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短編小説「初恋」

放課後、下駄箱で一輪の薔薇を隠して待ち伏せしていた。今日こそ初恋のあの人に告白するんだ。

俺の名前は橋田寛太。ハシカンと呼ばれイジられている。容姿は気味の悪いデブおじだが、心は綺麗なのだ。だから告白に踏み切ったわけだ。

カツカツカツ…

来た!俺の初恋相手の間宮真美ちゃん。唯一俺に話しかけてくれるクラスの女の子だ。

「ま、間宮さん!」

「橋田君?なにか?」

俺は薔薇を突き出して息を吸い込んだ。

「俺と付き合ってくだちゃい!」

あまりに緊張してて噛んでしまった。

「え…あの…キモ…」

彼女はそう呟くと走り去ってしまった。結果はわかっていた。だけどキモはないだろ、キモは。

俺はとてつもない怒りが湧いてきた。もう許さねぇ。

俺は復讐の計画を立てた。
翌日、間宮のクソアマはおれと目も合わせなかった。俺はその日の体育の時間に間宮の水筒に大量の下剤を仕込んだ。

昼休み、間宮は便所から出てこなかった。
ざまぁ味噌漬け。

まだまだこんなもんじゃ終わらない。
間宮の弁当の中に俺の出たてほやほやのうんちを仕込んでおいた。昨日、ラーメン太郎を全マシマシで食べた後のうんちなので仕上がりは完璧だ。
そのうんちを弁当にマシマシ入れたってわけだ。

間宮は弁当箱を開けた瞬間しかめっつらを披露したが、恐る恐る弁当を口に運んだ。
その瞬間、間宮は絶叫した。泣きながら便所に走って行った。

その後、間宮は担がれて早退した。
俺は復讐の快感を堪能していた。明日はどんな復讐をしようか。ギリ法に触れない復讐を考えるのが楽しくて仕方ない。

翌日、教室に間宮の姿はなかった。

「今日はみんなに残念なお知らせがある。クラスメイトの間宮真美さんが食中毒で亡くなった。」

え?食中毒で死んだ?…
殺すつもりなんかなかった。ちょっと臭い思いをしてもらえればそれでよかった。いや、そもそもうんち食った如きで死ぬか?きっとラーメンだ。ラーメン太郎糞がいけなかったんだ。
ラーメンうんちは人体に悪影響なんだ!!!!

俺は悪くない!!!ラーメン太郎うんちの毒素を暴いてやる。

俺はその後大学でラーメンうんちの毒性を解明しノーベル賞を取った。


ー完ー

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