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大学授業一歩前(第13講)

大学授業一歩前第13講は、ビジネスの最前線に立ってらっしゃる方からの講義になります!!理系知、文系知に加えて、ビジネスの視点と様々な方のご協力があってこその大学授業一歩前です。ご協力いただいている皆さま本当にありがとうございます。

プロフィール

Q:ご自身のプロフィールを教えてください。

A:堀太郎と申します。私はアカデミズムの人間ではありませんが、過去に早稲田大学文化構想学部で社会力養成講座、非常勤講師、招聘研究員等含め、6年ほど大学と関りを持ったことがありました。
仕事では20年間ヘッドハンティングを中心とする人材領域で、多くの企業や人材の方々とお付き合いしてきました。その中でキャリアコンサルタントに出会い、国家資格キャリアコンサルタント、2級技能士資格を取得し、そちらの活動も行っています。

オススメの過ごし方

Q:授業のオンライン化に伴い、時間にゆとりが出来た学生におすすめの過ごし方を教えてください。

A:移動時間というバッファが消滅して生まれた貴重な時間を、どうか「自分だけのもの」として楽しんでください。
私の学生時代にも「モラトリアム」がありました。1970年代の大学は、過激派学生にロックアウトされて授業がなくなるのが日常でした。生まれた自由な時間にアルバイトをし、本をむさぼるように読み、好きな映画を見て過ごしました。激動する世界を感じて選んだ本が、見た映画が「今の私」であるような気がします。

必須の能力

Q:大学生の必須の能力はどのようなモノだと考えますか?

A:大切だと思う「能力」は、あえて言えば「孤立する力」でしょうか。
1人を恐れず、空気に負けない自律的なアイデンティティ…とも言えると思います。短時間ですからそれを意識するだけでも。
E.エリクソンという精神分析家によれば、モラトリアムはアイデンティティを獲得するための「猶予」です。今のモラトリアムはウィルスが「世界全体に与えた猶予」なのかもしれません。ここから意味をくみ取る試みと自律性は密接な関係があると言えます。

学ぶ意義

Q:学ぶ意義をどのように考えますか?

A:学ぶことは生きること…です。 ほかにありません。
いえ、ありました。人生でこれほど楽しい時間はないからです。

オススメの一冊

Q:今だからこそ読んでおいてほしい一冊を教えてください。

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『ペスト』アルベール.カミュ著。ノーベル文学賞受賞前の作品。
コロナが世界を覆う今、再び読まれているそうです。
アルジェリアの港町がペスト渦でロックアウト、溢れる死と戦う医師と、共に戦う人々を描いた小説。苛烈な闘いが静かに描かれていて強い印象を受けます。
誰かの記憶に残り、記憶に残す。そして刻み付けるように生命を使う…どんな不条理にも抗うことができる、人の強さと美しさが迫る一冊。
今読むことでいろいろな気づきがあるかもしれません。(画像は『ペスト』カミュ著 宮崎嶺雄訳(新潮文庫)です。)

メッセージ

Q:学生に向けてのメッセージをお願いします。

A:どうか「今・ここ」で、世界の変化を味わってください。
人にとって最も大切な自由。しかしこの出来事が「自由は所与のものではない」ことに気づかせてくれました。
この時代の主題とは、与えられた「不自由」から「真の自由」を問うことかもしれません。
この『一歩手前』は、まさにそのような「自由」への試みです。自由を構成するために、自己の中に錘を置く試みとも感じます。
こうしたレジリエントな試みが、善き未来に繋がることを心から祈ります。

おわりに

今回はキャリア・ビルド・コミュニティ(株)の代表取締役堀太郎さんに記事を作成していただきました。お忙しい中のご協力本当にありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

多くの大学でオンライン授業が継続される中、モチベーションを保つのがそろそろ難しくなってきた頃だと思います。(私は一限が三個あるのでなかなか厳しいです)そん中ですが、私達大学生はこの時代の生き証人として、学び、更生にそれを繋げる責任があると思います。このような特殊な状況下で学ぶことはこの先滅多にないでしょう。大学授業一歩前が少しでも、学びをしたい人達の役に立つことを願っています。次回は6月22日の投稿予定です!!皆さんお楽しみに!!



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