悪意が辿った未来の回想
憎しみと悪意をもったひとりの放浪のならず者と
七つの海を航海することを夢想していた異国のひねくれた陪審員が
あまり聞くことはない名前の子供を産んだ
一族の子孫は栄え 地の様相はかわった
錬金術師がその繁栄を羨み
あやかり拵えた 土くれは
まねられたその子が
我が両親の願いを知悉しているかのようと 関心した
その時代の日がのぼり 沈むまでに
動物がまるで土くれになりゆくかのように振る舞うことが流行し
多くの者は 自然な形を踏襲せずに土に還っていった
あずかりしれぬ風土のことさと
皆他人事のようにむざむざとおのれのなりわいを続けた
錬金術師とそれを重用した一派は
皆 マイウェイを謳いあげ
土くれには彼の意志がありますと
生命の神秘の一部を紐解いた錬金術
そのことごとくを忘却し 素知らぬふりをした
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