基本なんか中学校時代に引っかかったこととかが、ずっと何か人生に付きまとってるというか。
中学校時代に自転車旅行にハマり出して。何か1人で家出なんかをしちゃったり、自転車で。途中で保護されちゃったりもするんですけど、警察官に、夜中に。
そういうハマってた時期に石田ゆうすけさんの『行かずに死ねるか!』っていう本を読んで、その『行かずに死ねるか!』っていう本がまさに自転車で世界一周をするっていう自伝エッセイみたいなお話で、なるほどこれだと。これ俺もやってみたいなと思ったのが中学校確か2年生か3年生か。
そっから高校のときは友達と千葉県ぐるっと一周したりとか。高校3年生のときは九州をぐるっと一周したりとか。世界一周に向けて、ちょっといろいろ自転車旅行してみようと思って。中学校のときは家族とだったり1人でだったり。自転車旅行もかなりスケールは小さいですけど1泊2日とか2泊3日とか東京湾をぐるっと一周してみるとか。琵琶湖をぐるっと一周してみるとかそういう感じで。

qbc:その時の自転車っていうのは、特殊な自転車だったんですか?

ゆーせい:もうなんかボロボロのマウンテンバイクに、ホームセンターで買ったかごをつけたみたいな。旅行友達と行ったときとか、友達もママチャリだったりしてるぐらいですね。
ママチャリもちゃんと整備すると普通に早く走れる。

qbc:仕事を辞めて自転車旅行に行ったきっかけは?

ゆーせい:元々もう仕事も自転車旅行をするためにお金を稼ぐ手段として捉えていたので、きっかけというか、そもそも辞めるつもりで働いてました。
で、思ったより早く貯金が、そのケチくさいのもあいまって想像より早く貯金できちゃったので、予定よりも早めに辞めたという感じです。

qbc:じゃあ「自転車旅行の資金稼ぎに学校の先生を選んだきっかけは?」っていう質問の方が正しいようですね。

ゆーせい:そうですね。学校の先生になったきっかけは、それこそ何でも良かったんですけど、たまたま教員免許を持ってたから学校の先生1回やっとこうかぐらいな。
正直そんな高い志とかもなく、世の学校の先生に怒られそうですけど、持ってるしやっとくかぐらいな。
あとは、当時大学院で就職活動を始めますってなったときに、何か周りの友達の噂とかで文系の大学院卒は就活厳しいみたいな、なんか今にして思うと本当くだらない噂だなとかって思いますけど。すごいそれを真に受けて。
教員は大学院を卒業していることがむしろプラスに働くから有利だよ、みたいなことを聞いて、じゃあまあ教員で就活してみるかみたいな感じでしたね。一応民間の会社も、あの食品メーカーだけ受けて落とされました。

未来:例えば30年後40年後はお金があれば月に行けるみたいな時代になってほしいなっていう。そのときにお金がある状態にどう持っていこうかなというのが現在の目標というか

qbc:5年10年、20年30年、最終的に死ぬまでっていうところまで想像していただいて、未来ってどういうふうにイメージされてますかね?

ゆーせい:直近5年は、自転車で旅行していると思います。大体、1大陸1年ぐらいで見積もっていて。

qbc:自転車業界の人たちにとっては、それは平均的な計算なんですか?

ゆーせい:平均よりやや長いぐらいだと思います。5年だと、まあまあまあみたいなぐらいの感覚。結構行くね、ぐらいの感覚だと思います。自分はかなり観光もしながらなので。

例えば、アメリカのアラスカから南米の一番下、アルゼンチンの一番下まで自転車で縦断しますとかっていうと、普通に自転車バーって漕ぐ人だったら、1年半かかるかかからないかぐらい。
1年で行こうと思えば頑張ればいけちゃうぐらいな感覚なんですけど。そこで例えば物価の安い地域でスペイン語をちょっと勉強しようかとか、あるいはマチュピチュ登山で行ってみたりとか、そういう何か寄り道をいっぱいしてる人だとそれだけで5年ぐらいかかっちゃう人とかもいる。

で、平均するとその北米から南米最南端までおそらく2年ぐらいが平均。って言ってもそんなに母数も多くないんでかなり人によるところは大きいですけど。
でも、そんな何か突飛な年数ではないですね、全大陸で5年でっていうのは。3、4年の人もいるし10年とかの人もいるしとかっていう感じだと思います。自分はそんなにお金がないので、10年はとてもじゃないけどやれないんです。

あとはシンプルにお金がなくなったら帰ろうと思ってるんで、5年じゃなくても、この物価高が続いてっていう感じだったら、もしかしたら3年とか。あるいは、例えばオーストラリアでワーキングホリデーで働いたりとかもあるかもしれないですけど。
直近5年もそんな感じでおそらく世界中ふらふら自転車で旅行している感じだと思います。

qbc:その後はどうされますか?

ゆーせい:その後は、正直あんまり何も考えていないというところが大きくて。
先ほど言った通り、別に教員という仕事に対して思い入れが特にあるわけでもないから、もう1回教員やろうかなとかって思っているわけでもなく。ただ、いわゆる民間に就職したことがないので、こっから5年で33歳無職、職歴教員がどういう働き方ができるのかという想像もあまりついておらず。
かと言って、悲観的でもないですね。
というのもUber Eatsはコロナで渋々始めたんですよ。教員を辞めたタイミングで世界一周に出るつもりが、コロナが始まっちゃったんで日本一周に切り替えたというところもあって、そもそもUberEatsで働くつもりもなかったし、日本を一周するつもりもなかったので。
ただUberEatsで働きながら感じたのは、さすがに日本という国に住んでて、のたれ死ぬってことはどう考えてもできない。
できないというか、楽しく暮らす分には特に不自由なく暮らせる国に生まれたことに感謝しようというような。
なので、悲観的でもない。
どうにかはなるだろうというふうに思っていて、どうにかこうにか過ごしたいというのが現状の認識ではあります。
ただ、お金が必要でやってみたいことがもう1個だけあって、死ぬまでに月に行ってみたいなっていう。
それがどうしてもお金の問題になってくると思うので、逆に言うと、例えば30年後40年後はお金があれば月に行けるみたいな時代になってほしいなっていう。
そのときにお金がある状態にどう持っていこうかなというのが現在の目標というか、さすがに今から宇宙飛行士とかでそっちの方面から行くのはちょっと。ちょこっと宇宙兄弟とか読んで調べたりもしたんですけど。

qbc:月を観光したいってことですよね?

ゆーせい:そうですね。月で鬼ごっことかしてみたいみたいです。
って感じなんでそれがちょっとかなり遠めですけど、遠めの目標としてはあって。なのでそういう何か自分のやりたいことは多いんですけど、ノープランというか、なるようになるというか。

その後のプランはあまり考えてなくって。老後というか、死ぬ間際までについては現時点ではあまり考えてはいないですが、性格的にはやりたいことが何か枯渇するタイプではないので、何かしらやりたいことを新しく見つけてやってるのではないかとか勝手に想像しています。

ただ、自分が安楽死について研究していたというのもあって、こと死に方についてはちょっといろいろ考えてはいますね。
ただ研究するにつれて、死に方については逆にわかんなくなってきちゃいましたね。泥沼にはまったといいますか。ぽっくり死にたいとはもちろん思うんですけど、なんかそれってどうなんかなとか。

qbc:死んだ本人からの感想を聞けないですから、ムズイですよね。満足感って取れない。

ゆーせい:死ぬその直前までわかるんすけど、死んだっていう人はね。
なので、こと死に方っていうことについては、かなり自分の中で泥沼、どう死ぬのがいいんだろうかという感じです。

qbc:現時点での、こういう死に方がいいみたいなのってありますか?

ゆーせい:現時点でも本当に特には決まってないですね。家で死にたいとか病院で死にたいとか海外で死にたいとかお墓をこうしてほしいとかも、全く何もノープラン。
ノープランというか。そうですね、ノープランに近いですね。
あまりまだ自分ごととして捉えられてないという感覚の方が近いですかね。
まだ何か、人の死についてああだこうだ考えてはいるけれども、自分がどう死にたいというところまでちゃんと落とし込めてないというような気がします。

qbc:もしもの未来っていう質問していて。
もしも自転車がない世界だったら、例えば車輪がない世界であったら、何をしている人になると思いますか?

ゆーせい:いや、今自転車がないって聞いて、一瞬一輪車かと思ったんですけど、車輪がないか。
車輪がなかったら、もしかしたら海の方に進出したかもしれないすね。
いかだとか。ヨットとか。
ただまあヨットとかだと、人との出会いとかほぼ皆無ですもんね、それ面白いのかな。面白くもないのかもな。
いや、ちょっとその質問難しいな。

qbc:旅をするということはなくならない、ってことですか?

ゆーせい:はい。自分が見たことないものとかやったことないことは好きなので、どこかに固着するっていうことはちょっと想像ですしづらいですね、現状では。

qbc:人生で何が一番楽しいですか? 成し遂げたいことっていうのは何なんですか?

ゆーせい:成し遂げたいことは特にないです。人生でやっぱり新しいことをしてるときが一番楽しいですね。そういう意味では自転車旅行も世界一周するって言ってますけど、飽きたらやめると思います。
現状ではアメリカはかなり飽きていて、メキシコに入ってこの状態が続くようだとちょっと考えようかなっていう。ただメキシコに入るとやっぱスペイン語にもなるし、人も変わるし、だいぶ変わるとは思うんですけど。
基本的には新しいこと、やったことないこと、見たことないもの、知らない人と話すとかっていうのが一番楽しいので、それをやりつづけていくんだろうなという感じですかね。まあ成し遂げたいっていう感じとはちょっと違いますかね。

qbc:新しいことを知る楽しさって何なんですか?

ゆーせい:脳みそがガバッて。本とか読んでもそうですけど、世界の解像度が上がっていくというか。
知らない場所が知っている場所になり、知らない物が知っている物になり、どんどん見え方がクリアになっていく気がしている。かなり自己満足ですけど。

qbc:新しいことを知る瞬間って、脳細胞とかに特殊な動きがあるんでしょうかね。

ゆーせい:どうなんですかね。なんかだからなんかすごい二面性があるなと思っていて。
なんか、結構昔から、例えば自転車旅行とか安楽死についてとか、中学校の頃から引きずっている、変わらないところもありつつ。でも新しいことをいろいろやりたくなっちゃう。

例えばダイビングを始めてみたりとか、あとはYouTubeの編集を勉強してみたりとか。
だから何か自分でもよくわかってないですね。結構いろんなことに手を出した。ボルダリングやってみたりとか、見たことないアニメ見てみたりとか。
そういう何かやったことないことに手を出しつつも、ずっと自転車旅行でも結局飽きずに続けているのは何でだろうなと。他にもいろいろ方法あるはずなのに。
そこら辺は自分でもよくわかってないです。何かあるんだろうな。

qbc:ちなみにご家族、ご両親ってもう普通のサラリーマンの方なんですか?

ゆーせい:父は多分サラリーマン。自分もよくわかってないですけど。母は個人事業主でインテリアの仕事をしてます。

qbc:どうしたらゆーせいさんみたいな人が育つんだろうっていうふうに、話を聞きながら思ってて。
いや、でも、5年で世界一周できるもんなんですね。

ゆーせい:意外と小さいですよね、世界。自転車で。

qbc:そうですね、不可能ではないんだなって。

ゆーせい:日本一周とか、本当に早い人は2ヶ月ぐらいでやっちゃいます、自転車で。
北海道の端っこから鹿児島の端っこまでぐるっと回って、2ヶ月本当に早い人だと多分1ヶ月ぐらいでやっちゃう。1日200キロとか走って。
なので、そう考えると意外と小さいなという。そういう旅行はちょっと俺はしたくないですけど。

qbc:ちなみにゆーせいさんは、収集癖ってありますか?

ゆーせい:収集癖、ありますね。

qbc:何を集めてます?

ゆーせい:小さいときは切手とか集めてましたね。今は旅行先で置物を。
世界一周中の今はさすがに荷物が増えてっちゃって買えないんですけど、日本一周していたときとか、普段旅行するときとかは、ガラス製の置物で、中に泡みたいので立体の描かれてる置物って想像できますか?多分巷ではクリスタル3Dみたいな名前で呼ばれている。
そういう置物を旅行先で買っちゃう、収集しちゃう癖があって。
おそらく家に帰れば多分100個ぐらい、日本中と世界で買って。海外旅行行ったときは、海外旅行先でも買っちゃうので、多分100個ぐらいの置物が家に保管されてますね。

qbc:節約家は、子供の頃からですか?

ゆーせい:子供の頃、少なくともお小遣いをもらい始めた小学校高学年ぐらいの頃からそうだと思いますね。
ひとえにもらえるお小遣いが少なかったっていうところと、あとは物欲があんまりないんです。何かわかんないすけど、わかりやすく車欲しいとか時計欲しいとか、あとは服が欲しいとかいうのはないですね。最低限必要なものがあればそれで。
とか言いながら、GoProとかパソコンとか、そういう何か必要だなと思ったものは出しちゃいます。YouTubeを始めるときに撮影でこれは必要だなと思うと、あんまり中国製の安いアクションカメラとかあるいは何か最低限のスペックのパソコンでとはならずに、なんか使うかもわからない高スペックのものを買っちゃうときは買っちゃいます。

qbc:では、最後に言い残したことがあればお伺いします。

ゆーせい:普段旅行していると、こうやって、例えばなんで自転車旅行ってたのかとか聞かれる機会がすごく多くて。特に日本一周してるときとかは、すごいいっぱい喋ったことがあって、正直今回も、自転車についてはその繰り返しという感じです。
でも今回は、特に自転車旅行始めたきっかけ以外の、人生論とかあんまり喋ったことがなかったので、話せて自分でも面白かったです。
それと、今度お話する機会があればqbcさんのお話をいっぱい聞きたいなと思いました。自分が喋ってばっかりだったので。いや、そういう趣旨だからそれでいいんだと思うんですけど。今度は何かqbcさんの人生とか、それこそ現在過去未来、そういうqbcさんのお話聞きたいなと非常に思いました。

ゆーせいさんの旅の様子は、YoutubeでVlog見よう! ふつうに面白いですよ!

あとがき

感想、コメント欄に。
次回も、お楽しみに。
ということでね、インタビュー後にゆーせいさんと話したわけですが、そのときに、収集癖の質問について話しました。
ゆーせいさんの冒険心とバイタリティと、私の記憶の中の東京海洋大学の資料館が結びついたんですよね。海洋大学の資料館って、めっちゃホルマリン漬けあるんですよ。もうないかもしれないけど。南洋に出た船乗りたちが、こりゃもう、て物珍しい動物たちをぜんぶ保存した、みたいな。
なんというか、冒険というものと、冒険した証拠というものは、わかちがたいところがあって、それをゆーせいさんに感じて、収集癖を聞いたんですよね。
まあ、冒険心より前に、収集癖のほうがあるのかもしれませんが。
冒険してでも新しいものを知りたい、その証拠を残したい。
あるいは、何かをしたという証拠を残したいから冒険に出たい、新しいところに行きたい。
どっちでしょう?

インタビュー担当:qbc

編集協力:生きにくい釘

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