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「8年続いているのは、色んな強みをもった仲間がいるから」岡山Unity勉強会@岡山【メンバー募集!全国Unityコミュニティ名鑑】

こんにちは、Unity Japanのコミュニティ・アドボケイトの田村幸一です。私は普段、Unityを広く世の中に伝える、広報的な役回りをしています。

2月からスタートした連載『メンバー募集!全国Unityコミュニティ名鑑』では、全国各地で活動する有志によるUnityユーザーのコミュニティを紹介しています。

ここ数年の新型コロナウイルス感染症の影響で、ユーザーが集まるオフラインイベントやコミュニティ間の交流が減ってしまいました。そんな中でも、新しくUnityを始める人にとって、学びを後押しするようなコミュニティと出会えるようにしたい、というのが連載の目的です。

第7回は、岡山を拠点にUnity勉強会やゲームジャムなどを開催している「岡山Unity勉強会」を紹介します。代表を務める面田さんはじめ、メンバーのみなさんにお話を伺いました。

面田高章さん
「岡山Unity勉強会」代表。Unityを勉強したくて岡山Unity勉強会を立ち上げる。
マイクロシステム株式会社代表取締役、株式会社なのですCEO、吉備国際大学非常勤講師、2019年にUnityアンバサダー就任。

山根信二さん
「岡山Unity勉強会」アドバイザー。学生時代から東京を拠点とするIGDA日本でゲーム開発の情報を収集。2014年に岡山理科大学総合情報学部情報科学科の教員として、ゲーム制作を教える。2014年12月にUnity勉強会に参加し、ゲームジャムの運営を担当。2020年、東京国際工科専門職大学に移ったが、今でも岡山Unity勉強会アドバイザーとして遠隔参加。

ゆーりさん
「岡山Unity勉強会」メンバー。4人対戦格闘ゲーム、エクストライヴァル絶賛開発中。
新しいものスキ。テスラに夢中。

VeLTiNA(ヴェルティナ)さん
「岡山Unity勉強会」メンバー。インディーゲーム制作チームGoToSevenディレクター兼デザイナー。岡山Unity勉強会ではロゴ製作や運営、PR活動など幅広く盛り上げに参加。Unityニコニコ自作ゲームフェス新人賞2019』にて『Unityスタークリエイター賞』を受賞。

大学や市と協力してゲームジャムを開催

──はじめに、Unityと出会ったきっかけを教えてください。

面田:小学生の頃にプログラミングに出会い、ちょっとしたゲームのようなものをよく自作していました。社会人になってからはゲームを作ることが減っていましたが、2014年頃にスマホの普及に伴いゲーム開発が盛り上がり、やってみたいと思いました。さらに、Unityだとアセットを活用して効率的に開発でき、OS間の開発環境が違う問題も解決してくれて、C#で統合的に開発できると知り、勉強を始めました。

──そこから、なぜ「岡山Unity勉強会」を設立したのでしょうか。

面田:一緒に勉強する仲間や場所がほしかったからです。

いざUnityを学ぼうと思って、書籍を購入して勉強してたのですが。バージョン違いでUIが若干違っていたり、使い方がわからなかったり、初歩的な部分でつまづいてなかなか思うように進みませんでした。Unityの勉強会へ行きたいと思って調べたら、県外では少しずつUnityのもくもく会や勉強会ができてきていましたが、県内にはありませんでした。そこで、同じように困っている人がいるのではと思い、2014年10月にコミュニティを立ち上げました。

──設立時、どのように仲間を集めていきましたか?

面田:「オープンセミナー岡山」というIT技術者向けの大きな勉強会があり、まずは、懇親会でライトニングトークをする機会をもらいました。そこでUnityに関心がある人を募り、岡山Unity勉強会を立ち上げました。コミュニティ設立経験者の方にご協力いただき、スムーズに立ち上げができ、大変助かりました。

開催場所は知人を頼り、インキュベート施設の『岡山大インキュベータ』の会議室や、エンジニアやクリエイターが集まるギークハウス岡山を貸していただき、定期的にもくもく会を開催することができました。

──他のメンバーのみなさんは、どういった経緯で参加しましたか?

ゆーり:ギークハウスの勉強会がきっかけです。今は技術面でサポートをしています。

山根:2014年12月頃に「オープンセミナー岡山」がきっかけで面田さんと出会いました。赴任する際に中四国地方でゲームジャムが開催されたことがないのは知っていたので、まず勉強会で「週末にゲームを作るイベントを開催したい」と話したら意気投合して(笑)。それ以後、私は岡山理科大学でゲーム開発を教えていた知見から、主にゲームジャムの開催に尽力しています。

VeLTiNA:私が参加したのは、2015年です。被災地を盛り上げる「福島ゲームジャム」のサテライト会場が自分の母校で開催されると知り、見学に。その運営を岡山Unity勉強会が担当していました。そこで私が公開していた作品のパブリッシャーと同じだった楢村匠さんとも出会うきっかけにもなりました。

楢村さんは日本から世界に進出したインディーゲーム開発者のパイオニアで、遺跡探検考古学アクションゲーム『LA-MULANA2(ラ・ムラーナ2)』などの作品があります。岡山Unity勉強会が開催する他イベントでもいろいろ教えてもらいました。

Made with UnityのLA-MULANA 2インタビュー(2018)

面田:楢村さんにはこのゲームジャムがきっかけで、岡山Unity勉強会のアドバイザーにもなって頂いて、ご支援・ご協力をして頂いております。

──現在、どのようなメンバーがいて、どういった活動をしていますか?

面田:ゲーム開発者、Vtuber、デザイナーなどがいます。定期的な活動は、月に一度開催している「ゆるもく勉強会」です。毎回10人前後が参加して、各々で作業を進めています。不定期ですが、有志の勉強会、ゲームジャム、ハッカソンも開催していますね。

特徴的なものとしては、2015年から開催している「ゲームジャム高梁」です。岡山駅から電車で約1時間、人口3万人ほどの高梁市で、高梁市や吉備国際大学や市議会議員の石井さとみさんと協力して開催しているイベントです。

もともと高梁市は、アニメ映画の『王立宇宙軍 オネアミスの翼』や『MEMORIES』のプロデューサーである井上博明さんが吉備国際大学の教授でもあり、アニメやコンテンツ制作を通じて地域活性化に力を入れていました。

そんな中、高梁市の市議会議員の石井さとみさんと山根さんが中心となり、アニメと親和性の高いゲームを使った町おこしイベントとして提案。岡山Unity勉強会も協力することになりました。

山根:2018年7月に西日本を襲った豪雨災害では、高梁市も大きな被害を受けました。そんな中で開催されたゲームジャムでは、復興への想いも込められて『つながる』をテーマにしました。災害の爪痕も残りながら地元の方々にもサポートをいただき、感激しましたね。

面田:ゲームジャム高梁は、年々参加者数が増えており、2019年の開催では約40名の学生・社会人が市内外から集まり、たいへんな盛況となりました。

他にも、VRデバイスを持ち寄って作品を作る「VRゲームジャム」、バーチャルキャラクターを制作し、動きや音声を入れた1分30秒の動画を作る「VTuberハッカソン」​、100カ国以上で同時開催されている「グローバルゲームジャム」のサテライト会場を中四国のユーザーコミュニティと協力して瀬戸内会場を設けたり。さまざまなゲームジャムを開催してきました。

VRゲームジャムの様子
VTuberハッカソン開催時の集合写真
グローバルゲームジャム瀬戸内会場

去年までVRゲームジャムジャムと​VTuberハッカソン​は、新型コロナウイルス感染症の影響もあってオンライン開催でしたが、今年はオフライン開催も交えたハイブリットを目指しています。

岡山の学生にもぜひ参加を!中四国地方で仲間を増やしていきたい

──新型コロナウイルス感染症の影響で交流が難しいなか、コミュニティ活性化のために工夫したことはありますか?

面田:岡山Unity勉強会では、オンライン開催を中心として、もくもく会やゲームジャムを開催しています。開会式はVRChatでやっています。開会式のおかげで、VRChatのワールドを作成するきっかけにもなりました。

VRChatで開会式を行っている様子

コロナ禍でオンライン開催に切り替えたことで、県外の繋がりがある人たちが勉強会に参加してくれるようになりました。広島Unity勉強会や讃岐GameNなど県外のコミュニティの人たち、メンバーだったけれど東京へ就職した人たちなど。遠隔にいる人たちと交流しやすくなったのは、オンライン開催のメリットだと思います。

新しくコミュニティに参加してくれる人を増やしていくためにも、今後も力を入れていきたいです。

──岡山Unity勉強会「ならでは」の要素は何だと思いますか?

山根:広域性だと思います。岡山市だけでなく倉敷市や総社市といった広範囲のメンバーがいます。勉強会も岡山大学インキュベーションセンターやゲームスタジオの会議室など、さまざまな場所で開催されています。

面田:県をまたいでの交流も活発ですよね。岡山Unity勉強会を立ち上げる際は、広島Unity勉強会の中奥さんとも交流し、コミュニティ運営の参考にさせていただきました。また、讃岐GameN代表の渡辺さんはコミュニティを立ち上げる際に、勉強会によくきていただきました。

讃岐GameN代表の渡辺大さんのインタビューはこちらから

山根:岡山Unity勉強会のコミュニティに参加した人たちが地元へその文化を持ち帰り、中国・四国地方全体にゲーム開発者コミュニティが広がっていますね。

──活発なコミュニティを育むためのコツを教えてください。

VeLTiNA:一番は、コミュニティの“土台”を作ることだと思います。岡山Unity勉強会は、面田さんが運営を担当し、ゆーりさんが技術のサポートをしている。山根さんはアカデミックな領域でゲーム開発の知識があり、私は人を繋ぐのが得意。

それぞれの強みがバラバラだからこそ、コミュニティの土台がしっかりしていると思います。これらを一人で担うと大変ですし、継続させるのは難しいと思います。

ゆーり:ゲーム開発コミュニティは、技術力が高いエンジニアがトップダウンで運営しているイメージがあるかもしれません。でも、それではうまくいかないなと感じてますね。

面田:私は代表ですが、一人で何でもできるわけでもなく、VeLTiNAさん、ゆーりさん、山根さんをはじめ、皆さんにいつも助けられているので、とても感謝しています。またコミュニティはいろんな人が集まる場所なので、多様性を受け入れ、人と人の繋がりを大事にしています。繋がりの積み重ねが、コミニティ運営を強固にしていると感じています。

──岡山Unity勉強会を運営していて「よかったな」と思う出来事を教えてください。

面田:Unityを学びたいという気持ちから始まり、コミュニティ・イベント運営を通じて、一緒に活動する仲間が増えたことです。勉強会の仲間でゲーム開発したり、一緒に会社を起業したり、2019年にはUnityアンバサダーに任命していただいたことも感慨深いです。

山根:コミュニティに参加していたメンバーが転職時に、私たちとの繋がりを活かしてゲーム会社に就職したのも嬉しかったですね。その後、前の職場の同僚を勉強会に連れてきてくれて、さらに組織を超えた交流が広がりました。

ゆーり:仲間から、開発している作品を公開する勇気をもらえました。完璧主義な性格もあり、公開するまで時間がかかってしまっていたんですよね。でも、面田さんやVeLTiNAさんが「このゲームすごくいいね!」と言ってくれて、公開しようと思えるようになりました。

またゲームジャムにも参加して、「完璧が全てではなく、作る過程が大事」ということを学べたのも大きいです。

VeLTiNA:岡山Unity勉強会に出会ったときは、Unityとは違うゲーム環境で開発をしていました。それでも受け入れてくれる仲間ができたのは嬉しいですね。岡山Unity勉強会を立ち上げてくれた面田さんに感謝です。

──今後、どのような人たちに参加してもらいたいですか?

面田:Unityやゲーム開発に興味のある方、学生さんや社会人の方など、いろんな方に参加してほしいですね。特に、多人数で開発するゲームジャムは、学生さんにとって良い経験になると思いますので、ぜひ参加してほしいです。

コロナ禍で勉強会やゲームジャムがオンライン開催になったこともあり、なかなか岡山Unity勉強会の活動が届いていないので、広報活動も頑張っていきたいです。

──今後の活動予定やイベント情報などを教えてください。

面田:月に1度はもくもく会の開催し、岡山Unity勉強会のconnpassで参加者募集してます。また、有志メンバーがDiscordで不定期にもくもく会をやってます。気軽に参加してもらえると嬉しいです。

また、今年のゲームジャム高梁は、10月22・23日開催予定です。新型コロナウイルスの状況を見つつですが、オンラインとオフラインのハイブリット開催を予定していますので、ぜひ参加してください!

10月29日〜11月13日には岡山eスポーツ連合主催の「ぼっげ〜ムジャム」を協力開催予定です。こちらも岡山Unity勉強会のconnpassで募集ページを準備中ですので、ぜひご参加ください!

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