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きょうだい児ってなんだろう。

発達がゆっくりな子どもや重い病気を抱える子どもの、兄弟姉妹を「きょうだい児」と言われることがある。

例えば、どこかスーパーに買い物に行くとき。
音に敏感だったり、並ぶことが苦手な特性をもつ子どもと、兄弟姉妹とが一緒に行くと、お母さんは一人で二人を見ることができないので、つねにその兄弟姉妹に「ちょっと、待ってて」「あとでね」と言う機会が多くなってしまう。

例えば、治療のために付き添いで母親がいつも不在な家庭があって、洗濯物の取り込みや、夕ご飯のしたく、部屋の掃除、いろんなことを代わりにしてくれる、兄弟姉妹が世の中にはたくさんいる。

例えば、こどものおさらい会や運動会を見に行くとき、その兄弟姉妹のおさらい会や運動会なのに、じっと座って待つことができない子どもに目が行き、演目を見そびれることがある。写真を撮り損ねることもあるかもしれない。

どうしても、発達がゆっくり、または成長に特性がある子どもや、重い病気を抱えている子どもを育てていると、その兄弟姉妹はたくさんの我慢を強いられる。

「きょうだい児」といわれる子どもは、なかなか、わがままを言わない。
本当は甘えたかったり、自分の授業参観に来てほしいと思っていても、遠慮して言えなかったりする。

いつも我慢している子ども、母親だって本当はしてあげたいかもしれない、病気や発達に特性がある子だって、いつもと違う場所で大好きなママと兄弟姉妹とたのしく食べたり、遊んだりしたいかもしれない。

そう思う時に、実現できる場所や機会を、もっと増やすことはできないだろうか。

いつもじゃなくていい。たまにでいいから、だれもが楽しめる場をつくっていけたら、「きょうだい児」という切ない言葉は、なくなるかもしれない。

もっと知りたい。もっと知ってほしい。もっと知ろうとしてほしい。

目に見えない、口に出して言わないだけで、そんな切ない想いをしている人が、私たちのまわりには、きっと、たくさんいる。



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