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芋子
2021年8月13日 14:12
第二話 大きな流れの中でこのメールが届いてからの二ヶ月間は、本当に目まぐるしく時が過ぎていった。メールが届いた次の日、出版者宛に「本を出版したい」と返事をすると驚くべき速さで返答があった。一週間後に、担当者と今後について話し合いましょうという内容だった。私は次の日の仕事終わりに実家へ帰り、押し入れの奥に眠っていた文芸冊子を引っ張り出してきた。少し色あせた表紙をめくり、自分の作品を読み