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お金やないねん。

お金のやり取りが嫌いです。嫌いになったというべきかもしれないですが。

この地球上で、お金のやり取りをする生き物は人類だけですが、お金って、便利な側面はもちろんあるけど、その存在があまりに無機質過ぎて、どうもね…。

でも今日は、いや日付け変わったから昨日か、お金じゃない物のやり取りにより、豊かな気持ちになりました。隣りの畑のおばちゃんが栽培されていたとうもろこしをくださったので、ここぞとばかりに私はエゴマを差し上げるという、いわば昔ながらの物々交換ってやつをやったんですよ。

この一年、いつもいつもいただいてばかりでしたがおばちゃんは常ににこやかで、私が喜んでもらってくれることが嬉しいと言ってくれます。

おばちゃんは、あげてもなんもくれんとか、そう言うこと言ったり、見返りを求めたり絶対しない人なので、私も素直に喜んでいただいていたものの、やっぱり何かお返ししたいと思いますわな。それで今日はやっと、うちで採れた作物と交換できて、私も非常に嬉しかったですね。

エゴマととうもろこし、スーパーで買えば金額の差はモーレツですが、おばちゃんはエゴマをこれまで食べた事がなかったらしく、新しい野菜との出会いを喜んでくださったので、要するに物やサービスの価値というのは金額だけで決まる物でも序列化されるものでもないということをあらためて感じました。

おばちゃんとのやり取り以外でも、似たような「交換」でこれ以上有意義なものはないと体感した話といえば、今年のゴールデンウィーク中の出来事がひとつ。

実は今年、野菜の苗を育ててみたところ予想外にたくさんできてしまい、12人の友人知人に引き取っていただいたのですが、郵送ではなく直接取りに来た人たちはみな、何某か「レアな逸品」を手土産に持ってきてくれました。

プロの養蜂家じゃない人が作ったはちみつ、鞘入りの大根の種、珍しい泡盛で仕込んだ梅酒、苺の苗、アメリカ土産のスパイシーなナッツのお菓子、魅惑のクラフトビール、夕張メロンゼリー…。それぞれの人が、それぞれの人の中でサイコーの品で、且つ私にとって超特別になり得るものを考え抜いて持って来てくださっている訳ですよ。私は苗と引き換えに何かいただくことなど期待していないから、毎回がサプライズです。

販売されている物を除けば市場価値はないけど、意味があって貴重なもの。そういう物のやり取りにこそ価値があるなと。

物でなく、事でもいいんです。畑を手伝ってくれた人には料理でお礼をしたり、場所や時間やスキルをお互いに提供したり。

でもそこには見返りを求める気待ちなんて微塵もなく。ただお互いにそんなやり取りを楽しむだけ。プライスレスでしょう。

だから、人との関係を結べる媒体はお金やないねん。まあ、お金を使わないとできない場合もあるけども。でもやっぱり、「ギフト、5000円か3800円かどっちにしとく?」「3800円のんでええやろ」的な金額ベースの序列とか物のやり取りとか考え方は、もうウンザリやねん。だから最近は、意識して、誰かと何かをやり取りする際は、TPOは意識しつつも可能な限りお金以外の手段を考えるようにしています。

価値観は人それぞれなので、ひとつの事が絶対正しいとか間違いだということは言えませんけど、私はお金イコール偉人の顔がプリントされた紙もしくは薄くて丸い金属の塊か、それか最近はバーチャルにスマホの画面に表示される数字でしかないという価値観で、幸せですな。

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