魔法の言葉
あれは確か俺が小学4年の時だっけかな?当時の担任が国語の授業中に、何か意味深なことを言っていたのを今でも覚えている。
担任「皆、成長すればするほど困難に直面することが多くなる。そこで皆に困った時に使える魔法の言葉を伝授したいと思う。」
生徒「えー、なんなんすか!?その困った時に使える魔法の言葉っていうのは!」
担任「まぁまぁ、落ち着いて聞くんだ。その魔法の言葉っていうのは”サルゥポ”っていうんだよ。3回唱えるといい。」
生徒「”サルゥポ”ってどんな意味なんですか?」
担任「いい質問だ。これは先祖代々伝わる元気をくれる言葉でね。だけど、この言葉は無闇に使ってはいけなくて、本当に不幸な目に遭った時にしか唱えてはいけないから注意するんだよ。いいね?」
生徒「へー。何だかよくわからないけど怖そうな言葉ですね。」
担任「そんなことはないよ。正しく使えば困った時に助けてくれるいいお供だから安心して」
あれから15年、俺は成人してもう働いている。ある日、小学生時代の友人から不在着信が来た。メッセージはこうだった。
友人「さ、サルゥポをと、唱えるとの、呪われる…ぎゃあいいいい!!!!!」…プツっと切れた。
意味が分からない。だが友人が何か大変なことに巻き込まれているのは確かだ。興味本位で”サルゥポ”を3回唱えようとした。
いや待てよ?確か小4の時の担任が不幸な目にあった時にしか使ってはならないと警告してたよな。それはお構いなく、3回唱えてみた。
すると頭の中に何か別の人が話しかけてくるのであった。何だか嫌だなぁと思いつつ寝ようとしたら、急に頭痛がし出してきた。
あまりの痛さに俺は耐えられなくなり、走り出して窓ガラスに突っ込んで飛び降りてしまったのであった。
~The End~
担当:とろろ魔人
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