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2023関東大学ラグビー春季大会Aグループ:東洋対東海を簡単な数字で見てみた

皆さんこんばんは
1日2投稿にした結果壮絶な試合を見ることになった今本です

今回は東洋大と東海大の試合を見ていこうと思います
それはもう、壮絶な試合でした

メンバー表はこちら

いやぁ、東海大のトライ欄がみっちりですね
こんな点数久しぶりに見ました
僕自身は高校の時に0−124で負けたこともあるので「こういう時もあるよねHAHAHA」って気持ちも湧かなくはないのですが、分析のためとはいえ見てる側もしんどかったですね

次にスタッツです

パスが200回超えるのは正直見てて引きました
数えてても引きました

今回は「なぜ東海が勝ったのか」よりも「東洋がより良い試合にするにはどういったことが必要だったのか」を自分なりに考えてみました
それが以下の項目です

  • タックルの質をあげる

  • セットピースを攻守共に安定させる

  • 攻撃にオプションとスピードを持たせる

「ほぼ全部やんけ!」という言葉は至極当然の感想なのですが、やはりここに尽きるかと個人的には感じました
今回は「東洋はどのように変えていくことができるか」に着目して分析を進めていきたいと思います

タックルの質を上げる

著しく基本的なこととは重々承知の上なのですが、この試合ではまずこの点から見ていこうと思います

数値上は81.3%と「良くはないけどそこまで悪くもないんじゃ…」みたいな数値のようにも見えます
ただ、ここで注意していただきたいのが僕自身の定義として「タックラーが手をかけた or 肩を当てたが外されたタックルをミスタックルとする」としていることです

気づいた方もいるかと思いますが、この数値には「タックラーが触れることさえできなかったタックル」などがミスタックルに含まれていません
なぜこのような定義にしたのかはどこかで説明できればと思いますが、この定義の都合上、「ミスタックルというよりタックルすることもできなかったもの」が数値には反映されていないということです
※Linebreakには含まれている場合もあるので、一概には言えないですが

つまり、そのような「ポジショニング」や「大きくスカされる」などの「体の強さ」以外の要素が原因となるミスタックルが多く存在し、Linebreakやスコアにつながっていることが試合を見ることで予想されます

だからこそのタックルの質なのです
曖昧な表現になってしまいますが、「タックルの質を上げる→まずはタックルに入ることが必要→タックルに入ることのできるポジショニングが必要」などの順番でこの要素を捉えることで、体の強さ以外の要素が見えてきます
それが先述した「ポジショニング」や「動き方」なのではないかと思います

タックルレンジにも関わってくることなのですが、極端な話をするとグラウンドをXY軸上に表現して自分と相手の距離を見るとおそらく一定の距離感が誰にでもあると思います(以下の図のような感じ)

基本的にはこの紺色の範囲を広げていき、水色のエリアを減らしていくのが望ましいのではないかと考えています
白は身体能力によって限界が規定されると思うので、スキルというよりもそっちの改善が必要になると思われます

またダブルタックルに関しても考え方を示そうと思います
現時点では東洋大のダブルタックルは少なくはないのですが、その多くが相手に差し込まれ、両タックラーがラックに巻き込まれたり自陣側に向かって倒れた状態になっていました
そのためグラウンド上には12~13人の選手だけが立っている計算となり、SHはラックの後ろ側にいることが多く、バックフィールドのケアで1.5~2人が削られていることが多いため、約10人で70mを守らなければなりません

それを解決する方法はリロード(タックルした際などの後に起き上がるまでの速さ)を速くするとともに、最低でもアシストタックラーは完全には倒れきらない、もしくは両タックラーが相手陣側にキャリアーを押し込むことが必要になります
そういう意味での質も担保されなければならない、ということですね

以上、タックルの質に関する考えでした

セットピースを攻守共に安定させる

セットピースは専門家の方が多いので手短に

ラインアウトに関してはウーストハイゼン選手を中心に組み立てているかと想像しますが、HOのスローイングが低かったり、リフトが低かったりと最高到達地点でキャッチできているとは言えない状態かと思います
小さな差ですが、その数センチの差でキャッチの質を上げたり相手からのプレッシャーを和らげることができると某コーチがおっしゃっていました
そのため、そういう意味ではまだまだラインアウトには改善の余地があるかとは思いました

スクラムに関してはどうもフロントローの選手の姿勢が一貫していないような様相が見受けられ、特にHOの選手の姿勢に影響を受けているのかな、と個人的には感じました
肩の可動域の問題なのか組みやすい姿勢なのかはわかりませんが、HOの背中がPRよりも高い時は攻守ともにプレッシャーを受けている印象でしたね
なので、これからも注目していきたいと思います

攻撃にスピードとオプションを持たせる

東洋大には、特に今回の試合においてキーマンとなる3人のランナーがいたと感じています
それが11番の杉本選手、13番のマークス選手、14番の坂本選手です
両サイドのWTBは共に小柄で、近年大型化も進むBK3においては身長で勝負するのはかなり厳しいと思えます
ただ、この3選手は全員Linebreakやビッグゲインなどに絡むことができる好ランナーで、如何にこれらの選手にチャンスを与えるかがキーになるかと感じました
今回の試合では狭いスペースをなんとか抜けていくシーンも見られましたが、さらに広いスペースを彼らに供給することができればよりビッグゲインを狙うことができるという確信に近い何かを持っているので、SOをはじめとする意思決定者はより一層広い視野とパス能力が求められてきそうですね

もう一点、FWについて語ると、ポッドに入ったFWの選手のランコースとオプションは課題にあげてもいいのかなと思いました
もちろん相手にもよりますし、シチュエーションは流動的なのでそううまくはいかないと思いますが、「どのディフェンダーにコンタクトするか」をより一層意識したランコースをチョイスすることで相手ディフェンスを揺さぶったりコントロールしたりすることができるのかなとも感じます

また、オプションになる位置に選手が立っていなかったこともあり、東海大ディフェンスとしては狙いをつけやすかった可能性も否定できません
選手同士のリンクがあるともっと良いアタックになるのではないでしょうか

見えてきた東海の良さと挽回するチャンス

東海大の強さはスコアを見ればわかりますが、具体的に何が良かったかというと、「9・10番の判断とラン」「ポッドに入った選手のスピード」が今回の試合では目立ったように思います

特に9番に入った竹田選手は強気なランを見せたり数瞬の間だけボールを持ち上げ、ラックに近い選手を自分へと引き寄せたりとバリエーションの豊富な動きをしていたように思います
東洋大の選手もかなり竹田選手に動かされており、しんどそうでしたね

また、各選手の思い切りの良いボールキャリーも強みとしてあげることができると思います
各ポッドに入った選手がスピードを持って走ってくるだけでディフェンスはそこに注力しなければいけなくなりますし、それを警戒してタイトなディフェンスラインになっていった状態も度々見られました
それを活用した表裏を使ったアタックも可能になるため、アタックのラインスピードはFWも含めて重要ということですね

ただ、2点ここは付け入る隙になるかなと思ったのが「キック処理のためにアフ選手がバックフィールドにいることが多いこと」「重要な部分でFWの選手がボールウォッチしていること」です

アフ選手をボールキャリアーにする回数を増やす意図なのかと思いますが、もし相手にハイボールに強い選手がいた場合、ここはウィークポイントになるかとも思います
キックに対する距離感も掴み切っていなさそうな雰囲気もありましたしね

また、東洋のマークス選手のトライにもつながったシーンではラックサイドの多くの選手がラックを注視していたことからトライが生まれていました
これに関して言えば改善は容易かと思いますが、今後も見ていく必要性はありそうです

まとめ

大学レベルではなかなか見ない点数差でしたが、なんとかうまくまとめられたような気もします
東洋大の方に届いたら嬉しいような怖いような複雑な気持ちですが、もし機会があったら読んでいただけたら嬉しいですね

それではまた!

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