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自分の取扱説明書を作っている人

おどろおどろしいね。まったく、人間というものの心はな。まったく。まったくもって、とんでもなくおどろどろしい!
というわけで、心は魔界、生命のスープ、なんでもなんでも生み出しちゃう巣窟、心はほんとにね、なんでもアリです。すごいね。すばらしいね。そうですね。
と、いうわけで、私の心の勉強は、小学生のころから始まりました。それは小説を書くこと。自分の心の観察をヒントに、それは書く、書く、書く。
自分の心というものを、客観視しはじめたのは、そのころから。小説の素材というか、小説内登場人物の心理状況を描写するためのモデルとして自分の心を扱うようになると、自分の心というのが、どうも、どんなもんにでも変化していってしまってる、て考えるようになりました。
わかります、そうなんです、心は、いかようにも変わる。
でもね、肝心なのはここです。
またね、心は、変わっても、また元に戻ってくる。
私、あんなに嫌だ嫌だと思っていた父親の性格と、今はもう同じです。生まれてから、40年かけて、自分の嫌いな父親とまったく同じになりつつあるのです。おいおい。
おやすみなさい、無名人インタビューゴッ!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(無名人インタビュー主催)】

今回ご参加いただいたのは 光(hikaru) さんです!

年齢:30代前半
職業:精神科デイケア相談員、自分取扱説明書作成コーチ
性別:男


 現在:人の才能を見つけて自分に吸収したくなるんですよ。自分の武器が増えるような感じですごいわくわくするんです。

ナカザワ:光さんは今どんなことをされてる方ですか。
 
光(hikaru):精神科病院のデイケアで相談員をしてるんですけど、1日のプログラムの運営だったりとか、そこで利用されている人の相談に乗ったりとか、ときには区役所の手続きだったり福祉サービスの相談を個人ごとに対応したりしています。人と話すのがメインの仕事ですね。
 
ナカザワ:相談員とおっしゃってたんですけれども、精神障害をお持ちの方だったりそれに類する方の日中のサポートみたいな感じなんですかね。
 
光(hikaru):そうですね、見方を変えれば萬屋のような感じで、相談があったことが相談みたいな。わからないこともあるんですけど、調べたり自分のテリトリー以外だったらそれに近い分野の人に電話して聞いたりとかもしますし。何が仕事になるかわからないっていうのが仕事ですね。
 
ナカザワ:利用する人は障害福祉のサービスとして受けているんですか。
 
光(hikaru):医療機関なので、外来受診している方で利用した人が対象です。
 
ナカザワ:なるほど。毎日の仕事が決まってるわけではないってことなんですか。
 
光(hikaru):大体は決まってます。月間のプログラムがあったりするので、午前中はこのプログラム、午後は違うプログラムだったりとか大まかに決まっていて、それに合わせてメインで担当する職員とサポートで別の職員がいるので、いろいろ交互に入れ替わったりして対応していて。その傍らで、相談員の仕事をしているみたいな感じですかね。
 
ナカザワ:このお仕事をするなかでやりがいや面白さを感じることはありますか。
 
光(hikaru):やりがい、そうですね。その人が成長したときですね。
 
ナカザワ:なるほど。
 
光(hikaru):小さなことでも成長したときはすごく嬉しいですね。本当に些細なことなんですけども、小さなことでも不安になる人ってやっぱいるんですよね。症状の影響もあるんですけど。
人としてはどうかと思うんですけど、また同じことに悩んでるな、とか言いたくなるときもあって、ときどき言っちゃったりもするんですけど。それでも本人なりの解決策を実行して、今回は乗り越えられました、と言われたときには、本人にとっては大変なことを1個乗り越えたわけで。
それを聞いた瞬間に、自力で解決できるようになったんだなっていうのがわかるので、そうすると自分の価値が上がったな、役に立ったなと感じますし、一番やりがいを感じるところですね。
 
ナカザワ:そういうのは利用される方のほうから言ってもらえたりするんですか。できるようになったとか。
 
光(hikaru):そうですね、言ってくれますね。やっぱり1人で抱えてることが多い人だと、ちょっとのことで相談してくるので、その話の流れで言ってくれたりする感じですかね。もう朝から、おはようございますの流れから相談があったりするんで。
 
ナカザワ:それはプログラムを実施したから変化したっていうよりやっぱり相談を通して変化したっていうのが多いんですか。
 
光(hikaru):相談を通してもありますし、プログラムを通して間接的にそう持っていってるところもありますね。
それがどっちが先かはちょっとわからないですけど。その人その人で全然違うので、ケースバイケースですね。
 
ナカザワ:ありがとうございます。お仕事以外で何かされてることはありますか。
 
光(hikaru):仕事という仕事でお金にしてるものは今ないんですけど、1人1人の取扱説明書を作りたいなと思って今、いろいろ準備をしている途中ですね。
 
ナカザワ:1人1人の取扱説明書というのは具体的にどんなものかお聞きしてもいいですか。
 
光(hikaru):私の理想としては、自分を知るっていうところを入口にして、元々自分が持っている、例えば性格だったり、小さなことでも、才能だったり、不安になりやすい要因やそれに対しての解決策だったりとかをまず、見える化して、見えることによって気付けるようにしたいんです。
もちろん他者からアドバイスを貰うとか、そういったものでもいいんですけど、まず自分で解決できる力も必要だなっていうところで、そういうものがあると、もう少し人が楽になるんじゃないかなと思っているので、そういうのを作っていきたいと思ってます。
 
ナカザワ:自己理解をした上で作るのが、取扱説明書って感じなんですかね。
 
光(hikaru):そうですね。やっぱり日頃生活してると、例えば常識だったりとか、職場だったら環境のルールがあったりとか、仕事の流れだったりとかもありますし、あとは他者の意見に流されやすかったりすると、自分の考えとか価値が流されてるような気がするんですよね。そうすると、いつ自分のことを見てるのかな、自分を大事にしてる時間あるのかなって。
天秤にかけたとき、ちょっと外部の影響が多いんじゃないかなと思ったんです。
生きてる限りは影響を受けるのは仕方ないんですけど、バランスは整えてもいいんじゃないかなと。ちょうど釣り合うぐらいみたいな。
メンタルをコントロールする上では意外とそういうのは大事だと思ったんで、それを釣り合わせるために自分ができることは何か考えたんですよね。
それで、人の才能を見つけるとか、その人の考え方だったりその人が元々歩んできた道だったり、そういったものを聞きたくなるなとか見つけたくなるなと思ったんですよね。これは小さな才能かなと思ったらちょっと育てたくなったんですよね。
 
ナカザワ:他人の才能を見つけることがご自身の才能ってことですか。
 
光(hikaru):そうですね。そういう自分の才能を育ててみたときにどういう結果、といいますか、過程が出てくるのかなっていう興味もあります。
仮にうまくいかなかったとしても、過程を見ることができるんで。
 
ナカザワ:なるほど。
 
光(hikaru):でもこれは、やるべきだなっていう、お告げじゃないですけどなんか確信はあるので、とりあえず小さな小さな種を、芽が出てそれを少しずつ花を咲かせられたら面白いなと思って、自分を自分で実験してるような感じですかね。
 
ナカザワ:1人ひとりの取扱説明書を実現させるために動くこと自体が、実験なんですね。
 
光(hikaru):そうですね、まずは自分で実験して、その流れで他の人たちにもその過程を提供するみたいな。
実際今の仕事をしている上でも多分それに近いことが起きてるので、全くやってないわけではないので、より違う視点から、使っていく、実験していくっていうところをやっているイメージですかね。
 
ナカザワ:取扱説明書っていうと、その対象を使う人が読むものだと思うんですけど、一人一人の取扱説明書は、自分を使っていく自分自身が読むものってことですか。
 
光(hikaru):そうですね、自分がわかってないと意味がないので。本人に確認するなかで、例えば文章だったりとか、単語だったりとかキーワードが出てくると思うんですけど、本人なりの辞書じゃないですけど、国語辞典みたいに自分がわかるような言葉じゃないと多分使えないと思うんで。
 
ナカザワ:他者にわかってもらうための説明書ではないんですかね。
 
光(hikaru):他者に全くわかってもらえないとは思わないですが、逆に自分で説明ができるようにするためというものもあると思うんですよ。
 
ナカザワ:なるほど。今は光さんが誰かのを作るために一緒にやるみたいな。
 
光(hikaru):そうですね。私、人の才能を見つけて自分に吸収したくなるんですよ。
 なんか自分の武器が増えるような感じですごいわくわくするんです。
 
ナカザワ:それって具体的にどういう感覚なんですか。
 
光(hikaru):私結構ゲームやるんですけど、RPGやってるような感覚ですね。例えばこの人の武器は剣なのか、盾なのか、槍なのかみたいなことを適当に決めた上で、まず自分が使いこなせるのかどうか、実は自分の持っているものと組み合わせたら、化学反応が起きるのかな、みたいなことを想像するのが多分好きなんですよ。
 
ナカザワ:なるほど。
 
光(hikaru):それを使うか使わないかは多分タイミング次第もあったりするし、自分が吸収したところで使いこなせるとも限らないんですけど。ただ、相手が持ってるってことは事実だとは思うので、それをいかにして種を芽にするかとか、どうやって水や栄養をあげたら花になるのかなとかを純粋に楽しむのが好きなんですよ。
それを生かすためにはどんな環境だったら育つのかなとか。多分いろんな環境でそれを実験をしたくなるっていう。もちろん本人了解の上ですけど。
 
ナカザワ:実際普段の生活でも、相談とかだとそのあたりは生きてくるんですか。
 
光(hikaru):そこに関しては正直弱いですね。
どっちかっていうと不安に左右されてたりとか、日々の生活に満足している感じがあるんです。そうすると、なんていうんですかね。やっぱり仕事をしたいって言っても仕事ができてなかったりとか、もちろん仕事をしたくて、自分から進んで行動をしてデイケアを卒業する人もいたりします。行動の意欲のあるかないかの差が激しいので、表面的な不安の相談乗ってるだけでも限界があるかなと思ったんで。
それだったら人の才能を伸ばしすぎて不安をかき消すぐらいの方がちょうどいいかなと。
ちょっと違う視点からアプローチしたいなと思って、今、デイケアの合同作品展とかがあるんですけど、そういったところで、まず人の持っているものを作品を通して表現する場所を作って、その人たちの作品展に向けての行動とかをちょっと今見たりしてるんですけど。
 
ナカザワ:うんうん。
 
光(hikaru):結構好きなことやってるときって生き生きしてるんですよ。で、こっちが、支援者が何も言わなくても勝手にやるんですよ。
 
ナカザワ:なるほど。
 
光(hikaru):もちろん、1日の体力も人それぞれあるんで、集中力も違ったりするんですけど、やっぱり悩んでるときよりはそういった時間を作ってあげる方が悩まなくて済むっていうか。そこに意識を向かなくて済むみたいな。
しかも、その人がやってることは、私が意外と好きじゃなかったりとか、苦手だったりするんですよね。それって私からしたら当たり前じゃないことをやってるわけですよ
それ伸ばさないでどうすんですかって思うわけですよ。
 
ナカザワ:うんうん。
 
光(hikaru):そんなに頑張ってやってんのに、とか。楽しそうにやってるのに、とか。
なんかそれってすごいもったいないなって思ってから、取扱説明書みたいのがあった方がいいなと思って。本人は多分当たり前だと思ってやってるから、あんまり意識してないですよね。
 
ナカザワ:確かに。
 
光(hikaru):でも私はそれを当たり前と思わなかったから、ちゃんと自分でもわかるように、これは当たり前じゃないんだよって、何かの形で残してあげると少しは認識してくれると思うんで
 
ナカザワ:確かに、私ってこうだよねって考えるだけじゃなくて、できるよねって言ってもらえるの結構、そういう取説的な役割あるんですね。
 
光(hikaru):そうなんですよ、頭の中では多分理解しきれないんだと思うんですよね。なので1回外に出さなきゃいけないかな、と。見える形で。
それはときには心の支えになるんじゃないかなとか、少しでも安心材料っていうか、にもなればいいかな。
 
ナカザワ:自分で結構やってきてることって見えにくいですよね。
 
光(hikaru):そうなんです。今自分が言ったことすらもう、ここ、実際は半年ぐらいのことを自分で言葉にするようになったんで、気づけたわけですよ。
 
ナカザワ:なるほど。
 
光(hikaru):今まではそれを感覚的にやっていたかもしれないんですけど、それを活かすっていうところまではできてたかっていうと多分、足りないなって思ったんで、気づいてから生かさないともったいないなって。
 
ナカザワ:自分自身に対してもそう思うってことですね。
 
光(hikaru):そうですね、本当の意味で気づきって大事だなって、なんか、ふに落ちるとか、自分の感覚で納得するみたいな。人に言われたからじゃなくて、お互いが多分認識したみたいなところですかね。
 
ナカザワ:うんうん。
 
光(hikaru):自分だけじゃない感覚。じゃないんだなみたいな、誰かしら共感してくれる人いるんだなみたいな。
そうすると1人じゃないみたいな、孤独感も多少は抜けるんじゃないか、と。 

過去:挫折して、まわりと比較するってことがもう無意味になったんです。

 ナカザワ:どんな人生を送ってこられたのかなっていうところにちょっと聞いてみたいなと思うんですけれども、光さんは小さい頃ってどんなお子さんでしたか。
 
光(hikaru):幼稚園ぐらいまではよく喋る子だったってこないだ母方の叔父に言われました。
自分では、そうなんだ、と思いますけど、今の自分を考えたらよく喋るなって思うんであながち間違ってないかなって今認識してるんですよね。
あとは好奇心はやっぱり旺盛だったよって。その当時叔父が、仙台にいて、祖父母と一緒に仙台行くみたいな?両親なしで。祖父母で自分で3人で行くっていうことに。他の兄弟じゃ考えられないことしてるよ、と
そういった好奇心があって、話すことが好きな幼少期でした。
 
ナカザワ:その辺りの様子は割と変わらずにというか。
 
光(hikaru):実際、今は変わらなくなったんですけど、多分好奇心の要素が戻ってきたみたいなとこかもしれないです。
 
ナカザワ:違った時期があったんですか。
 
光(hikaru):好奇心、薄かったと思いますね。小学校時代から高校時代までは逆に、人生を振り返ったときにはちょっと好奇心が弱いかなと思います。むしろ幼稚園の時代と今の自分の方が一番好奇心が高い。
 
ナカザワ:何かその原因というか、理由はあるんですか。
 
光(hikaru):私、3歳に軽度の脳梗塞にかかって右半身麻痺があるんです。
子どものころから習い事で、例えばプール行ったり、ソフトボールをやってたり、チャレンジはいろいろしたんですけど、やっぱり周りと比べるとハンデが大きいなと思って。自分なりに努力はするんだけれども、やっぱり比較したくなるので、そうすると向いてないなとか、しんどいなって思う時期があったんですね。
比較っていう経験値を得てしまったことによって、好奇心がちょっと抑えられたっていうところが要因じゃないかなって。それが実際良いか悪いかはわからないですけど、抑えられたのは事実かなと。
 
ナカザワ:ああ、同じ年齢の別の子供たちの様子も見たりとか。
 
光(hikaru):そうですね、多分、自分がやりたいものほど、比較したくなるんですよね。ソフトボールがそうなんですけど、私野球好きで、野球見るのもの結構好きなんで、実際観戦する回数は年間少ないですけど、地上波とか、BSとかでも、野球の時期は毎日見るぐらい好きなんですよ。
 実際やりたい願望も強くて、そうすると、みんなと同じぐらいやりたいのに、思い通りいかない自分の歯がゆさがあって。その歯がゆさから楽しみづらくなったりするわけです。純粋に楽しめなくなる。好きなものほど自分のハードルがやっぱり高いんですよね。
 
ナカザワ:なるほど。
 
光(hikaru):そこに対して一歩ずつ歩めば、それに近づくのかもしれないですけど、ただそれが高い壁に見えすぎて、頑張りはするんだけど、ある程度のところで、もういっか、っていう感覚に陥って、最終的にソフトボールだと、辞める。ちょっとやっぱり、自分が好きなことに対しても若干臆病になってるっていうところはあるのかもしれないですね。
 
ナカザワ:高校まではちょっと好奇心が低かったっておっしゃってたんですけど、どういった変化で好奇心を取り戻したんでしょうか?
 
光(hikaru):大学入る前に1回浪人してるんですよ。同級生と1年遅れたんで、挫折ですよね。そうですね、挫折して、同級生と比較するってことがもう無意味になったんですかね。
浪人したことによって同級生は1年も進んじゃっているので比較するのがもう無理で、難しくなったっていう諦めがついた。 1年遅れてる時点でもう比較できないじゃないですか。
 
ナカザワ:確かに、条件が違いますね。
 
光(hikaru):そうですね、条件が違うんで、そこと向き合う方がバカバカしいなと。
で、大学に受かるために受験勉強を頑張るんですけど、1年遅れてやるしかないからそれに頑張って、そこから実際1年で合格して受かるんすけど、そこで比較から外れたんで、1年で追いつけるみたいな。そうするとその解放された分で、何かやってみたいなと。ちょっと世界観が広がったっていうか、そこが多分好奇心っていう言葉で、使われるのかなとは思います。
 
ナカザワ:実際に何か新しく挑戦したんですか。
 
光(hikaru):そのときは囲碁をやりました。あの、囲碁も一度挫折したんですよ。小5〜6年ぐらいのころ。私の名前が光なんですけど、当時「ヒカルの碁」が流行ってたんですよ。
 
ナカザワ:はいはい。
 
光(hikaru):囲碁のゲームが出てたんでゲームをやったりとかしていて、大会にも出たんですよ。ただそこで思ったより結果が出なくて、泣いて、こたつに引きこもって、猫のように引きこもって、で、辞めたんですよ。
それ小6なので12歳ぐらいだったんですけど、8年ぐらいとか。もうちょっと先か、9年ぐらいか10年いかないぐらいで、やり直した。
興味が復活してから、1個ずつ、何かを始めるとか、興味持ったものとかには、若干抵抗は下がったような気がします。そこが多分入口です。
 
ナカザワ:なるほど。
 
光(hikaru):あとは、今のデイケアの仕事に就いてからは、将棋をやり始めたりとか。囲碁も今続けていて、アマチュア4段ぐらいですかね。逆に、辞めてないです。むしろ楽しさしか追求してないです。
 
ナカザワ:アマチュアでもそんなに段があるんですね。
 
光(hikaru):よく携帯ゲームとかやったりはするんですけど、実際大会にも出て、4段ぐらいのところは、3勝2敗とかで、大会を終えられるんで、その段の免状費用を払えば、一応段は受け取れますよっていうのはわかったんですよね。実際はまだもらってないんですけど、そういった形で自分の今の実力はこの位置なんだなっていうふうな感じで、認識したりしてますね。
 
ナカザワ:客観的に自分がどの辺にいるかわかるんですね。
 
光(hikaru):将棋は職場で将棋やりたい人がいたからやったんですけど、私、将棋やりたくなかったんですよ。
人がやってることに興味がなかったりするんですね、時々。父方の祖父が将棋やってたんです。家に免状が置いてあるんですよね。三段ぐらいの。そういうのを見てたんで、人がやってるのって、なんかつまらないですよね。
だから将棋じゃなくて囲碁をやり始めるとかっていうのも一部入ってるんですよね。
 
ナカザワ:なるほど。
 
光(hikaru):あとは私にとっては多分将棋より囲碁の方が自由度が高いんですよ。将棋って駒の動きに制限があるわけです。でも囲碁って黒白なんで、一応どこでも置いていいんですよ。
少なくとも将棋よりは自由度が高いんです。結構自由を好むんですよね、たぶん。あとはそこに、予想外とか、想定外のことも考えられるっていうこの自由さとか。
もちろん将棋にも自由度があるんすけど、私の中では多分、囲碁の方が自由度高いなって思ってんだと思うんですよ。そういったことが三つ四つ重なって囲碁をやってるような感じですかね。
 
ナカザワ:それは今趣味としてされてるんですか。
 
光(hikaru):仕事で囲碁やってます。
 
ナカザワ:仕事で。
 
光(hikaru):囲碁やりたい人いるんで囲碁を教えてます。
 
ナカザワ:なるほど。
 
光(hikaru):囲碁をやりたい人に囲碁を教えると、うまくなったりとか、あとは思考が整理されるようになった人もいるんですよ。1人だけなんですけど。
趣味の可能性っていうのが、ただ趣味をするだけじゃないんだなっていうのもわかりましたね。活かそうと思えば何でも活かせるんだなと。活かす心さえあれば。
 
ナカザワ:1人ひとりの取扱説明書とかを始めようと思ったのは最近ときいたんですけど、自分が相手が得意なことを見極めることができるとか、それが楽しいみたいに実感したのってどんなきっかけだったんですか。
 
光(hikaru):私ファイナルファンタジーが好きなんですけど、全キャラクター1人ずつ育てるんすよ。
私、1キャラクターがレベルMAXになったら次違うキャラクターを育てるんですよ。それを無限ループやってるんです。それ、飽きないんですよ。
 
ナカザワ:うんうん。
 
光(hikaru):これ飽きないってことは一種の特性だなと思ったんですね。これをただ現実、現実世界で起こせば、多分やるなって。ということで、ゲームにとどまらなくしただけです。
 
ナカザワ:そういう気づきってある時ふっとくるもんなんですか。
 
光(hikaru):そうですね。私はゲーム毎日ログインするんですよ。今日もログインしたんですけど、もう習慣なんですよね。
 で、キャラクターの良さを組み合わせてバトルもしたりするわけですよ。いろんなキャラクター使い分けたりとかして。
実際そこまで凝り性ではないんで、大雑把にしかやらないんですけど、でも組み合わせはやるので、そうするとそのキャラクターの良さと違うキャラクターの良さを組み合わせたりするわけです。でも組み合わせるためにはそのキャラクターの良さを知らないといけないんですよ。
 
ナカザワ:確かに。
 
光(hikaru):相手の良さってどうなんだろうなとか考えると、もうわくわく感しかないですね。発見する楽しみっていうか想定外のを発見したいなとか。そう思ったら、もうそこにしか目いかなくなるんですよね。
なんか、人の相談を受けているとネガティブなことばっかり目に入りやすくなるんで、何かポジティブな面欲しいなって。
 そうすると人の良さってそういうところだったりすると思うんです。
 
ナカザワ:うんうん。
 
光(hikaru):自分の心のバランスを整えるためっていうところもあると思いますけど。
 
ナカザワ:相談受けるご自身の、ってことですね。
 
光(hikaru):そうですね。自分の良さを言われて嫌な人はあんまりいないじゃないですか。そこにただ今までの行動パターンだったりとか、今までもないですか?とかそういった複数の理由があれば本人も納得すると思って。
だからそういうのをちゃんと伝えてあげれば本人嬉しいだろうなって、そういう観点から、やりたいなって思ったんだと思います。 

未来:目標、今のところ死ぬまではやりたいですね。

ナカザワ:ありがとうございます。今後、どういった人生にしたら面白いなと思いますか。
 
光(hikaru):そうですね。いろんな人の人生あると思いますけど、残りの命が燃え尽きるまで自由に楽しくわくわくさせられる人をやっぱり増やしていきたいです。そうやって世界にちょっと化学反応が起きれば、精神科受診する人も減るんじゃないかなと思って、あと悩む子どもも減っていくんじゃないかなって。
 
ナカザワ:なるほど。
 
光(hikaru):私の仕事がなくなってくれれば一番嬉しいんじゃないすか。
そうすると相談を受けない世界、とかですかね、もしかしたら。壮大なものになってしまうけれど。
 
ナカザワ:相談したい人がいないってことですよね。
 
光(hikaru):そうですね、自分で解決できるようになったりとか、少なくとも病院来ない人がいいですよね。病院に来ない世界とかね。
 
ナカザワ:その世界に向かってやっていくこととか日々気にすることっていうとやっぱり先ほどの、取扱説明書作りとか、そういった内容なんですか。
 
光(hikaru):そうですね。あとはそれを作る上でも楽しさがないといけないんで、カードゲームだったりとか、そういった、遊び心を使って何かやれないかなとか、ちょっと掛け合わせてやりたいなと思ったりします。
 
ナカザワ:うんうん。
 
光(hikaru):振り返るのって結構苦しいんで。受け入れる準備ができてる人にはそこまでじゃないと思うんですけど、中にはしんどい人もいるだろうから、ストレートじゃなくて、ちょっと変化球的なところの遊び心で自分を深掘りしてもらって、自分の良さを気づいて、それを取扱説明書の中に組み込むとか、取扱説明書にしなくても気づくとか。そうすると、私ができる範囲の人たちは少しは楽になるんじゃないかな。
 
ナカザワ:これってどのくらいやりたいとかありますかね、目標みたいなものって。
 
光(hikaru):目標、今のところ死ぬまではやりたいですね。たぶん続けられると思うんですよ。本当に完成したら。デイケアの相談員の仕事してるより続けられると思うんですよね。
いいところを探せるなんか最高じゃないですか。しかもそこで悩みとか、1日1日の日々の過ごし方がちょっとでも変わるなら私が生きてきたかいはあるな、と。
 
ナカザワ:キャラのレベル上げを死ぬまでやってるようなものですよね。
 
光(hikaru):そうですね。で、同時に自分のレベル上げをするっていう、
 
ナカザワ:ご自身のレベルとしてはどういうのを目指してるかあるんですか。
 
光(hikaru):レベルですか。
 
ナカザワ:はい。数値なのか、どういう示し方でイメージされてるかわからないですが。
 
光(hikaru):心がわくわくするかだけで判断しますかね。
わくわくしてなかったら何でだろうか、って聞きますかね。それをただ日々繰り返すだけです。数字にするのは多分あんまり得意じゃないんで。そこは今のところ感性だったり感覚で、自分に問いかけるってとこですかね。もちろん仕事にする上で数値化もときには必要だと思うんですけど、今の自分だったら感覚で、大丈夫かなとか、聞いたりはしますね。うん。

ナカザワ:なるほど。
 
光(hikaru):最近ぼやきがなくなったんです。なんか仕事行くときとかぼやいたりしちゃうんですよ、行きたくないなとか、今日も仕事かあとか思ってたんすけど、そういえば最近ぼやいてないな。今日気づいたんですよ。
朝起きて、今日インタビューか、と思って。何話そうかなとか思ってたら、そういえばなんか、朝ぼやいてないな。と。ぼやいてないってことは、一応悪いことじゃないな。多分自分なりに解消しきれてるからぼやいてないんだろうなって。すっきりしてんだと思うんですよね。
あとは事実に対して感情を入れるか入れないかを調整できるようになった。元々多分揺れるタイプなんですね。
感情が結構揺れるタイプなんで、結構疲れるんですよ。メンタルが。そういうのは多分、自分の基盤が作れるようになったってとこですかね。真ん中の位置が、てんびんでいう真ん中の位置はどの辺かっていうところがちょっと作れるようになったんじゃないかなって、昔よりは。
 
ナカザワ:なるほど、そうですね。人と比較して判断してたみたいなこと今はそうではないんだろうなっていうところが感じられるんですけれども。
 
光(hikaru):そうですね比較することをやめましたね。
 
ナカザワ:なんかその比較をする経験がなかったとしたら今なんかどうなってたと思いますか。
 
光(hikaru):そうですね。取扱説明書は作らないっすね。いや絶対作ってないですよ。
 
ナカザワ:仕事とかも違ったんですかね。
 
光(hikaru):相談員の仕事はしてないと思いますね。相談員を仕事してないんだったら、何かな。多分何か教える先生にはなってるかな。プログラムに傾向があるんで。
教えてるときって結構好きなんですよ。ただ学校の先生は嫌です。5教科教えるのは多分好きじゃないですよ。変わったことを教えるのが好きなんですよ。
 
ナカザワ:なるほど。
 
光(hikaru):ちょっと想定外の、でも実は大事なんだよっていうところを教えるのが多分一番好きなんです。
別に学校の先生を否定するわけじゃなくて、自分の感覚として、変わったことを、人が認識しないようなところを教えるのが好きで。
それに気づいちゃったりすると、黙ってられないんですよ。黙ってられないってことは、教えたくなるんですよね。
 
ナカザワ:なるほど。知るところから何か好きなんですねきっと。
 
光(hikaru):多分そうだと思います。そこは多分好奇心からが入口なんですよね。
 
ナカザワ:ありがとうございます。何か言い残したこととか、何か喋り足りなかったなみたいなことありますか。
 
光(hikaru):喋り足りなかったこと、いやあ特にないですね。自分が思っていなかったこと今言った気がします。いろいろ
 
ナカザワ:そうなんですね。
 
光(hikaru):そうですね。自分でも気づいてないところを多分言ったと思います。二、三割ぐらいはわかってたけど、言葉にしきれてなくて、このインタビューを通して気づいたみたい。こことここがちょっと連動するんだなみたいなのが、何となく話してて、なんかちょっと発見したみたいな。やっぱ人と話すんだっていうのは結構大事なんだなって言って。
 
ナカザワ:ありがとうございます、変な話、今日私がいた意味もあるのかもなんて聞いて思いました。
 
光(hikaru):それはよかったです。
 
ナカザワ:はい、ありがとうございます。

 あとがき

世の中には順番っていうものがあるじゃないですか。
私はこういう人間です、っていうのにも順番がありますね。

「今何してる人ですか」って聞いて、最初に答えてもらうのって、結構その人のパッケージ側で、徐々に商品本体にたどり着くことが多いんですけど、参加者自身がどれをパッケージに思っていて、どれを中身だと思っているのかとか、実は中身から話しているのかとか、そういう順序そのものにも「その人」が現れるんですよね。
(あとは単純にインタビュアーと参加者って初対面なので、その関係性の問題もありますね)

無名人インタビューはあまり下調べをしないので、他人から見たら結構先に目に入ってくる情報でも後で出てきたりとかして、え!今言うんだ!ってことも、もちろんあるんですけど、その情報があったとて、その人のことが理解できているわけでもないしな、と気づかされます。

光さんお話も、例えば相談員の話じゃなくて取扱説明書の話を先に聞いていたら、右半身に麻痺があるという情報を先に聞いていたら、私は何かかわったのだろうか、とか、いろいろ思うのでした。

【インタビュー・編集・あとがき:ナカザワ】

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