見出し画像

自分は果てしなく空っぽで虚無なものっていう感覚がある人

自分とは何者か問題という端的に言って難しい問題があって、これは何者かなんて答えはないからえんえんと考え続けるしかない、というところにその難しさもその問題を無視してもいいよっていうところがあるんですが。
まあだいたい10代20代にはそう考えるんですよね。
で30代くらいから、不思議と感じなくなっていく人が多くて、それは老化という別の病にかかるからなのかもしれません。
自分が何者か? 何者でもないんだけど。あるいは自分は、〇〇だ! と胸を張れる人は何者かであるというアイデンティティを確立している社会にいるということで、ポっっっと別の社会に行ってしまえばそのアイデンティティは崩壊してしまう。
なんだかな。なんだかね。
だから、そういう意味では人間は(正確に言えば人間の意識は)、宙ブラリンのオープンクリアスペース大空間で正しい。大きな、巨大な空虚。空っぽであることを虚しいと思うのか、それを充実や力と捉えるのかは、それはその人の感性次第でしかないと思う。
この無名人インタビューだって、人がやってこなければ、ただ現在過去未来といった骨組みが残るばかりで、中心、真ん中、この部屋の中には誰もいない。ただ。このがらんどうの空間がなければ、何ぴとも入ってくることはできないのだし。
やれやれだね!!!!!
と思う2024年4月1日10時50分に書く無名人インタビュー709回目のまえがきでした!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(無名人インタビュー主催)】

今回ご参加いただいたのは 氷室ノネさんです!

年齢:20代後半
性別:女
職業:本職は人間だ!と言いたいですが、真面目に答えるならふつうの会社員をしています


現在:変化の渦中にいる人間っていう感じですね。

toki:今、ノネさんは何をしている方ですか。

ノネ:何をしているかと聞かれると、一般的には仕事とかのことを話すと思うんですけど。そういう意味では、成人して、独立して生活している一般人という感じです。ただこの度転職をすることになりまして。今年の3月をもって今の会社を退職して、新しい会社で働き始めることになったという、ある意味、変化の渦中にいる人間っていう感じですね。

toki:転職されるんですね。今されているお仕事はどんなお仕事ですか。

ノネ:前のインタビューではまちづくり系ってざっくり言ってたんですけれど、正確には建物を建てる仕事をしていて。自分は工学部だったので、一応技術職として仕事をしていました。

toki:4月からは、どのような会社に転職されるんでしょうか。

ノネ:金融系のお仕事です。今回は、事務系総合職での募集だったので、本当に初めての仕事です。

toki:転職を控えた今の心情っていかがですかね。

ノネ:去年の11、12月くらいからなんとなく、今の仕事を一旦終えて、新しいところに行こうかなっていうのは考え始めていたんです。なので、11、12月頃の自分からすれば、行きたかった分野で、しかも興味のあった事務系に転向ができてすごく嬉しい状況なんだろうなと。ただそう思う一方で、今の会社が何もかも全部悪いっていうわけではなくって、良い部分もあったし良い人もいたりしたので。そういった良い部分も自分の意思で手放して、新しい場所に行くんだな、っていうのを考えると、何かすごく重大なことをしでかしているような気持ちもあったりだとか。変なたとえですが、自分が食べるために命をひとつ殺しているような感覚というか。
それと、今の仕事がなにもかも悪くて、転職すれば全部の悩みが解決するんだっていうことはないと思っているし、新しい仕事でもやっぱり、良い部分はありつつきっと大変なこととかもあると思うから、未来は何が起こるかわからないよなって。そういう葛藤を持ちながら、毎日過ごしてるっていう感じですかね。

toki:なるほど。今持っているネガティブな気持ちとポジティブな気持ちの比率を、何対何みたいに表現するとしたら、どんな感じですか?

ノネ:表現できないっていうのが正直な気持ちで。どの気持ちもネガティブにもポジティブにも分類できない気がします。
今の自分は「転職するのがいいのかな」って考えているけれど、将来「やっぱり前の会社もいいところがあったんだな」とか、あるいは「転職してやっぱりよかったな」とか、どう感じるかはわからない。
でも、この転職がどういう結果であったとしても、あのときの私がたくさん考えてこれがいいと思って選んだ道だったとしたら、別にどんな結果でもいいんじゃないかなっていう気持ちもあったりして。そういう意味で、ポジティブでもネガティブでもない、分類できない気持ちがたくさんあるっていう感じですかね。

toki:そうなんですね。最近の1日の過ごし方についてお伺いしたいんですけれども、大体の1日の流れみたいなものがあれば、教えてください。

ノネ:前回のインタビューは休職してたこともあって、自分の好きに構築できる生活って感じだったんですけど、今は仕事をしているので、割と一般的な社会人の生活に近くて。

朝はいつも、大体6時から6時20分に起きるんですけど、起きたらまず朝ご飯のおにぎりを作って、あと一応一分だけプランクをしようって決めてるので筋トレをして。その後パソコンつけて、YouTubeで音楽を流しながら、着替えて、歯磨きをして、軽くお化粧して。それで、毎日朝に日記を書いてるんですけれど、長くて20分、短くて10分とか、会社に行くまでの時間で日記を書きたいだけ書いて。

そこから電車に乗って。今、会社まで2駅分くらい歩いてるんですよ。だから、電車降りたら大体20分から25分くらい歩いて会社に行って、そこからは一般的な社会人っていう感じで。

で、大体17時半とか18時には会社を出て。帰りも2駅分歩いてます。家に帰ったら、まずすぐお風呂に入って、そこから晩ご飯を作ったり、最近まで新しい家探しとかしてたので、そっちでいろいろ動いたり、あと転職活動してるときは企業研究とか面接準備をしたりして。ご飯を食べた後は大抵こたつで眠くなっちゃうんで寝落ちして、気がついたらベッドに寝ていて、また次の日っていう感じですかね。

toki:1日のどの時間が一番好きですか?

ノネ:朝日記を書いてる時間はすごく大事です。

toki:前回のインタビューでも、モーニングページのお話、してくださっていましたよね。

ノネ:そうですね。それを今でも続けてて。全然整ってなくても、人に見せなくてもよくて、何を書いてもいいっていう時間が、本当にすごく自由というか楽しい時間ですね。最近時間があんまり取れなくはあるんですけど、すごく大事にしたいなって思ってます。
あとは、ご飯を食べながら音楽を聴いてる時間とか。最近はBUCK-TICKとかを聴いているんですけど、転職活動中も音楽を聴いて乗り切ってた感じですね。

toki:モーニングページの方は、例えばどんなことを書かれているんでしょう?

ノネ:最近だと、大抵書くのは朝なので、まず「おはよう」から始まるんですけど。でも本当に、そのときの気分によって変わります。
「今日も寒いねぇ」「確かな明日がわからない」「ねむいーー」「昨日のお菓子おいしかった」「どうやって生きていきたい?」「わたしがわたしであること」とか徒然と書いていたり。あと「未来がどうなるかわからないけど行くべき場所に行けたらいいな」みたいな、こんな風に未来がなっていったらいいねって思ったことを書いてたりとか。
そのとき思いついた言葉を、ただただ書き続けてるっていう感じですかね。

toki:あと、音楽を聴きながらご飯を食べるというお話だったんですけど、それは例えばテレビや動画ではなく、音楽であることに、何か意味はあるんですか。

ノネ:あ、でもライブ映像を流してるから、ある意味動画を観てるって感じなのかな。
去年の10月くらいに、BUCK-TICKってバンドのボーカルの櫻井敦司さんという方が亡くなったっていうニュースがあって。実はそのニュースが流れるまで(BUCK-TICKを)よく知らなかったんです。でもその櫻井さんって方が群馬県の藤岡市の出身で、私自身群馬の出身で、藤岡市は父の出身地でおばあちゃんの家があったのでよく行っていて、そんな地元の人だったんだって思って調べてみたら、すごくかっこよくてですね。櫻井さんが。亡くなったっていう報道がきっかけでBUCK-TICKが好きになってしまった。
だから、新規のファンではあるんですけれど、以来この人たちどういう音楽を作ってきたのかなっていうのがすごく気になって。Youtubeにたくさん上がってるライブ映像を見たりだとか、これもたまにYoutubeでやってるライブ配信を見たりとかして楽しんでいますね。

toki:BUCK-TICKのどんなところが魅力ですか?

ノネ:まず、櫻井さんがとにかくすごく美しい。57歳とかなんですけど、なんでこんなにかっこいいんだろうって。若い時からとてもかっこいい方なんですが、57歳最新のビジュアルが一番好きかもしれない。ある意味、きっかけは見た目のインパクトっていうところはあったかもしれないんですけれど。
曲としても、うまく言えないんですけど、結構わからない部分が多いんですよ。理解を超えてくるというか、想像の斜め上をいく曲が多くて。なので「一体何を考えてこれを作ったんだろう」って思わせるものがあったり。あと櫻井さんが主に作詞をしてるんですけれど、結構わけがわからないメロディーなのに歌詞が案外率直で難解な言葉は使わないところとか。
ビジュアル的な面でも、櫻井さんがちょっとドキッとするような露出のある衣装を着ていらっしゃったり、ボーカル以外の方も髪型やメイクや衣装をこだわっていて、すごく世界観があるなって。

これまでは洋楽を聴くことが多くて、日本の曲はご無沙汰だったんですけど、私が知らないだけで世界にはこんなに面白いものがあるんだなって。すごく大げさなんですけど、こんなに面白くて素晴らしいものがあるなら、まだ世界に絶望できないなって。本当にそう思うくらい、この世界に希望を見出さずにいられないなって感覚が生まれて。ただただかっこいい、好きとかだけじゃなくて、生きている実感と繋がった感じがするのが、自分にとっては大事なことだったのかなって思います

toki:そうなんですね。BUCK-TICKというバンド、今初めて知ったので、私も聴いてみようと思いました。

ノネ:ぜひぜひ。

toki:最近、お仕事のことでも、お仕事以外でも良いんですけれども。時間を使いたいなと思うこと、熱中したり、夢中になっていることは何かありますか?

ノネ:歩くことがすごく好きで。そんな話も前回したかもしれないんですけど。

toki:そうですね。お話しされてました。

ノネ:去年の8月くらいに、少し交通の便のいいところに引っ越したんです。
電車に乗らなくても、頑張って歩けば大きい街に行ける場所に引っ越したのもあって、歩いていけばどこへでも面白い場所に辿り着けるような感覚があって。
歩いているうちに街中でいろいろ面白いものを発見するのも楽しいですし、無心になって歩いてるうちに、空想が働いたり、ずっと考えてたことが整理できたりしたときも楽しいですし、あとは、ちょっと危ないんですけど、夜に散歩するとその後すごい気持ちよく寝られたりとか。
歩くって行為を、今なんとか言葉にしたんですけど、言葉にできない以上の、なにか素敵なものがあるような気がして。私にとって歩くっていうのは、魂を整えるみたいな意味があるのかなって感じてますね。

toki:なるほど。ノネさんにとって、自転車で移動することと、歩くこととの違いはなんですか?

ノネ:荷物があるかどうかでしょうか。
引っ越しを何度かして感じたのが、自分は重たくて大きいものを所有していることにストレスを感じるんだなということで。物の管理が苦手だからこそ、大きくて重いものを持ってるとプレッシャーを感じちゃうところがあって。
自転車を漕ぐのも楽しいんですけれど、やっぱり荷物になっちゃうところがあって。例えば、お店に入ろうにも自転車どこに止めればいいかなとか、坂道は歩くよりも大変だったりとか、雨が降ったらどうしようってソワソワするとか、疲れて電車で帰りたいときに自転車じゃ乗れないなとか。いちいち煩わしいところがあって。
散歩なら本当に身一つだからこそ、どこへでも行けるし、どこへでも入れるし、天気が怪しい日は折り畳み傘を持っていけば雨が降った時傘をさせばいいし、疲れたら電車にも乗れるし。身一つっていう感じがするのが、歩くのはいいのかなって思いますね。

過去:その頃よく日記に書いていたのが「わからない」って。「わからない」ってすごく感じていたんです。

toki:前回インタビューを受けていただいたのが、2022年の12月頃でしたね。今回は2回目のインタビューなので、前回から今日に至るまでの過去についてお伺いしていこうと思います。
さて、何からお聞きしましょうかね。

ノネ:そうですね、前回インタビューを受けた頃(2022年12月)はまだ休職中で、2023年の1月末に復職して、そこから今まで同じ場所で働いてきたんですけれど、最終的には今年度をもって退職という形になりまして。

結局この会社を離れることになるので、どうせ辞めるのなら復職に意味がなかったんじゃないかって思われるかもしれないんですけど、自分としては全然そんなことはないと思ってて。復職してからの1年2ヶ月の経験は、自分にとってかけがえのない、すごく大事なものになったなっていうのを感じています。

復職後は、復職前とは違う部署に行ったんです。そこは、前から行きたいと言ってた部署でもあり、あと私みたいに一回体調崩した人とか、わりかし復職者が多い部署だったんですけれども。
休職する前は、忙しすぎるゆえに指導してもらえない、然るべき経験ができない部署にいました。それで始まる前から崩れちゃってたみたいな。何も始まらずに体調崩しちゃったっていう感覚があったので、何も始まる前に辞めちゃうのは何か違うと思っていて。新しい部署で仕事を経験してみて、その上で今後どうしていくか考えていこうって思っていたんです。

そういう意味で、新しい部署では主担当として色々経験させてもらえたり、前の部署よりもワークライフバランスを保ちやすいので先輩から教えてもらいやすい余裕もあって、あんまり無理はなく、でもちゃんと仕事をするという経験は積ませてもらいつつという感じではありました。
でも一方で、その頃よく日記に書いていたのが「わからない」って。「わからない」ってすごく感じていたんです。どうやって頑張っていけばいいかもわからないし、自分がまだまだ未熟で一人前じゃないってことはわかってるんだけど、どうすれば未熟じゃなくなるかがわからない。一回日記にも「私には仕事というものが皆目わからなかった」って書いてたんです。そういう感じで、何かが全然わかんなかったんですよね。
それを言うと人から「何がわからないの」「じゃあ何が苦しいの」って聞かれると思うんですけど、これがすごく言語化が難しくて、強烈に何かが「わからない」。感覚的には何だろう、どっちが前で、どっちが後ろで、どっちが上かわからないというか。何が近くにあって何が遠くにあるのか、遠近感がわからなくなっちゃって。

もう少し具体的にいうならば、仕事ができるようになっていくには、どんな勉強をしていけばいいのか、どういう知識があれば一人前と言えるのかっていうのがわからなくて。資格勉強とかしてみようにも、資格の内容と実務の内容と、全部がぴったり一致するわけではないんですよ。資格の知識が5年後10年後の基礎にはなると思うんですけれど、明日からの実務にすぐに役立つかというとそうではない。そういう意味で、日頃の仕事をしている中でも、自分がわかっているのかがわからない、どうすればわかるようになるのかわからないっていう感覚がどうしても解消できなくって。

すごく役に立ちたいしできるようになりたいのに、やり方がわからなくて。わからない上に、「意欲を持たないと」「頑張らないと」って思ってるのに、頑張り方がわからないから無気力になってしまう感覚があって。

今思うと、その「わからない」って、根っこには「興味がない」があるのかなっていうのもちょっと感じてて。あんまり興味が持てないからこそ、「これができるようになりたい」とか、「できるようになるために行動したい」とか、そういう気持ちを持てていなかったのかな、と今は思うんですけど。
そういう、興味が持てないゆえの見通しの立てられなさが、強烈なわからなさとか、頑張れなさに繋がったのかなって。

あまりにもわからない、そのわからなさを解消する方法もわからない、わからないと伝える方法もわからないっていうのが、どうしても私にはつらくて。それで、10年後もわたしは本当にここにいられるのかなって働きながら感じていて。

ただ、わからない、見通しが立てられないと思いつつも、人間関係は穏やかで残業もそんなになくて、「とりあえず今日はハッピーに過ごせてる」みたいな感覚があったんです。なので、先のことは考えずにとりあえず過ごせるだけ過ごして、本当にどうしようもなくなったときに、転職するかどうするかを考えようって思いながら過ごしてたんです。

でもやっぱり、10、11、12月あたりで、仕事をやるにも、なかなかうまくいかないなっていう感覚があって。「わからない」っていうのはぼんやりした感覚だったんですけど、「仕事がうまくできない」っていう感覚は、確実にマイナスのネガティブな感情で。そういうネガティブな、うまくできないって落ち込んじゃう感情を感じる機会が10、11月あたりからちょっとずつ増えてきて。
今思うと、これが「とりあえず過ごせるだけ過ごしてどうしようもなくなった時にどうするか考える」の、どうするか考える期間に差し掛かったタイミングだったんだと思います。
それで、12月ごろ、やっぱりここで転職に挑戦しようかな、一旦今年度の3月でやめようかなっていうのを考えるようになりました。

12月は、本当にやめていいのかなっていうのを考えるための時間で、わりかしのんびり気楽に過ごしてました。辞めるって決めて、肩の荷が降りちゃった部分もあって。
今の会社だからこそ守ってもらっていた部分を本当に捨てちゃっていいのかなとか、本当に頑張れないのかなとか、いろいろ考えるための時間が12月で。
でも最終的に、やっぱり何かが1つの終わりに向かっている感覚があって、やっぱりこの仕事辞めようって決めて。最初は、3月で一旦仕事を辞めて、半年くらいのんびりしつつ何か資格を取って、2024年の9月くらいから転職活動しようかなくらいのスケジュール感だったんです。
でも、今年の1月初めに、気まぐれに転職エージェントさんの面接を入れてみたら、なし崩しに転職モードになってしまって。エージェントさんも急かすことが仕事でもあるので、それに乗せられたというか、まあ自分の意思で転職したので別に後悔してるわけではないんですが。でも、空白期間を作らない方が転職には有利かもしれないし、なるべくスムーズに退職して次のところは決まってた方がいいかなって思ったので、そこで転職活動を始めて。
1月は転職活動と仕事を両立して、2月くらいから徐々に結果が出始めて。結果が出るっていうことはつまり、この会社を辞めるっていうのがすごく現実的になってきて。それで、実際に退職の意を伝えたりとか、新しい会社での準備とかが始まって、で今に至るという感じですかね。

toki:なるほど。ありがとうございます。
12月は、会社を辞めるかどうか、考える時期だったとおっしゃっていましたが、最終的に辞める方へ背中を押したものって何だったんですか?

ノネ:それも結構言語化できない部分ではあるんですけど。言葉にするならば、本当はもう続けていくだけの気力が残ってないのに、それを水で薄めて何とか引き伸ばしながら働いてるなみたいな感覚があって。そういう意味で、私がここにいるだけの気力はもうないのかな、何かが終わろうとしているなって感じた部分があったんです。
あとは、復職したそのときからずっと「わからなさ」があって、将来どうすればいいか、どうなるのかがわからないって思いながら働いていた中で、1年かけて12月に出した結論が「やめよう」に自然に落ち着いた、っていう感覚が一番大きいですね。これが背中を押した、というものがあるというよりかは、迷い続けた結果「やめる」っていうところに落ち着いたっていう感覚が大きいです。

toki:そうなんですね。少し時系列が前後するんですが、復職のタイミングが2023年の1月だったことに何か理由はあるんでしょうか?

ノネ:元々、とりあえず休職期間を3ヶ月にしようかっていうのはお医者さんと話してて。なので3ヶ月のんびりする気満々みたいな感じだったんです。それで、休職3ヶ月目の12月半ばあたりから、主治医の先生に「3ヶ月で復職したいです」って話をしてたんですけど、結構その先生が復職していいかを厳し目にしっかり見る人だったので、「仕事をしてるのと同じレベルで、1日8時間活動できるようになってから復職しましょうね」って言われてて。そのトレーニング期間が割と長引いたこともあって、もう少し早めに復職する予定だったんですけど、1月末になったっていう感じですかね。

toki:では、復職してから今日までの1年2ヶ月の中で、一番印象に残っていることってなんですか? 仕事のことでも、仕事以外のことでも構わないんですけれども。

ノネ:やっぱり10月から11月あたりの、仕事があんまりうまくできないなって思い始めた時期のことがまず思い浮かびました。
この会社入ったのは私より前だけど、この部署の仕事をするのは初めてみたいな、先輩だけど後輩みたいな立場の方が来たことがあって。私より五つくらい先輩ではあるんですけど、その人に業務を教えてあげてって言われてたけど、うまく教えられなかったこととか。あとは仕事でわりかしはっきりと「前も言ったよね」とか、「結構前からいるのに何でできないの」みたいなことを1回言われてしまったことがあって。そういうちょっとした「うまく仕事ができないな」って出来事が、具体的に退職へ向かっていく最後のひと押しって言えばいいのかな、コップの水を溢れさせた最後の一滴というか、そうなったところはあるので印象深いですね。

あと、これはいい思い出なんですけど。4月から8月くらいまで、同じく復職してきた人と一緒に仕事をした期間があって。その人は元々この部署にいて、別の部署に異動した先で休職されて、復職に際してまたこの部署に戻ってきたっていう人だったんですけれど、その人にいろいろ教えてもらいながら二人三脚で仕事をした期間は、私にとってすごく安心できる時間だったなって今思い出しました。なんか、すごく可愛がってもらっているなっていうのを感じてて。
それこそ、働きながらいつも「将来がわからない」「この仕事続けていいのかな」っていうのは考えていたんですけど、その復職経験者の方から「転職とか考えないの」ってあっさり言われたことがあって。そういう一言でちょっと気が楽になった部分もありました。その方は8月に異動されて、今異動先で生き生き働いているって聞いてるんですけれど、退職に際して「あのときは本当にありがとうございました」って感謝を伝えたいとなって今すごく思いました。
(追記:退職前にメールではありますがお礼の言葉を伝えられました!「あなたなら頭がいいからどこでもやっていけると思うので自信を持ってほしい、何かあったらいつでも相談のるから」「自分の復職後のリハビリにも付き合ってくれてありがとう」とのメッセージを頂いて嬉しかったです。)

toki:ありがとうございます。
転職のことについてお聞きしたいんですけれども、例えばどういう業界がいいとか、どういう仕事がいいとか、どういう考えで転職活動をされていましたか?

ノネ:私は工学部の出身なので、技術系の職種に今はいるんですけど、大学時代の研究は楽しかったけど実務での技術とかものづくりにあんまり興味が持ててないなって感じてて。似たような仕事をするんだったらまた興味が持てなくてつらくなっちゃうので、職種を変えるための転職という感じでした。
なので、軸としては事務系総合職か、あるいは割と数字を扱うことが好きなので、経理の仕事がしたいと言っていて、その辺りでその転職活動をしてましたね。業界は特にこだわらなかったというか、業界でこだわってたら全然書類通過しませんよみたいなことをエージェントさんに言われたこともあって、業界っていうよりかは職種にこだわった感じですね。

toki:ちなみに、元々は3月に退職してから半年くらいのんびりして、9月から転職活動する予定だったというお話でしたよね。
もしも転職活動をせずにそのスケジュールでいったとしたら、最初の半年間ってどのように過ごすご予定だったんですか?

ノネ:今1人暮らししてる家を引き払って実家に戻って、貯金を切り崩しつつ、例えば簿記とか、あんまり実務に関わらないかもなんですけどFPとか、そういうちょっと興味のある資格を取ったり。
あと、去年の10、11月くらいに実家に猫が来まして。野良猫だった子を保護したんですけど、まあこの子がめちゃくちゃ可愛くて。なので猫と遊びつつ、資格勉強をしつつ、「時間あったら旅行行こうよ」とかお父さんに言われてたので、お父さんと旅行に行きつつ、半年くらいのんびりして、9月10月から転職活動っていうのが最初のスケジュールでしたね。

未来:この世界を生きていくことの「すばらしいすごさ」に気づいていきたいし、「すばらしいすごさ」を知ることが自分にとっての喜びだと思ってます。

toki:最後に、未来についてお伺いしていきます。自分の1年後、2年後、5年後、10年後、何年後でも構いません。自分の未来について、どんなイメージが思い浮かびますか。

ノネ:まずは今の仕事が「皆目わからなかった」って話をさっきしたと思うんですけど、新しい仕事では、自分なりにやっていけるなとか、頑張り方がわかるなっていう感覚が持てていたらいいなと思っています。今の仕事は、わからないゆえにすごく不安な状態で働いてた感覚があるので、「安心して続けていける」っていう感覚を持ちながら働けていけたらいいなっていうのがまず一つと。

あとは転職活動のとき、そもそもどの会社に行こうとか、そもそも転職しようかって迷ったときは、「10年後もBUCK-TICKを聴いてヘラヘラ笑っていられたらいいな」っていうのが結構大事な一つの判断基準になってたりしたんです。なりたい自分になれなくても、うまくできないことがあっても、音楽も美味しい食べ物もちゃんとそこにある。そう思うと、どういう失敗をしても大丈夫なんじゃないかって思えたことが結構支えになっていた部分があって。

まとまらないんですけど、将来こうなったらいいなって思うのは、まずは安心して働いていたいなっていうこと。あと楽しく音楽を聴いてニコニコしていられたらもうそれでいいんじゃないかっていうことですね。

toki:なるほど。「安心して働いている状態」をもう少し詳しく言語化するとしたら、どういう状態と言えそうですか?

ノネ:今の仕事に「なんだか何かかがわからない」という感じではなくて、わたしはこれをやっていこうと前向きに思えるような、セルフコントロール感のある状態というか。でもそんな都合のいいものはないかもしれないし、心の持ちようが大きい部分ではあると思うんですけれど。

ちょっと話がずれちゃうかもしれないんですけど、今の仕事をやめようって思ってからすごく吹っ切れた部分があって。辞めると決めてから仕事が順調になってしまった部分があったんですよね。
今までは「辞めないようにしなきゃ」「頑張らなきゃ」とか、「間違えてはいけない」「こうでなければいけない」っていう気持ちが強いせいで、固くなりすぎて適当な判断ができなかったり、ちょっとでもうまくできないとすごく自分を責めたりしていたところがあったんです。でも「どうせやめるし」って、ちょっと無責任な感覚が生まれたことで、「全部がわかるわけないしいつでも100点満点取れるわけがないから、今自分ができるだけの手は尽くしておこう」って積極的な気持ちになって。100点は取れなくっても、今できる限りのことはやろうって思えたことが、仕事においての意欲だとか、安心感に繋がったりした部分があって。

なので、新しい仕事でも「いつでも良い選択はできないし、未熟ゆえに失敗しちゃうっていうこともあるかもしれないけど、それでも未熟な自分なりに手は尽くし続けよう」って思えるような、前向きな安心感みたいなものを持てていたらいいなっていうのは思いますね。

toki:なるほど。ありがとうございます。
では、仕事以外の領域に関して、これからやってみたいことだったり、挑戦してみたいことって何かありますか?

ノネ:具体的なことを言うと、もっと本を読んで映画を観たいって言うのがあって。
本は、最近だと批評や詩を書いている若松英輔さんとか、高野秀行さんっていう、あらゆる世界の辺境に行く人とか。そういった方の本がすごく好きで。活字を読むのが遅いので、すごくゆっくりではあるんですけれど、そういった本を読んで本の世界を冒険したり、いろんな生き方をしてる人がいるんだなっていうのを知ったりすることはすごく楽しいですね。音楽を聴いて感じるような「世界にはまだまだこんなに面白いものがあるんだな」っていう大きな感覚を、本を読むことでも感じられて。そういう「この世界には私がまだまだ知らないだけで、素敵なもの、例えようもなく素晴らしいものってたくさんあるんだな」っていうのを感じられるようなものにどんどん出会っていきたいなっていうのがまず一つ。
そういう意味だと映画とかも、例えばTwitterとかで「この映画面白い」とか誰かが呟いてるのを見たりすると、私がまだまだ観きれていないだけで、この世界には素晴らしい作品がたくさんあるんだなって感じるので。そういうものとたくさん出会っていきたいですね。

それ以外にも、この1年仕事をちゃんと経験できたり、人と触れ合うことが多かったりして、自分で当然だと思ってた価値観が当然じゃなかったんだ、とか、「こうじゃなきゃ駄目だ」って思ってたものが実は意外とそうでもなくって、「これじゃなきゃ駄目」っていう方法以外にも、ありとあらゆる生き方とか方法とか裏技とかがあるんだなっていうのを感じることがあって。なので逆に、今は興味のアンテナが向いていないもの、自分には縁がないなって思っているもの、例えばドライブとか、山登りとか、そういうものに思いがけず出会って面白いことが起きることもあるのかなって思ってます。

うまく言えないんですけど、自分が今想像できる以上のものに出会って、世界にはまだまだ素敵なものとか素晴らしいものがあって、思いもよらない生き方をしている人がいるんだなっていうのを、もっと知っていきたいって思いますね。

toki:そうなんですね。ありがとうございます。
ちなみに、知っていきたいという気持ちについて、例えば知ることで知識を増やしたいとか、参考にしたいとか、それともただただ見てみたいだけだとか、知りたいと思う源って何なんでしょう。なぜ知りたいと思うのか、という質問なんですけれども。

ノネ:それでいうと、手段として何かを知りたいっていうよりかは、知ることそのものが生きていく喜びだと感じるので、そういう意味で知りたい、気づきたいですね。
谷川俊太郎の『若者たちの悲歌』という詩の中に「ぼくはでも歌うんだ 生きていることのすばらしいすごさを」っていう一文があるんですけど、「生きていることのすばらしいすごさ」っていう一節が私はすごく好きで。この世界を生きていくことの「すばらしいすごさ」に気づいていきたいし、「すばらしいすごさ」を知ることが自分にとっての喜びだなと思ってます。
自分にとっては、知っていくことそのものが生きることとイコールになっているという感覚がありますね。

toki:ありがとうございます。
前回のインタビューで、ノネさんが「何かに熱中している自分になりたい」ということをおっしゃっていたんですよね。
それについて、今はどう考えていらっしゃいますか?

ノネ:熱中したいとは特に思っていなくて。というのも、あのときは「熱中してるものがある人はかっこいい。そうじゃない自分はだめだ」みたいに、物事を二つに分けて、こっちはいいけどこっちはだめ、みたいに考えることが多かったんです。
でも、今は別にそういうものでもないんじゃないかなって思っていて。そっか、昔そんなこと言ってたんだなあって、今すごく懐かしく感じますね。
今は、熱中してるかどうかって、別に大事じゃないというか、本当にどっちでもいいんじゃないって思っちゃいます。過去の自分には「一つを深く掘り下げるっていうよりかは、どちらかというと空に浮かんでいろんなものをあれこれ見た上で、あれとこれは繋がってるなあって考える方が、あなたは好きなんじゃない?」って、言いたいですね。

toki:そうなんですね。今のお話だったり、転職のお話を聞いていると、ノネさんがこの1年間で「こうでなければいけない」みたいなものからすごく解放されているなという印象を受けたんですけれども、どうしてそうなったのだと思いますか?

ノネ:これは……、有難いことに優しい人とちゃんと出会ったこととか、果てしなく自分が仕事が出来なかったこととかが関わっていると思っていて。

前回のインタビューの時には、さっきの「熱中している人はいい、そうじゃない人はだめ」みたいな感じで、「仕事で成果を上げないといけない、そうじゃない場合はだめ」「だから成績の悪い自分はだめな人間だ」って感覚があって。成果を上げないと会社にいる意味がない、くらいに感じていたにも関わらず、私はものすごく仕事ができなかったんですよね。自分としても、ちゃんとしなきゃいけないのにちゃんとできない、頑張り方もわからない、それで人に迷惑をかけてるんじゃないかって、すごく苦しい状態ではあったんですけれど。

でも、仕事ができないからって即座に自分の場所がなくなるのか、殺されるのかって言ったら全然そんなことはなくって。私の仕事の出来なさに対して、もちろん呆れる人とか怒ってくる人とかもいるんですけれど、逆に呆れながらも嫌味や悪口を言わない人はたくさんいたし、私がうまくできないのは経験もないからそりゃ当たり前でしょって優しく教えてくれる人がいたり。相手がどれだけ仕事ができないかに関わらず、全然態度が変わらない人がいたりとか、頼りない私を見て、可愛がって世話を焼いてくれる人とかもいたりして。
そういう意味で、すごく単純なことだけど、いろんな人がいるんだなっていうのを実感としてようやく気づくことができたのかなって。

仕事ができなかった自分は生きてる価値がない、イコール殺されて当然だとか、世界はそんな単純じゃなくって。みんないろんな長所があったり短所があったり、抱えてるものがあったり、バックボーンがあったりとかすると思うんですけど、いろんな悲しみとかを抱えながらも、その人なりのやり方でその人に合った形で社会に納まっていくというか、社会で生きていくのかなって。
いろんな生き方があってもいいのかなっていうのは、いろんな人の優しさとか、いろんな人との関わりから感じられたのかなと。それが自分の中の「こうでないとダメ」を手放すきっかけになったのかなって思います。

toki:なるほど。ありがとうございます。
今回も「もしもの未来」について質問をしたいなと思うんですけれども。もしも転職した先でも、今まで抱えていた「わからなさ」がずっと消えなかったとしたら、どうしますか?

ノネ:そうですよね。そういう未来も全然あると思っています。
これは転職活動中にも考えていたのですが、新しい仕事でも大変な面とか嫌な面ってあると思うから、それこそ「転職したけどやっぱり仕事は皆目わからないままだな」ってことも起こるかもしれないから、今の仕事が嫌で辞めるっていうマインドになると、次の仕事でも嫌な部分を見つけて、また辞めたくなってしまうかもしれないなっていうのがあって。
だから、今の仕事のつらい部分とか嫌な部分と向き合って、どう対処していこうかっていうのを考えて、その嫌な部分とうまく付き合っていけるようになった時、つまり「別にこの仕事続けてもいいし、新しい場所に行ってみてもいいし、どうやっても生きていけるみたいだな」って思えた時が転職のときなのかなって感じてたんです。なので今回の転職も、今の仕事が嫌だからというよりかは、新しい場所へ行ってみたいからっていう気持ちで辞める決断をしました。

もしも新しい仕事でも、やっぱりさっぱりわからないとか、結局あんまり上手くできないとかになったとしたら、やめるんじゃなくって、わからなくてうまくできない仕事、うまくやれない自分とどうやって付き合っていこうかなっていうのを、自分のテーマとしたいです。次の会社ではちょっと長めに勤めてみたいなって考えてるんですよね。今回の転職では自分で環境を変えるという経験をしたので、今度は長くその場にいるっていう経験したい、というか練習をしたいですね。

toki:ちなみに、前回のインタビューでは「今の会社で10年は働きたい」とおっしゃっていました。

ノネ:その10年が3年になりましたね。
あの頃は10年経てば何かが見えるかなって思っていたんです。
今3年経って「見えました」って胸を張って言えるわけではないんですけど。でも、「別の場所へ行く」っていう一つのところにたどり着いたっていう感じですかね、思ったより早く。
ただ、私が3年で辞めなかったとしたら、今と全く違う結果に10年後の結論に達しているかもしれないですよね。そういう意味で、何も正解はないとも言えますし、どっちを選んでもいいんじゃないかなという感じはします。

toki:では、最後から2番目の質問になるんですけど、ノネさんは今の自分について、どういう人間だなというふうに思いますか。

ノネ:ああ、そうなんですよね。前回のインタビューの時、「自分が何者か知りたい」「本当の自分が知りたい」っていう感覚があったなって思うんですけど。今は、自分ってすごい大きな空洞だなって感じることが多くて。
うまく言えないんですけど、自分っていうのは正体がないというか、がらんどうというか、そういう感覚が強くて。自分の正体って、魂と環境とタイミングが合わさった一瞬の火花みたいだなって思ってるんです。火花だからすぐ消えちゃうしその瞬間その瞬間で姿も変わるというか。
いや、なんだろう、自分はどんな人に見えるかですよね。

やっぱり自分は果てしなく空っぽで虚無なものっていう感覚があります。もう少し一般的に見たら、例えば一緒に仕事してる人や友達から見たら、私は、昔よりは穏やかで、でも真面目で、人に対してはまあまあにこやかに優しく接する人に表面的には見えてるんじゃないかなって思うんですけど。じゃあもう少し深いところで、本当の自分とはそもそも何か、自分の芯とは何かを答えるとすると、わからないというか、果てしないブラックホールというか、宇宙というか。
うまい言葉が見つからないんですけど、果てしなく広大のような、それでいて何にもないような、言葉にできないものな気がしますね。すみません、うまく言えなくて。

toki:いえいえ。ありがとうございます。
最後の質問は「最後に言い残したものは」というものになるんですけれども。今回のインタビューを振り返っての感想でも、この世に残したい言葉でも、読者の方へのメッセージでも、本当にどんなことでも構いません。最後に言い残したことがあればお伺いします。

ノネ:これといって言い残したことはないです。あと、好きな音楽とか好きな作家さんのことをお話しさせていただけて楽しかったです。
(追記:またtokiさん(インタビュアーさん)とお話できて嬉しかったです!この春から就職されるとのことで、もし就職を機にインタビュアーから卒業される場合は最後にご挨拶できる機会かもしれないなと思って、このタイミングで再度申し込みさせていただきました。お話聞いてくれてありがとうございました!)

toki:ありがとうございます。これでインタビュー、終わりになりますが大丈夫でしょうか?

ノネ:はい、大丈夫です。

toki:わかりました。では、インタビューを終わりにさせていただきたいと思います。

ノネ:ありがとうございました。

toki:ありがとうございました!

あとがき

1年2ヶ月ぶりに2回目のインタビューを受けてくださったノネさん。同じ方に複数回のインタビューを実施することは、私にとっては初めての経験でした。

2回目のインタビューは、好きな物語の続編が発表されたかのようなわくわく感がありました。なんといっても、その人が遂げた変化を知れるのはもちろん、月日が経っても変わらずに残り続ける芯の部分を感じることができるのが、“ならでは”だなと思います。

私からみて、今回のノネさんは前回のインタビュー時と比較して、あらゆるしがらみから解放されて、より生きることへの喜びを噛み締めている印象を抱きました。これが、最も変化したなと感じた点です。
一方で、変わっていないなと思ったところは、言葉の紡ぎ方。ノネさんはまるで、テグスに小さなビーズを一つ一つ通していくかのように、穏やかに、丁寧に、自分の言葉で話をされます。言葉を“紡ぐ”という表現がとてもしっくりくる方です。1日のスケジュールについて、ノネさんが実際に生活している様子が思い浮かぶくらいに詳しく教えてくださるところも「ああ、ノネさんだ」と思い、なんだか嬉しい気持ちになりました。

たった2回、それぞれ1時間しかお話ししていないのに、そのわずかな時間の中で、相手の変化を知って嬉しくなったり、変わらない部分を感じて温かい気持ちになったりすることができるなんて、不思議なものです。たまたま出会った人の人生を追いかける、という貴重な体験をさせていただきました。

そして、1年2ヶ月ぶりにインタビューをした、ということはすなわち、その期間私がインタビュアーをやめなかったということでもあるのだな、とふと思いました。感慨深いものがあります。

ノネさんには、また何年後かにぜひ、無名人インタビューの存在をふと思い出していただけたら嬉しく思います。
また、これを読んでいただいている方にも、今の自分の記録として、「あの時、自分ってこんなことを考えていたんだな」と振り返るためのツールとして、無名人インタビューをおすすめしたいです。今、この瞬間の自分にしか語れないことがきっとあるはずなので。

最後までお読みいただきありがとうございました。
次回の無名人インタビューもどうぞお楽しみに。

【インタビュー・編集・あとがき:toki】

#無名人インタビュー #インタビュー #20代 #転職

マガジンで過去インタビューも読めますよ!

インタビュー参加募集!


いただいたサポートは無名人インタビューの活動に使用します!!