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無名人インタビュー:呼吸するのと同じ感覚で音楽を作ってる人

長い長い夏休みをとるように、ゆっくり編集してしまっています、よ、ごめんなさい。私の体たらくです。そして世の中には、どーっしても音楽から離れられない人という方もおりまして、今回のノボさんは、そういう方でした。
ほとんど半年前の記憶を呼び起こし、編集しましたこの無名人インタビュー、楽しんでいただけたならもっけの幸い。

今回ご参加いただいたのは ノボ さんです!
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1、音楽

qbc:めちゃめちゃマイクの音質が良いですね。武藤さんのお知り合いの方なんですよね。

ノボ:もともと武藤さんとは音楽仲間で、無名人インタビューというのがあるんだよって教えてもらって。じゃあやってみたいなということで応募しました。

qbc:なるほど。では、どういうインタビューにしましょう?

ノボ:音楽活動を主として生きている人間なので、その点をある程度知ってもらったり広められたりできる場になったらうれしいな、と思ってます。

qbc:今、何をされている方なんでしょう?

ノボ:普通に曲を作って、歌を歌ってっていう表現活動だったりとか。お仕事として受けた音楽を作らせていただいたりとか、そういうようなことをしてます。

qbc:いつごろからやられてるんですか?

ノボ:学生のころからバンドとかライブ活動はずっとやってたんですけど、それに行き詰まりを感じて、2、3年ぐらい前から、ドラマの劇伴を作るチームに参加しています。劇伴って、ドラマの中で後ろで流れている音楽ですね。
そのあたりから、仕事として音楽をもっとやっていきたいっていう意識が高まって、今の流れになってきました。

qbc:なるほど。どこか事務所に所属しているんですか?

ノボ:完全にフリーです。曲を作ったりとか、あと仮歌を入れたり。仮歌というのは、作曲家さんがデモを作るときに、仮で入れてる歌のことですね。
それ以前は、普通の一般的なバンドマンと同じような感じで、自分で曲を作ってそれをライブハウスで演奏して、たまに自分で企画を立てて出演者とかも全部集めて、みたいな活動を10年以上続けてます。

qbc:おおー。ライブの企画。普通のお仕事もされているんですよね?

ノボ:今もあんまり、はっきりは書いてないですけど、兼業で普通に仕事しています。

qbc:音楽に目覚めたきっかけは?

ノボ:子どものころから家族で出かけるときの決まりがあって。いとこからもらったJ-POPのカセットテープを流すか、親が好きなムード歌謡を流すかみたいな。
幼稚園ぐらいのときにいわゆるアイドルブームみたいのがあって、年の離れたいとこがそういうの見てたりしたんですよね。

qbc:なるほどなるほど。

ノボ:朝、テレビでいろんなアーティストのミュージックビデオが順々に流れてる番組みたいのがあったんですよ。
そこで流れたC-C-Bを見て、すごい喜んでた記憶はあるんですよね。

qbc:C-C-Bって音楽がおもしろいんだよね。

ノボ:昔の音楽って、時代性は感じちゃうんですけど、レベル高いんですよね。

ロマンティック以外もいいんだわ。ベースがはねてるとかさ。

qbc:自分が楽器をはじめたタイミングっていうのは、いつごろだったのでしょうか?

ノボ:歌だけだと潰しがきかないな、なにかしら楽器はできたほうがいいなって考えて。中学校2年のときに、B'z大好きだったんですよ。あるとき夢で、B'zの松本さんに舞台袖でアコースティックギターをもらって。

qbc:すごい夢!

ノボ:そんときに、俺ギターやろうって思って。で、中学のときの友達で、もう先にギターはじめてたヤツがいたんで、良かったら中古のとかでいいから売ってくんないかって話して、相談をして。でもそんときは結局売ってもらえなかったんですよね。
そうやってギター熱が高まってるときに、正月、いとこん家に行ったんですよね。そしたらいとこの兄ちゃんが布袋寅泰大好きだったらしくて、黒いテレキャスターにビニールテープで自分で模様付けてたんですよね。

qbc:自分でね。

布袋さんはふつうの人にはわからんかもしれんけど、世界のギターヒーロー布袋さんなんです。

qbc:そのときは何を弾いてたんですか?

ノボ:LUNA SEAとか黒夢ですね。
バンドも1個2個組んだんですけど、あんまりうまくいかなかったっすね。
高校のとき、僕はビジュアル系大好きでどっぷりだったんですけど、50歳頃とかにになってこれは続けられないんじゃないかって思ったんですよね。だから、普段ビジュアル系聴いてます、でも僕はビジュアル系じゃない音楽をやりたいんです、っていう変な主張してたんですよ。
なのでなかなかバンド結成に至らず、一人で曲を作ってライブ活動はじめました。

qbc:そっか。じゃあ基本ひとりでずっと10代のころからできちゃってたって感じなんですね。

ノボ:まあ、できたというかやってきたというか。音楽的な部分でいうと、他を圧倒するほどのクオリティがあるわけではないです。ただ、やりたいっていう気持ちが強かったから、人が集まらないのはやらない理由にならなかったんですよ。

qbc:ライブハウスデビューはいつごろ?

ノボ:高1じゃないかな。地元のリハーサルスタジオで自分たちでライブを企画してましたね。
当時の相方に任せて自分何もしてなかったけど…

qbc:音楽に対する衝動は、どうしてそんなにあったんですかね?

ノボ:わかんないって言ったらおかしいんですけど、こないだ作曲家の仲間達と集まってごはん食べたときも、みんな答えがないんですよね。
飽き性の人が「これだけは続いてた」みたいな。そういうのに近いかもしれない。

2、SHOWROOM

qbc:どういう性格でいらっしゃるんでしょうか?

ノボ:諦めは悪いなと思うんですよ。もともと音楽は好きでやってるっていうのはあるんですけど、何かを成したとか、誰かに選ばれたっていう感覚は今もないんですよね。だから、今でもそれを求めているのかもしれないし、そういうのはもうどうでもよくなっちゃって、俺がやりたいからやってんだ、文句あるかって開き直っちゃってんのかもしんないし、っていうところなのかな。

qbc:他に趣味はあるのでしょうか?

ノボ:カメラですかね。写真はもともと、ずっと見るのが好きで、自分でも撮りたいと思ってたんですけど、このあいだ買って。たまーに夜とか歩きながら外撮ったりとかいうのを、やっています。

qbc:なるほど。こだわりが強いタイプでしょうか?

ノボ:まわりからはそう言われますね。自分ではなるべく柔軟にしてるつもりなんですけど。

qbc:影響を受けたアーティストは?

ノボ:子どものころは黒夢の清春さん。大好きすぎて、ずーっと追ってました。音楽的な部分で影響を受けたのは、スピッツですね。
あとは、音楽的にはそんなに反映できてないですけど、BOOM BOOM SATELLITESとか超好きでした。あとコーネリアス。サカナクションも。

qbc:今後はこういうことをしていきたい、といった展望はありますか?

ノボ:いろんなジャンルのと結びつきを強くした作品とかを作っていきたいと思っています。映像も自分が出てるだけのミュージックビデオじゃなくって、映像作家さんとコラボレーションしたりとか。いろんな垣根を壊してやっていきたいっていうのは、ずっと昔っから思ってたんです。
今までのライブ中心から、もっと違うところにエネルギーとか時間を使えるようになったと思ってるので、そういうところに力を入れてやっていきたいかなと思ってますね。
ただすごいきれいとかだけじゃなくって、一捻り二捻りあったようなものとかをやりたい。

qbc:コラボレーションはおもしろいですよね、今。

ノボ:ジャンルとか畑が違う人って、考え方とか常識が違うので刺激的なんですよ。Twitterとかで興味持って、連絡取って機会があれば会いに行って。

qbc:もともとインターネットはやられていたんですか?

ノボ:ずっと昔からやってましたね。mixiとかその前、掲示板とか。
コロナの影響でなおさら、今までいなかった人とかも増えましたね。10月に、会いたい人にどんどん会っていこうって決めて、けっこうな頻度でいろんな人に会ったんですけど、さすがにやりすぎて疲れちゃいますね。

qbc:どんな人とお会いするんですか?

ノボ:いろいろですよ。作曲家さんだったり、ディレクター、プロデューサー。全然違うジャンルのアーティストさん、クリエイティブディレクターの方とか。ツイートを見てて面白いなあ、作品を見て面白いなあと思って興味を持てた人で、アプローチできそうな人に連絡してます。

qbc:音楽をやっていて、一番楽しい瞬間っていうのはなんでしょうか?

ノボ:曲ができた時点で、かなり最高ってなるんですよ。
僕の場合は、鼻歌とかでメロディを作って、曲の大本を作ったら、そこでいったん歌詞書くんです。で、歌詞書いた後にもう一回曲をしっかり仕上げていきます。
できたっていう達成感と、感想いただいたときがうれしい。

qbc:ライブは、ないとダメですか?

ノボ:僕はライブないとダメですね。今、毎日SHOWROOMやってます。
※現在はPocochaというところに移動しています。

qbc:毎日なんだ。

ノボ:はい、毎日歌ってます。SHOWROOMって、DAMのカラオケシステムが使えるんですよ。最近の曲も歌うし、昭和の曲とか平成の初期の曲とかも歌います。洋楽も歌うし。ビジュアル系はなるべく歌わないようにしてますけど。

qbc:なんでですか?

ノボ:やっぱ一般大衆受けではないので。僕のところに集まってくれる人にはリアクションが薄いんですよ。スピッツは歌ったりしてますね。

3、音楽は呼吸と同じ

qbc:今後は、どういうふうになったらいいなあ、みたいなのイメージはおありですか?

ノボ:音楽じゃないところに時間を使うことに、モヤモヤを感じるんです。でも、今の時代、専業で音楽をやるのが正解なのかっていう迷いもちょっとあったりとか。
特にコロナの影響でライブを主としてた音楽家さんたちは、ライブができなくなって収入が絶たれたとか。劇伴の作曲家も、ドラマとかも撮影が飛んじゃって仕事がなくなったりしたんですよね。
普通に会社勤めして、生活を維持した上で余白の部分で音楽ができるっていうのも、安定してるのかなって。生き方としてどっちが正しいのか、何が正解なのかって、わからないんですよね。

qbc:なるほどね。私も無名人インタビューに専念すべきなのか、本業の仕事をするべきなのかけっこう迷ってます。

ノボ:次の制作費にあてられるような予算が組めて、みたいな環境が作れたらいいなあとは、やっぱり思いますよね。

qbc:今、目標にされてる人というか、目標にしているレベルはありますか?

ノボ:特にないって言ったらおかしいんですけど、まだそういうのが、そういうところがまだちゃんと見えてないっていう。足りない部分なのか、もう自分は自分っていうふうに、自分が確立してんのかが、自分ではまだわからないんですけど。

qbc:テンションが落ちるってどんなときですか?

ノボ:制作がうまくいってなくって、孤独を感じることがけっこう多いんですよ。あー、僕はこの世界にひとりなんだなあ、って思ったりするときあります。

qbc:どんな曲を作りたいと思っていらっしゃいますか?

ノボ:日常の生活の中にある音楽です。聞くぞって決めて聞くというより、自然にそれを聞こうって流していて、聞いてるともなく流れていて、ずーっとループしてるみたいな感じの、生活に寄り添っている、共にある音楽。

ノボさんの楽曲こちら!!

qbc:ノボさんの音楽を聞いた人が、どんなふうになってもらえたらゴールなんでしょうか?

ノボ:なんかうれしいとか、なんか楽しいみたいな。ちょっと気持ちが高揚してしまうみたいな。今日一駅歩いちゃおうかみたいな。いつもはやらない無駄なことしちゃうような。そういう感情に人がなってくれるものができたら良いかなあってのは思いますね。

qbc:日常的にふっと入ってくるみたいな感じなんですかね。

ノボ:そうですね。

qbc:音楽をやめようって思ったこと、ないんですか?

ノボ:あります。

qbc:なんでやめようって思ったんですか?

ノボ:自分が作っているものがどこにも受け入れられず、誰にも求められていないんだっていう感覚に陥ることが多々あるんですけど、そうなってくると、何のためにやってるんだかがわからなくなってきたりします。
もうやめたいっていうか、離れたいってなるときはあります。結局、離れられないんですけど。

qbc:一年間歌わないとか、楽器に触らないというのもなく?

ノボ:そうですね。カッコつけた大袈裟な表現をすると、なんで音楽やってるのって質問は、なんで息してんの? って聞かれるのに近いですね。音楽をやってる理由ないし、しないと死んじゃうし、みたいな。大袈裟にカッコつけて言うと、そういう感覚に近いです。

qbc:最後に、言い残したことはありますか?

ノボ:特にはないですが、このインタビューを読んで興味持っていただいた方が、サブスクなりYoutubeで僕の曲を聴いてくれたらうれしいなって思います。

qbc:ありがとうございました!

ノボ:ありがとうございます。

あとがき

音楽やってる人たちのお悩みのひとつというか、コロナという外に出られない伝染病が流行ってしまった結果、ライブってものを至上の楽しみにしていた人たちにとっては、めちゃくちゃダメージあったみたいですね。
インタビューしてて、時々そういう、人と会えなくなってどれくらいダメージを受けたかという質問をするのですが、パーソナリティでだいぶんと傷の深い浅いがけっこう違うみたいですね。
私なんかはあんまりダメージないほうっていうかけっこううれしかったんですが(さすがに1年以上つづいてるので、なんだか物足りなさも感じてますが)、ほんとやっぱ人それぞれなんだよなあと。
人、それぞれ。
次回もお楽しみにね!

編集協力:有島緋ナさん

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