2024大卒加入選手の紹介 ー川上 康平:ファジアーノの新たなゴールの鉄壁となれるかー

こんにちは。うにがしらです。
現在、2024シーズンに向けてストーブリーグ真っ最中ですね。2024年1月6日時点で、ファジアーノは順調に新戦力を補強し、内外ともにJ1の昇格候補と目される立ち位置にいるようです。
さて、その中で2024シーズンは大卒新人選手3名の加入が内定しています。
2021シーズンのヒキタカコンビの代から、サッカーのど素人が、大卒新人を紹介するという無謀なこの企画。
今年も懲りずにやっていきたいと思います。

今回は、東洋大学から加入する川上康平選手をご紹介。
よろしければお付き合いください。


1.基本情報

・名前:川上 康平(かわかみ こうへい)
・身長:187cm
・体重:82㎏
・利足:左
・ポジション:GK
 ※利足は、うにがしらが動画で判断。

まず目を引くのが身体の大きさ。実際に試合を観ると、ゴールの前でその体格はよく目立ち、安心感を与えます。以下の実績を見ると、3年生から東洋大の正ゴールキーパーとして試合に出場していることがわかります。
2023年は、デンソーチャレンジカップの関東選抜Bのメンバーとして選ばれてもおり、関東大学リーグを代表するキーパーであることがわかります。

川上康平選手の大学時代の実績

2.東洋大学のハイラインの守り手

さて川上選手が、今回なぜ採用されたのか?
うにがしらは、その理由を東洋大学とファジアーノの採用している戦術の親和性にあると見ています。

東洋大学は、2023シーズン第32節のアウェイ、東京ヴェルディ戦で特別指定選手にも関わらずファジから得点を奪った新井悠太選手が在籍しているチームで、新井選手をはじめスキルの高い選手が揃っています。
しかし試合を観ていると、スキルの高い選手たちでボールをつなぐより、まず前線にボールを放り込んで、セカンドボールを回収する形で相手ゴールに迫る形を基本としています。おそらくですが、フィジカルの強さに自信があり、疑似的なショートカウンターのような速い攻めを意図しているのでしょう。

さて、このような攻め方が上手くいくとどうなるかというと、結果的にディフェンスラインが押しあがっていくわけですね。
よって東洋大学の試合では、ゴールキーパーとディフェンスラインのスペースが大きく空く、というケースが多く見られます。
この点は、攻め方こそ違うものの、木山監督が言う「相手コートでサッカーをする」に通じるものがあります。2023のファジが最も好調だった時期の上手くいっている時間帯は、最後尾の柳選手がハーフウェイラインまで上がり、相手を押し込んでいました。このように2023の東洋大とファジアーノは似ている部分があると思うのです。

川上選手は、このディフェンスラインの後ろの広いスペースをカバーを担っきたのであり、特別指定選手として登録されたのも、ゴールキーパー陣にスクランブルがあった場合のフォロワーとして期待できると判断されたからでしょう。

3.恵まれたフィジカルを活かしたシュートストップ、そして前向きなプレー

うにがしらが、川上選手のプレーを観ていて、まず印象に残るのは、シュートストップの反応の良さです。東洋大学は、ゴール前の守りが固い(この編もファジに似ている)ため、そこまで至近距離でシュートを打たれることがないのですが、そこは大学トップレベル。時々、びっくりする強烈なシュートが出てくるものです。しかし川上選手は、その強烈なシュートに反応して弾き出す力があります。
また身体の大きさから、関東大学1部のレベルでは、ゴール前での競り合いで負ける感じは、ほとんどありません。この点も安心感があります。

一方で足元やフィードですが、うにがしらは、一森純選手や学芸館の平塚仁選手を見てきているからか、そこまで長けているとは感じませんでした。これは東洋大学がつなぐ戦術をメインにしていないことも関係していると思います。
ただ「足元やフィードに優れる」という評価があることと、プレーを観ていると、得手不得手を置いておくとしても「ボールを扱うのが好き」という印象を受けます。
広いエリアのカバーが必要なときに、ゴールを離れる積極性があるところと合わせて、非常に勝気であり、前向きなプレイヤーなのだと思われます。

4.ちょっと心配な「熱い性格」

さて、ここまでポジティブな話を前面に押し出してきましたが、強みは裏返すと弱みでもあるもの。
先ほど書いた勝気さは、端的に言うと頭に血が上りやすい…という所はあるかもしれません。
試合を観ていると、東洋大学の戦術は、フィジカルコンタクトが多くなりやすいため、割と選手が痛んでしまうケースが出てきます。それが東洋大のゴール前で起きた場合、川上選手が審判に詰め寄るケースが、まぁまぁ見受けられまして、この点はちょっと心配です。(見た目は熱くなっていても、実際はコミュニケーションをしっかりとれていると良いのですけどね。)
あと、ゴールを離れる積極性がある分、ハーフウェイライン当たりからロングシュートを狙われるパターンも時々見受けられます。まぁ、これもそうそう入るものではないので、大きな問題ではないかもしれませんが。
ただ、2024も終盤まで1点を争う試合は多くなるでしょう。
その中で、持ち前の「熱さ」を活かすならば、最後尾からチームを鼓舞できる存在になってほしいです。

5.強力なゴールキーパー陣の一員として

さてファジサポの皆様なら、よくご存じの通り、2024の正ゴールキーパーが誰になるか。ここは見当がつかない状態だと思います。
シュートストップとフィジカルに優れたブローダーセン選手。
足元やフィードに優れ2022から岡山の正ゴールキーパーである堀田選手。
チームのまとめ役であり、加入から正ゴールキーパー争いを続けつつ、スクランブルでも安定したプレーができる金山選手。
いずれもJ2の中でレベルの高いゴールキーパーであり、彼らからポジションを奪うのは、非常に難しいでしょう。
フィジカル的には、ブローダーセン選手と堀田選手の中間といった立ち位置と言えそうですが、もしポジションを他の3人から奪うとすると、機動力や足元で違いを出していく必要があるでしょう。また、左利きという特徴も活かしたいところです。
2024の編成が上手くいっている分、競争環境は非常に厳しくなっており、自分の強みを何とか見せていかないと、試合に出る機会を得ることは難しいでしょう。この点は、吉尾選手、太田選手も同様で、3人は1年目から生き残りをかけて勝負することになります。

ゴールキーパーはその中でも特に難しいポジションですが、2022の第32節アウェイ横浜線や2023の第35節アウェイ山形戦のようなスクランブルな状況もありえます。チャンスはどこかで訪れるでしょうし、そのチャンスを川上選手がものにしたなら、チームの勢いは加速するはずです。

6.川上選手のプレーを確認したい!という人に

以下の試合をおススメします。

2023 関東大学サッカーリーグ戦《1部第5節》東洋大学vs東京国際大学

川上選手は、背番号1。
前半の最終盤で、東京国際大が退場者を出してしまうので、後半はワンサイドになりますが、前半33分ごろに川上選手のナイスセーブが見られます。
試合は、東洋大と東国大のキックオフは、動画の3時間25分ごろから。

…本当は、2023年度のインカレ2回戦、京産大×東洋大をおススメしたかったのですが、動画が削除済みでしたorz

7.おわりに(というより、こぼれ話)

2024に加入する3人の大卒ですが、実は、2023のデンソーチャレンジカップの関東選抜Bのメンバーとして既にチームメイトだったりします。
これは奇しくもなのか、意図したものなのかはわかりませんが、これから流れてくるキャンプ情報では、この3人の打ち解けた様子が流れてくるかもしれませんね。限定的な選抜チームではあるので、期待しすぎるのもあれですが、チームビルディングにちょっとだけでも良い影響があるといいなと思います。

さて川上選手の紹介は、ここまで。
次回は、吉尾虹樹選手について配信します。

いよいよ2024シーズンのスタートです。本年もよろしくお願いします!


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