異世界の実感
311の震災数日後に原発が爆発するだろう予測のもと、放射能を避ける為に北にある隣県で一週間車上生活をした。
沢山の犠牲者が出ているだろうことを悼みながら、北に向かう車中で数時間只々、光を降ろすある簡素な文言の祈りを心の中で続けていた(特定の宗派である、とかではない)。
突如上空まで広がる巨大な映像が見え、脳の中からずっと雲の上へと繋がる光に、数百ものクリオネのような形をした1~2センチ程の大きさと感じる透明な生物が群がり来て上空へ心なしかゆっくり登ってゆく視覚映像(はっきりとして強烈)と内的感覚リアリティに取り巻かれ、十数分間にわたり映像は続きそのまま経過して、やがて収束し消えていった。涙が暫し流れたと思う。
小生は普段から頭で絵面や映像を思い描こうとしても想起できぬ人間なので、あの時のクリオネは何だったのか今でも分からないけれど、異世界はあると初めて実感した日だった。
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