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会話・即興演奏ゲーム「コシガヤ」

 初対面の人や、親しい人との日常会話の補助ツールとして役立つ会話ゲームです。また集団での即興音楽演奏において、演奏全体の進行表を作ることにも使えます。
 実験音楽家の木下和重氏の音楽思想/実践「セグメンツ」からの影響のもと、高校数学で学ばれる「組み合わせ」の考え方を用いてつくりました。会話/演奏者の組み合わせを次々と入れ替えていくゲームで、同じ組み合わせが二度と現れず、次々と会話/演奏の状態が変化していくところが聴きどころです。

用意するもの

トランプカード一組、または乱数生成アプリ(参加人数が多い場合)。タイマーなど時間の測れるもの(なくてもできる)。紙とペン。
集団演奏の場合、加えて各々の楽器と、ベルなど他の楽音と区別して合図に使えるもの。

参加人数

会話ゲームを行う場合は2~4人くらいが適当。ルール上は何人でも可。

ゲームの準備

① 紙に0人~参加人数までのありうる全ての組み合わせを書き出す。そしてそれらに番号を振る。例えば3人の場合写真1のように書く。

② トランプカード一組52枚から、①で求めた組み合わせの数のカードを抜きだす。写真の場合、絵柄を問わずA~8までの8枚を抜き出す。(残りのカードは用いないので除けておく)

③ カードを裏向きにしてよくシャッフルし、山札をつくる。山札の上から1枚ずつオープンして並べていき、でてきた数字を並べられた順序に従って紙に書き出す(写真2)。(オープンするカード枚数は事前に決めておく。全てのカードでもよいが、枚数が多いほどプレイ時間が長くなるので、場合に応じて適当な枚数に調整するのがよい)

④ 全体の進行表をつくる。(写真3)

ゲームの進行ⅰ【会話の場合】


① まず会話全体のテーマ(どんなものでもよい)を話し合って決定する。それからゲームを開始し、一番左の枠から始め、一番右の枠に向かって順次会話を進めていく。(写真3なら枠2→6→1→4→5) 各枠内でそのとき〇のついている参加者は自由に発言可能(写真3で一番左の「2」なら山田さん、佐藤さん)、ついていない参加者は自然に相槌をうったり、〇のついている者の問いかけなどには答えてよいが、自分から積極的な発言はせず、聴き手にまわる。

② ひとつの枠内で会話が一段落したら、参加者間で合意を得て次の枠へと移る。もしくはタイマーで時間を決めておき、音が鳴ったら移行するとしてもよい。

③ 一番右の枠での会話を終えたらゲーム全体が終了する。そのあとは全員で感想を語り合い、ゲーム全体を振り返るとよい。

ゲームの進行ⅱ【集団即興演奏の場合】

① 始める前に全体のルール(調やリズムなど)を自由に決めてよい。会話のときと同様左から右に向かって進行していき、各セクションでそのとき〇のついていない者は演奏に参加しない。

② 音楽の性質上、次の枠に移る合意を演奏者間で取るのが難しいので、決められた音や動作による合図を出すことで枠を移行していく。全体の進行役を一人決めてもよいし、そのときどきで出番の無い者が交代でその役を務めてもよい。(写真3なら枠2小林さん、枠6山田さん、枠4山田さんと、その時参加していない者がベル等の合図の音を鳴らすことで移行する仕方。全員が参加する枠1では次で出番のない山田さんが合図を鳴らし、演奏から抜けるというようにする。)
 
③ 最後の枠の演奏を終えたら全体が終了する。最終枠は合図を決めず、全員が演奏を止め、楽器を手元に置くなどの意思表示をした時点で終了とする。

備考

・人数が2人なら4通り、3人なら8通り、4人なら16通りというように、参加人数n人に対して2のn乗が組み合わせの総数となる。5人を超えるとすべて書き出すことが困難になり、トランプカードの割り当てられる数も超えてしまう(5人が限度)。そうした場合は乱数生成アプリを使用すると対応できる。
 まず0~参加人数までの数字を重複ありで任意の数出す。(例:6人のとき2,4,2,3,6,6など)このとき0と最大の数はそれぞれ1通りしか存在しないので重複をはぶいて出力し直す。(二回目の6を除き数をひとつ再出力、1が出たので2,4,2,3,6,1とする)
 次に参加者名と人数の書かれた進行表をつくる。(写真4)

 ここで、左の枠から順に、①名前が上の人を優先②出番を可能な限り均等にする③同じ組み合わせが発生しないようにする という3つのルールに基づいて参加者に出番を割り振っていく。
 まず一番左「2」は上から順にab、次の「4」はまだ出番のないcdef、次の「2」は再びaと、まだaが組んでいない中で一番上位のcとでac、次「3」はまだ出番1回のbdefのなかから上位3名でbde、次「6」は全員、最後「1」はひとりだけ出番2回のfというように割り振る。(写真5)

 このように表を作成できたら、以下前出のルールに従って進行していく。

・特に会話において人数「0」は楽しむことが難しく上級者向きなので、初心者同士の場合などは最初から省いてしまってもよい。

ゲーム名の由来

はじめてつくったゲームであることを記念し、作者の居住地にちなんで名付けました。

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