目の前のことにいっぱいいっぱいになって一生懸命やる人
塩梅の悪いというか。座り心地の悪いというか。
おさまりの悪いというか。こういう間隔を若い時に知っておくのは重要で。
それはなぜなら良い悪いっていうのは、良いと悪いの両方を知らないとわからないわけで。あんがい、悪い状態しか知らないと、改善するってアイデアが生まれないし。逆に良いしか知らないと、ふいのタイミングで、気分転換に、みたいに環境を変えた時に、悪い環境に行ってしまって苦労する羽目になる。
なんで、早いうちに両方経験しておいたほうがいい。もちろん先達からの助言で、悪いところから良いほうへ言ったり、良いほうから悪いところを我慢じっと踏みとどまる、みたいなことはできるんだが。でも、どうしたって自分にその嗅覚、センス、を身につけておくに越したことはない。他のことにも応用が利くからね。
さりとて、助言から離れられるなんてことはないけれど。
でも、第三極があると思っていて、それは、良いも悪いも考えられないほど、忙しい、精神が摩耗している、という状態であって。この、今、自分が何を考え、何を感じている、ってことは、実は自分ではわかりにくい。鏡みないと、物理的にも自分がいまどんな表情かわからないでしょう?
だから、そういう時にこそ、インタビューなんですよ!!!!!
と思う2024年7月22日7時10分に書く無名人インタビュー831回目のまえがきでした!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(作家・無名人インタビュー主宰)】
今回ご参加いただいたのは 花岡 さんです!
年齢:20代前半
性別:女
職業:学生、演劇人の卵
現在:自分の心を掴まれる舞台にであった時、出会えてよかったなってすごく思うし、それが自分の価値観とかに影響してるなと思うので、演劇が好きなんだなと思います。
qbc:
今何をしている人でしょうか?
花岡:
今は学生をしています。
qbc:
大学生ですか?
花岡:
はい、3年生です。
qbc:
何の勉強をされてるんですか?
花岡:
学部自体は社会学の学部に入ってるんですけど、ゼミでは表象文化みたいなことをしてて、絵画を見て分析する力をつけよう、みたいなことをやってます。
qbc:
「表象文化」?
花岡:
はい、すごく広い言い方だと思っていて、私も表象文化を始めたのはゼミに入ってからなのでまだ2ヶ月ぐらいしか経ってないんですけど、表象されたものを社会的文脈から読み取ったりとか、表象物だけを見て、分析するみたいなことをやってます。
qbc:
なるほど。人生で何をすることが一番好きですか?
花岡:
演劇が好きで、中2ぐらいから始めたので、一番長い付き合いじゃないかなと思います。
qbc:
具体的にどこで演劇をされてるんですか?
花岡:
中学2年生の頃から始めて中高は学校の演劇部でやってたんですけど、大学に進学をしたタイミングで地元を離れて、学内の劇団もあるっちゃあるんですけど他の人と違うことしたいなって思って、そういうサークルみたいなものではなく、始めは学生劇団の一番を決めようみたいな演劇祭の実行委員として、去年まで2年やったんです。今年からはそれを辞めてどこにも所属せずにスタッフをやってます。
qbc:
出る方じゃなくて?
花岡:
そうなんです、高校の時とか、去年までは出演に興味があったので、出たいなあっていう感じで誘われたり、自分で申し込んだりして立ったことはあったんですけど、大学2年の冬ぐらいからはスタッフが楽しいなって思っていて、スタッフをしてます。
qbc:
その前までは演者の方だったんですか?
花岡:
そうです。部活で演者をやってて、ちっちゃい部活だったんで、演者もスタッフも兼任してて、最近は興味がスタッフに移ったので、出来るようになりたいなと思いながら修行中です。
qbc:
今現在どんな気持ちで日々過ごされていますか?
花岡:
最近は就活をやってるんですけど、就活を真剣にやり始めたら、すごく忙しくなっちゃって。毎日エントリーシートを書いたり、普通に大学の課題をやったり、休みの日はバイトに行ったりしてて、結構いっぱいいっぱいですね。
qbc:
気持ちとしてはどんな感じですか?
花岡:
何となく楽しいです。
qbc:
何が楽しいですか?
花岡:
私、人が好きで、バイト先の人と仕事をしながら関わるのとかそういう機会が多かったりとか、演劇をして他の人と関わったりとかそういうことが多くて、それが「楽しい」と繋がってるんじゃないかなと思います。
qbc:
バイトは何をやってるんですか?
花岡:
バイトは劇場の事務所のアシスタントをしていて、もう一つは大学の図書館で学生スタッフをしてるんですけど、割合的に今は劇場が繁忙期に入ったのもあって、劇場でよく働いてます。
qbc:
その他に趣味ってありますか?
花岡:
表象文化にに触れ始めたっていうのもあって美術館に行ったり映画を見たり、前よりはよくするようになって、自分の休日にその予定が入ってるとわくわくするので好きなんだなと思います。
qbc:
「表象文化」って何を指すんですか?
花岡:
もう表象物全体、表現されたものというか、映画とか演劇とかすごくいっぱいあると思うんですけど、ゼミでは絵画をずっと見ていて、って感じですね。ゼミでこういう美術館でこういう企画展があるよとか、こういう映画があるので、もしよかったら見に行ってください。見に行ったら交通費とその観劇代を出すので行ってくださいみたいに言われてはいって行ってます。
qbc:
どこら辺が楽しい感じですか?
花岡:
見方が自由じゃないですか。絵を見ながら、他のことを考えてもいいじゃないですか。それがすごく気が楽で、好き勝手感じていいし、癒されるなって思ってて。
qbc:
つまり物を見るっていうことに関する文化論で、対象作られたものであるということでしょうか?自然は関係ないってことですよね。
花岡:
大体は人か、人が作ったものとかそういうものなんじゃないかなと思います。
qbc:
演劇、就活、バイトの他に時間を使ってることってありますか?
花岡:
時間があったら散歩をしていて、「フィットネス」っていうアプリがあるんですけど、リングがあって1日で今日はこれだけ歩きましたよ、みたいにリングが示していて、そのリングを1周することにすごくモチベーションがあって。平日だったら、6キロぐらい歩いたらそのリングが1周して、休日だったらはもっと川沿いとか歩きたいんですけど、川沿いがそもそも遠いので。川沿いまで行って歩くと結構10キロ行くか行かないかぐらいになってて、それがすごく頑張って生きた感があるからすごく楽しいです。
qbc:
なるほど。なんで演者からスタッフにスイッチされたんですか?
花岡:
大学に入ってから舞台に立とうと思って初めて立った時に、すごく楽しかったんですけど私が所属して舞台に立ったコミュニティは社会人の人ばっかりで、出来る人が先輩にいらっしゃって、すごいなと思いながらやってるんですけど、やってて全然答えがない。演出家がたとえ「それでいいよ」って言ったとしても、もっと出来るんじゃないかみたいな思いは常にあって、全然分からなくて。全然できないし。中高の時はもうちょっと演じることに対して楽しめてたと思うんですけど、もちろん舞台に立つ、自分じゃない人としてセリフを発するっていうのは探求しがいのあることなんですけど、その途方のなさにちょっと怖くなっちゃって。私は大学に入って、まずスタッフをちょっとした後、演技をしてまた今スタッフをしてるんですけど、最初にスタッフをしてる時点で出会ってる演劇の人が結構いて、その人達に私が舞台に立ってる姿を評価されるんだって思ったら、すごく怖くて、自分があまり上手いと思っていないので、それから半ば逃げる形でもあったかもしれません。
qbc:
今の楽しさとしてはどうですか?上がってますか、下がってますか?
花岡:
上がってます。スタッフに切り替えてからってことですよね。
qbc:
そうですね。
花岡:
スタッフもめっちゃ追求しがいがあってですね。俳優としてじゃなく、演劇の創作に関われるっていうのが、すごい面白くて。スタッフを今2つやってるんですけど、1つが演出助手っていって演出家の助手をしていて、2つ目が制作っていう芝居を公演をするためにする仕事を担うスタッフがあって、その2つをしてるんですけど。私の周りにはそれだけでじゃないけどそれをしながら生きている先輩がいて、その人を見てると、私ってその人のレベルに達するにはまだまだだから、もっと色んな仕事が出来るようになりたいと思っていて、出来るようになりたいことがスタッフの仕事として明確なので、上を目指そうという気持ちになっていて、逆に役者はそれが言語化されてないっていうか、結構自分のマインドとか、そういうことに関わってくる気がしていて、作品の理解であったりとかそういうことに。スタッフをやってる今、モチベーションが高いです。
qbc:
演劇自体は何が好きですか?
花岡:
演劇自体は演劇をやってる人が面白いなって思ってて、私がやってる演劇は小劇場演劇っていう界隈っていうか、そう呼ばれる場所でやってるんですけど、あんまりお仕事としてやってる人がいない=お金が回ってない業界だなと思ってて。お金は回った方が良いと思うけど、その中でも、そういうの関係無しに自分達で面白いものを作ろうって思ってやってる人のことをすごいなって思ってて、演劇をする人と対話するのとか関わるのがすごく好きなんです。自分の心を掴まれる舞台に出会った時、出会えてよかったなってすごく思うし、それが自分の価値観とかに影響してるなと思うので、演劇が好きなんだと思います。
qbc:
自分自身の性格ってどんなだと思ってますか?
花岡:
明るいか暗いかで言ったら明るいと思います。人前で楽しく喋ろうとか、場を和ませたいみたいな気持ちは常にあるから、よく笑おうとしていて、それが人に明るいと思わせる要因だと思います。
qbc:
周りの人からなんて言われますか?
花岡:
あっ、逆かも。周りの人からよく笑っているので明るいねって言われてて、自分ではそんなに明るくなくて明るくしてるのは結果的に自然体になってきてるのかもしれないんですけど、私にも黒いところあるぞと思ってて。でも笑ってたら楽しい方向になってるので、難しいな。明るいのかな。
qbc:
明るさと暗さの割合的にはどうだと思いますか?
花岡:
自分的には6:4。明るいが6、暗いが4です。
qbc:
時間帯によって変わりますか?
花岡:
そうでもないです。
qbc:
明るいか暗いかって何をスイッチに変わるんですか?
花岡:
人前にいるかいないかですね。
qbc:
明るい人って常に一人でも明るいんですかね?
花岡:
私はそう思うんですけど根っからの明るさはないかなと思ってて。努めて明るくしてるかもしれないです。
qbc:
今一番夢中になってることってありますか?
花岡:
バイトか演劇だと思います。一番って言われたら悩むんですけど、演劇のスタッフとしての参加自体は決まってて、まだ予定が合わずまだ行ってない稽古があるので、ということを考えるとバイトかなと思います。
qbc:
バイトは何が楽しいんですか?
花岡:
事務所のアシスタントなんですけど職員の人と密に関わっていて、私が主にやってくださいって言われてるのは、劇場が主催する公演のチラシを各文化施設とか飲食店とかそういったところに送ってくださいっていうのが主な仕事で、それ以外にも週末に公演があったら受付に入ったりだとか、ポスターを印刷したりとか、結構色々やるんですけど専門性があるっていうよりかは、みんな出来ることをやってるって感じです。
qbc:
好きな食べ物を教えてください。
花岡:
プリンとカレーですね。
qbc:
それぞれ多様なプリンとかカレーがあると思うんですけど、指定はありますか?
花岡:
プリンは喫茶店とかで出てくるあの固めの苦いやつが好きで、カレーは私今関西に住んでるんですけど、出汁が効いてるカレーが私の住んでる地域に多いらしくて、出汁が効いているかつスパイスが分かるみたいな…そんなめちゃめちゃ詳しいわけじゃないんですけど、近所に食べたら元気になれそうな野菜がいっぱい乗ってたりとか、作り方にこだわって作られてるカレー屋さんとかがあって、元気出したい時にはカレーを食べに行ってて、好きだなと思います。
過去:この人と一緒に、花岡さんと一緒に演劇したいなって、思われるような人になりたくて。
qbc:
では、過去について聞いていきます。子供の頃はどんな子供でしたか?
花岡:
子供の頃は、わりかし良い子だったんじゃないかなと思ってます。
qbc:
先生が好きで幼稚園通ってたので当然先生の言うことは聞くし。良い子であろうとしていた気がするし、普通に良い子だったかもしれない。印象的なエピソードがあって、お遊戯会みたいなのがあったんですけど、役決めの時にインフルエンザで休んじゃって、気の毒に思った先生が、花岡さん、最後の代表挨拶をやってみる?と言われてそのまま任されたんですけど、本番になって私どのタイミングで出ればいいんだっけって分からなくなっちゃって、結局違うタイミングで出て、違ったって思って何事もなかったように座って、また出るみたいなことをしました。それが自分の初めての大きな挫折、じゃないけどショッキングな体験だったのかなと思って。私はそのことを鮮明に覚えてるし、両親もあなたが可哀想で泣きそうになっちゃったみたいに言われて、象徴的な出来事だったなと思います。
qbc:
それは何歳の時の話ですか?
花岡:
幼稚園の年長さんの時なので5歳とかそのぐらいですね。
qbc:
鮮明に覚えてらっしゃいますね。
花岡:
そうなんです。隣に座ってた子の顔とか、ちょっと舞台照明が当たったマイクとかめっちゃ覚えてます。
qbc:
他のことも覚えているんですか?これだけ鮮明に覚えているんですか?
花岡:
これが象徴的なので、あとくっきり覚えてるのが次は小2ぐらい。
qbc:
どんなことをして遊んでいましたか?
花岡:
妹がいるんですけど、妹と一緒に遊べるようになるまでは、お母さんと一緒に幼稚園から帰った後に折り紙を1個折ろうみたいなことをしてたのをかすかに覚えてて。難しすぎるから辞めるって言ってやめてたこととか、うっすら覚えてますね。
qbc:
幼稚園の時?
花岡:
それが幼稚園です。
qbc:
小学校の時はどんな子でしたか?
花岡:
小学校6年間は良い子だったと思います。4年生ぐらいから学級委員の制度みたいなものが始まると思うんですけど、毎年必ず学級委員やってたし、真面目キャラだったと思います。
qbc:
今の「真面目」っていう軸で言うとどんな感じですか?
花岡:
根は真面目だと思うんですけど、真面目すぎず、夜散歩したりとかします。
qbc:
ちなみに今言ったその「真面目」っていうものの反対語って何ですか?
花岡:
「自由奔放」とかですかね。
qbc:
ありがとうございます。中学生の頃はどんな子でしたか?
花岡:
中学校は受験をして、市立の中高一貫校に行って、小学校まで私はすごく頭の良いキャラで、真面目だし眼鏡掛けてたしという感じだったんですけど、周りの方が全然頭良いんじゃんっていうことに気づいて、レベルの高さにびっくりして、これからどうしようって思ってたんですけど中2の時に演劇部に入ることになって、それからすごく楽しかったです。
qbc:
この時、何が楽しかったですか?
花岡:
演劇部に入ったきっかけっていうのが色々あるんですけど、直接的なきっかけは顧問の先生がすごくお姉さんみたいな先生でその先生のことがすごく好きで、国語の先生だったんですけどその先生と授業終わった後に放課後部活で喋れるっていうのが、すごく嬉しかったのと、私中学2年生で入ったんですけど、同期がいなくて、1個下の後輩が私と同じタイミングで入って、中高一貫なので先輩が6年生までいるんです。高校3年生までのすごくたくさんの先輩がちょっと怖いけど、貴重な新入部員なのでめちゃめちゃ可愛がってもらって、それがすごく嬉しくて、楽園みたいな感じでしたね。
qbc:
どういう意味で楽園だったんですか?
花岡:
すごく可愛がってもらってたし私は先輩が好きなんですよ。先輩と話すのがすごい楽なんです。そういう意味でもすごく楽しかったですね。
qbc:
女子校だったんですか?
花岡:
女子校じゃなかったです。
qbc:
演劇部の思い出エピソードをぜひ聞かせていただきたいです。
花岡:
最初は先輩がいっぱいいてすごく可愛がられたんですけど、だんだん先輩が卒業して上の世代になっていくじゃないですか。それで入って次の年、2年目中3になって私が中学最後の大会に出るってなった時に、中3が私1人で一緒に入った1個下の後輩が辞めちゃって、そしたら急に1年生が6人ぐらい入ってきたんですよ。どうしようと思って、でも、最後の大会らしく頑張りたいなと思ってめちゃめちゃがむしゃらにやって予選通って本選に行けたっていうのが頑張ってよかったなっていう記憶があります。もう1個は、高1になったら同期が5人入ってきてくれて、今まで1人でやってきたので、最終的には私も含めて同期は6人になったんですけど、先輩や後輩との関係を良くするっていう意識だけじゃなくて同期とも上手くやらなきゃいけないっていう大変さみたいなのをすごく感じました。たくさん衝突しました。
qbc:
何をきっかけに衝突したんですか?
花岡:
部活の伝統でダメ出しみたいなのがあって、舞台上でシーン別に演じた後周りで見てた人がここをこう直した方が良いんじゃないですか、みたいなのをバンバン言ってくみたいなやつがあるんですけど、それってちゃんと俳優のためになってるのかみたいなことを新入部員の人に言われたと記憶していて。これは伝統だから私はやってただけでみたいな感じになってて、結局折り合いがつくようにやり方を変えたんですけど、それが結構印象的だったし、その時はもう周りみんな敵だなと思ってめっちゃ辛かったと思います。私の人間としての未熟さがきっとありました。でも、今はめっちゃ仲いいですし、信頼しています。
qbc:
同意見の人はいなかったんですか?
花岡:
どっちでもいいよみたいな人が数人いて、真逆の意見の人が2人いました。
qbc:
花岡さんと同じ意見はいなかったってことですか?
花岡:
ふわふわしていてどっちでもいいやみたいな人はいたけど、その立場を守ってるみたいな人は私しかいなくて。たぶん。
qbc:
1対2とその他って感じですか?
花岡:
そうです。
qbc:
高校生の時はどんな感じでしたか?
花岡:
高校生になっても相変わらず演劇に没頭していて、高校になったら大会の倍率が上がって内容とか劇のクオリティとか周りも高くなってきて、本腰を入れたというか、大会に向けてめっちゃ頑張ってたと思います。
qbc:
この時に感じた演劇の楽しさ面白さってどんなものでしたか?
花岡:
高校生になると、部活全体を引っ張っていくみたいな意識があって、私ずっと演劇部にいたんで部長だったんですよ。部長業はあんまり楽しくなかったのかも。向いてない気がしていました。舞台に立って、評価されるとか、花岡さん良かったね、上手い、みたいなのを大会に出て、褒めてもらえるのがすごい嬉しくて。それですかね。モチベーション、楽しさ。
qbc:
進学はどうやって決めたんですか?
花岡:
国公立に行きたくって国公立に行くための勉強をしてたんですけど、そこに出願出来なくなっちゃったから、私立にするかってなって私立に行かせてもらいました。
qbc:
大学に入ってどんな感じだったんですか?
花岡:
大学自体は結構開かれたところだなって思って。どこの大学もそうだと思うけど自由さみたいなものに最初驚いていて、大学3年生になってだいぶその自由さを楽しめてると思います。
qbc:
その大学が特に自由だったというわけなんですか?
花岡:
周りを見たらもっと自由なところもあるんですけど、高校に比べたら大学って自由じゃないですか。
qbc:
なるほど、大学に入ってからは全く舞台に立たなかったんですか?
花岡:
難しいんですけど大学1年生の4月に学生劇団のコンペティションの実行委員をして、2年生になってからもやっていて、そのコンペティション自体が9月にあるんです。だから大体4月から9月みたいな感じで活動してて、その間以外はあんまりやらなかったり、当日運営の増員とか、受付の人が足りないから行きませんかみたいな感じで呼ばれたら行ったりみたいなことをしていていました。1年生の冬から舞台に立つ講座を受け始めて、毎年ゴールデンウィークにある本番に向けて、毎週土曜日に講座を受けるっていうやつがあるんですけど、その講座を受けて、大学に入ってからは初めて舞台に立ちました。これが終わった後、その舞台を見た友人が声をかけてくれて、7月に舞台に立って、8月にまた舞台に立ちました。舞台に立ったのはこの3回だけで、最初に言ったコンペティションの実行委員の活動は2期やったので、その3回の舞台が終わった後、私の興味が演出助手と制作にうつり、フラフラしているという感じです。
qbc:
決心とかそういうのが必要だったと思うんですけど、どんな感じでスイッチが切り替わっていったんですか?
花岡:
元々スタッフの人はかっこいいなと思ってて。私が演劇人として求められる人になる為には、俳優じゃなくて、スタッフを学んだ方が向いているんじゃないかっていう気持ちになってきて、ゴールデンウィークに初めて舞台に立った時の演出家に私演出助手がやりたいんですって言ったら、次の公演に演出助手として付いてみる?って言ってくださったのでチャンスだと思ってそこから始めました。
qbc:
具体的に演出助手って何をするんですか?
花岡:
稽古に実際に行って、今日はこれやりました、こういうところを変更しましたっていう稽古日誌を書いて情報を蓄積していったり、あと休んでる人の代役をやったり、小道具とか動線の管理とかをやってます。
qbc:
目指してるところって何ですか?
花岡:
この人と一緒に、花岡さんと一緒に演劇したいなって、思われるような人になりたくて。その為に演出助手とか制作の仕事も出来るようにならないといけないし、知り合いも増やしたいし、自分がよりワクワク出来る作品にも出会いたいしみたいな感じです。
qbc:
なんでそんなに演劇にハマってるんですか?
花岡:
演劇以外を選択しようとしなかったからだと思います。
qbc:
それは裏を返すと違うものにハマる可能性があるということ?
花岡:
もう全然あると思います。私表象文化がすごい楽しいなと思ってて。表象文化に出会ってから、絵を見るのってこんな楽しいんだって思ったり。絵はそんなにガツガツしする気持ちを持ってないので、気楽で、自由で。
qbc:
人生をちゃちゃっと20分ぐらいで40分ぐらいで言っていったんですけど何か感じたこととかありますか?
花岡:
マジで演劇ばっかりだったなと思いました。演劇で食べていくってめちゃめちゃ難しいからそんな軽々しく言えないんですけど、このままいったら私は演劇で食べていくぞっていう気持ちになるから、一旦違う世界っていうか、一般職として会社に入って働いてみようという気持ちになっていて、演劇以外に夢中になれるものがあるかもしれないし。だから全国を視野に入れて就活を今しているんです。楽しければ如何様にも変わっていったらいいと思うんですけど、演劇とは長い付き合いになるかもなって思ってます。
qbc:
人生の転換点ってどこにありましたか?
花岡:
大学生で地元を離れて学生演劇の実行委員会に入った時に大人のスタッフさんと初めて接する機会があって、フリーランスで舞台で食べている人を見て。もともとスタッフさんに対して事務的で無表情で仕事してる人っていうイメージがあって、だから演劇に関わってこんなに楽しそうにスタッフしてる人がいるんだ、そうやって生きてる人がいるんだって、スタッフに対するイメージはすごく変わりましたね。
qbc:
他に転換点はありましたか?
花岡:
演劇部に入ったことですかね、演劇に出会った時。演劇に出会う前小学2年生ぐらいから高3まで合唱団に入って歌ってたんですけど、演劇部に入ってから「花岡ちゃん全然違うよね」って、合唱団の人から言われるくらい、やっぱり発声練習とかするから声が出るようになったっていうのと演劇部っていう温かい環境にいたことで、ちょっと自分に自信がついたというか、私には演劇があるなって思えて、明るくなったってすごく言われたので、それかなと思います。
未来:生きていく中で出会ったこと、目の前に出てくることに関して、やたらと大きく心を動かして、何歳になってもジタバタしてるんじゃないかなって思ってます。
qbc:
未来について聞いていきます。5年10年30年40年と最後自分が死ぬっていうところまでイメージして、どんな未来をイメージしてますか?
花岡:
生きていく中で出会ったこと、目の前に出てくることに関して、やたらと大きく心を動かして、何歳になってもジタバタしてるんじゃないかなって思ってます。
qbc:
なんでジタバタするんですか?
花岡:
感情が大きなタイプで、大げさに感情表現をしたりしてると思うんですけど、その癖は多分、ずっとある。なんかじっとしてはいないかなと思ってます。
qbc:
なんで演技が続いたんですかね。「ジタバタする」って聞いたら違うものにどんどん手が向いちゃうのかなって思って。
花岡:
でも結構目の前のことにいっぱいいっぱいになって一生懸命やるので、ある程度その真面目さみたいなのを買ってもらったっていうのもあると思うし、周りの人に恵まれてるっていうのはすごいあると思います。
qbc:
なるほど。ちなみに、生まれ育ったところの風景ってどんな感じですか?
花岡:
県としては海も山も川もあるところなんですけど、結構中心部だったので、家から徒歩5分ぐらいで大通りがあって、車が4車線ぐらいで走ってて、適度に都会で適度に田舎だったのかなと思います。
qbc:
ご家族からどういう風に育てられましたか?
花岡:
塾とかにお金をかけてもらっていてありがたいなと思うんですけど、私の真面目さみたいなものは、両親から教えてもらったというか、両親の血を継いでるというか、そういうものだと思ってて。その真面目さが地元にいる時は窮屈だったんですけど大学に来てからはそれに守られて、大切に育ててもらってたんだなと思ってきました。
qbc:
例えばどんなところで感じたりするんですか?
花岡:
合唱団に入って11年間ぐらいやってたんですけど、その間に親が育成会で役員をずっとしてくれていて演奏会の前はめちゃめちゃ忙しくなっていたり、行きたいって言った塾に行かせてもらったり、車で週末おばあちゃん、おじいちゃん家に行ったりとか。あんまり旅行しない家族だったんですけど、それは多分、私とか妹のために大学の資金とか、そういうのを考えて、そっちを取ったんだろうなって思っていて、そういうのを含めて何か愛されてた、愛されてるなと思います。
qbc:
今を幸せ度で表すと何点ですか?
花岡:
100点満点で言うと、60〜68点ぐらいです。
qbc:
低くないですか?
花岡:
低いですか。いやでも、これからまだまだ良くなるぜっていう余地です。
qbc:
なるほど。もしもの未来っていう質問があってですね、自分の重要なものがもしも無かったらどうなってたかっていう質問なんですけど、演劇が無かったらどういう人生だったと思いますか?
花岡:
演劇が無かったら、そんなに没頭できるものに出会えてないんじゃないかなと思っていて、出会ってるとしても、本とか絵とかそういう系なのかなとは思うんですけど、もうちょっと暗かったと思います。
qbc:
演劇の代わりに本とかそういうのハマってたってことですか?
花岡:
演劇が無くて運動にハマるとかそういうのが全然考えられないから、インドアな趣味を楽しむのかなって思って。映画とかを見てるかもしれないし、人と関わる楽しさみたいなのをあんまり知らないんじゃないかなと思います。
qbc:
人見知りだったんですか?
花岡:
人見知りだったというわけじゃないんですけど演劇を始めて人と関わるようになって、「人おもしろ〜」って感じることが多くなりました。その分難しいですけど。
qbc:
もしもの未来パート2の質問として、もしも真面目じゃなかったらどんな自分になっていたと思いますか?
花岡:
もしも真面目じゃなかったら、親の期待の逆張りみたいなところに行ってた気がしますね。自分の育った家庭から真面目じゃない人間が育つ未来があまり見えなくて、それならちょっとグレてたかもしれないですね。
qbc:
今真面目じゃなかったら何をやっていると思いますか?
花岡:
グレてたら、出来る限り地元から遠いところに行こうとしたと思います。今関西にいて、地元が中国地方なんですね。今は新幹線で2時間ぐらいの距離なんです。だから反対を押し切ってでも関東にいたと思います。
qbc:
それで何をするんですかね。
花岡:
音楽とかしてるかもしれないですね。
qbc:
演劇やってもいいんですよ。
花岡:
演劇やってもいいのか。でも「真面目じゃない時」ですよね、そっか演劇はあるのか。
qbc:
真面目じゃなかったら演劇って続けられたんですかね。
花岡:
ちょっとグレーですね、真面目じゃないと「またこの人とやりたい」と思わない。いや、どうなんだろう。真面目に含まれるか分かんないですけど、真面目じゃなかった私はマジで適当になると思ってて。だから、適当に舞台に出て演劇が楽しいっていうところまでいってないかもしれないですね。
qbc:
最後の質問です。最後に言い残したことはありますか?遺言みたいになってもいいですし、インタビュー感想でもいいし、読者向けメッセージじゃないんですけど、最後に言い残したことがあればお伺いしております。
花岡:
演劇のことばかり話しちゃったんですけど、これからも自分の人生を楽しく生きられるように頑張りたいです。以上です。
qbc:
ありがとうございます。
花岡:
ありがとうございます。
あとがき
すべては、過去のなかに。
【インタビュー・あとがき:qbc】
【編集:さめこ】