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2020年のUniculを振り返る 1.プロジェクト編 ーオンラインで、キャリア教育のワークショップを全国に届ける挑戦ー

こんにちは!Unicul Laboratoryの共同代表理事の丸谷・永野です。
早いもので2020年もあとわずか。(といっても、本業をもつ私たちにとっては、本業の仕事が納まった年末年始は格好の「Unicul日和」ではありますが…笑)
今年はUniculにとっても「激動の一年」そして「挑戦の一年」になりました。盛りだくさんだった今年の活動を、プロジェクトと、活動を支える組織ユニットの取組に分けて振り返っていきたいと思います。まずはプロジェクト編です!(組織ユニット編は こちら

突然のコロナショックを受け、手探りでオンラインの活動を開始

2020年のUniculの活動は、年明け1月9日の長野県伊那北高校での総合学習の企画から始まりました。年末年始返上でばたばたと準備をしていた企画でしたが、振り返ればこれが、「企画本番」としては今年最後の対面企画となってしまいました。

2月までは対面でミーティングなども行ってきましたが、日本にも新型コロナウイルスの脅威が忍び寄り、2月27日には政府が全国の学校の休校を発表。ここから、Uniculの「オンラインでのチャレンジ」が始まったのでした。
翌日の2月28日には、「休校中の高校生のために何かしたい!」とスタッフ有志で相談を開始。3月15日(日)に伊那谷サマースクール2019の運営スタッフ有志で、参加者の高校生を対象に「春休みを充実させようプロジェクト」を開催しました。これがUniculにとってはじめてのオンライン企画となりました。

距離をこえて、LINE通話で再会できた瞬間の感動といったら!!
(残念ながら写真を掲載することができませんが、一つの画面に8人の顔が写ったあの瞬間の感動は、言葉では言い表せないものでした)
(中略)
オンラインでワークを進めるには、やはり実際に対面しているようにはいかない部分も多々ありました。(中略)それでも、高校生から受験や進路選択、仕事について様々な質問を受けて答えていく中で、改めて「自分たちに伝えられることは、まだまだたくさんある」と感じました。

突貫工事ではありましたが、オンラインの可能性を強く感じた企画になりました。

「ワークショップをオンラインでやってみよう」-思い付きから2週間の突貫工事

4月に入り、緊急事態宣言が発出され、先の見通しの立たない中で始まった新年度。ほどなくして、Uniculで前年度の運営を担当させていただいた「あいづ未来人財育成塾」「会津若松市グローバル人材育成事業」が中止という悲しいニュースも飛び込んできました。

その少し前、Uniculのslackには「#コロナに負けない」というチャンネルが立ち上がりました。先が見えない中、代表からは、これまでの活動が中止になってしまうかもしれないけれど、「むしろこの状況だからこそやれること」も必ずあるはず、「まずやってみよう、を大切に」というメッセージを発していました。代表同士、どんなメッセージを伝えるのがよいか、何度も相談して書き直しながら考えていたことを思い出します。

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(一部、掲載のため改変しています)

3月~4月は、Uniculにとっては新メンバー(特に大学生)が多数加入する時期でもあります。今年もオンラインという制約の中で、多数の新メンバーが加入してくれて、30人規模の団体になりました。とはいえ、stayhomeで歓迎会も対面の活動もままならない状況。
そんな中で始めたのが、毎週土曜の夜に自由参加で行うオンライン懇親会でした。初対面のメンバー同士で仲を深めたり、オンラインツールを試したり、オンラインでできる新たなプロジェクトの企画をゆるく練ったり。時にミーティングに発展したりも。
このオンライン懇親会の場で生まれたのが、「<Queque>のワークショップをオンラインでやってみよう!」という案です。なぜかこの案が出た4月4日はオンライン飲み会にもかかわらずちゃんとした議事録が残っています。笑

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それからわずか2週間の突貫工事を経て、4月18日に、団体内でzoomとmiroを使って初めてオンラインで<Queque>の「人生路線図」ワークショップを実現することができました!
経緯は以下の記事に詳しいので、ぜひご覧ください。

今でこそ、メンバー全員がzoomにもある程度慣れていますが、当時は「ブレイクアウトセッションって何?」状態、zoomの仕組みからオンラインのファシリテーションまで、やってみないとわからないことだらけでしたが、「オンラインでもできる!」とわかったことがまずは大収穫でした。

当時、4月から対面で開始予定だったさいたま市立大宮国際中等教育学校のプロジェクトも、休校のため開始が延期になっていました。休校が解除になっても、いつ学校に訪問してワークショップができるかわからない。それならば、対面で実施予定だったワークショップを、オンラインで提供できるように準備を進めていこう。と、オンラインでの<Queque>実施に向けて、他のワークショップも順次オンライン化すべく舵を切っていったのでした。

九州での企画、大宮国際プロジェクト、未来人財OBOG企画ーオンラインで広がった「現場」

5月からは、「新規事業チーム」をつくり、ワークショップという形にとらわれず、中高生や先生方のニーズに対してUniculができることを形にしていくという活動を始めました。母校の先生方にインタビューしたり、卒業生の大学生にインタビューしたり。その傍ら、秋の開催に向けて動き出した「伊那谷みらいスクール」のメンバーを中心に、<Queque>のオンライン化を進めていきました。

新規事業チームの活動は早速実り、5月末には、福岡県中間市の中間南中学校、希望が丘高校にて、全国のUniculメンバーと中高生をつないで、大学生や社会人からのメッセージを伝えるオンラインの企画を行いました。初めての学校でのオンライン企画で、これまたかなりの突貫工事でしたが、中高生の皆さんからも大変好評の声をいただきました。
オンライン開催により、別室で登校している生徒さんも参加できたという嬉しいお話もありました。

※これらの企画は、福岡県中間市の学校の先生が主宰する「なかま授業デザイン勉強会」の先生方のご協力をいただき実現したものです。(2月には、福岡県中間市で対面の企画も予定していましたが、中止になってしまい、再度オンラインでの機会をいただきました。)先生方、本当にありがとうございました。

6月には、uniculが運営を担当した年度の未来人財育成塾の卒業生が集まるオンラインの同窓会企画「再!未来人財育成塾」をオンラインで開催しました。
元大学生チューターと、元中学生の参加者合わせて40名近くが集まり、あの夏の熱気がオンラインで蘇りました。

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7月からは、当初4月より対面で開催する予定であったさいたま市立大宮国際中等教育学校(通称「大宮国際」)にて、満を持してオンラインでのワークショップを開始しました。

<Queque>をオンラインで本格的に提供するのは、大宮国際でのワークショップが初めてでした。
初回は「人生路線図」ワークショップ。「はじめまして」をし、スタッフと仲良くなってもらい、いざワークショップの世界へ…という、普段ならなんてことのない一連のプロセスにものすごく緊張しましたが(担当した永野は前日ほぼ眠れず…)、結果は大成功。
運営面での細かい反省点はたくさんありましたが、2回・3回と回数を重ねていくうちに改善され、いまではまさにUniculのニューノーマル(!)として、ワークショップのオンラインでの提供がメニューに加わっています。
今年度の全ワークショップ終了後には、担当の先生から「生徒たちは、オンラインにも関わらず、<Queque>には飽きずに参加していた」というコメントをいただき、嬉しい限りでした。

大宮国際での実施でその後の流れにも弾みがつき、9月には、福岡県古賀市の中学生に向けたオンライン企画や、長崎県壱岐市の壱岐商業高校の高校生に向けたオンラインでの「人生路線図」ワークショップも開催しました。
開催にあたりご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。

古賀市の企画では、メンバーの野月によるグラレポ(グラフィックレポート)を参加者にお土産として持って帰ってもらうという試みも、とても好評でした。

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3年目の「伊那谷みらいスクール」は無念の延期

10月に入り、一旦コロナも落ち着いていたころ。1ヶ月後に控えた「伊那谷みらいスクール」のメンバーは初めて伊那の土を踏み、感動の対面を果たしながら、当日に向けて準備を進めていました。

ただ、その後感染拡大の状況が悪化したことを受け、残念ながら、開催2日前に「年度内での延期」という判断となりました。開催を楽しみにしてくださっていた高校生の皆さんには心よりお詫び申し上げます。

開催は叶いませんでしたが、10月には伊那西高校・赤穂高校にて、11月には伊那北高校・箕輪進修高校にて「事前セミナー」を開催し、合計約400名ほどの高校生に、大学生メンバーからミニワークショップやプレゼンテーションを行う機会をいただきました
これらの機会を通じて、高校生の皆さんに少しでも自分自身や将来について考える契機を提供できていれば幸いです。また、ご協力いただいた地域の皆さま、学校の先生方に心より御礼申し上げます。

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伊那北高校での事前セミナーの様子

伊那谷ねっと 2020年11月12日(木)「伊那谷みらいスクール事前セミナー」
※箕輪進修高校での事前セミナーの様子を掲載いただきました。

2021年ーオンラインという武器も得て、新たな展開へ

12月に、大宮国際での最終回のワークショップも無事に終了し、今年の全ての「現場」が終了しました。

来る2021年に向けて、まずは、12月20日に、福島県会津若松市さま・会津若松市教育委員会さまとの共催で、2月~3月に開催する会津の中高生に向けたオンラインの企画「会津★夢☆発見プロジェクト」をリリースさせていただきました。

Uniculで2015年から事業運営を担当させていただいた会津。今回、卒業生のメンバーを中心に、会津の中高生にオンラインで機会を届けたいという想いから、企画が立ち上がりました。
今回は、市・教育委員会さまとの共催となり、自宅にオンラインでの受講環境のない参加者の方には、端末の貸し出しも行えることになりました。教育委員会さまとの協働はUniculとしても初めてで、身の引き締まる思いです。

また、既に来年、新たな地域の高校でのオンラインワークショップも決まっていますし、新たなプロジェクトの種も多数あります。

おわりに

一度は「今年は何も活動ができないのでは」という恐怖に苛まれた2020年。ところが、振り返ってみれば、結果的に活動量は例年に比して増えたのではないかと思います。
未曾有の事態に直面しながらも、「まずやってみよう、を大切に」「多様性から新たな価値を生み出す」「常に未来志向で」という団体として掲げる3つのバリューに立ち戻り、チャレンジを続けてこれたことは、団体としても大きな財産となる経験でした。
代表としては、自分たちの仕事や生活も大変な状況の中、たくさんのアイデアとトライ&エラーを通し、ワークショップのオンライン化や新たな現場の開拓など様々な成果を出していったメンバー全員に、感謝をしてもしきれません。

特に「オンラインだからこそ」広がった世界はとても大きいものでした。特に、首都圏のメンバーが大半の私たちが、九州など遠方の学校に対してもプログラムを提供できるようになったのはオンラインだからこそですし、これまで距離的に実現できなかったメンバーと中高生の出会いの機会を作り出すことができました。
また、地方在住のメンバーも活動に気兼ねなく参加できるようになったり、会社や学校を一日休まなくても遠方の現場に参加できるようになり、活動のハードルが大きく下がる、というメリットもありました。

他方で、これだけオンラインでの活動について紹介してきて逆説的にはなりますが、中学生・高校生の感想からもメンバーの意見からも共通して滲み出すのは、「オンラインもいいけど、できることなら対面したいなあ」という率直な想いです。
状況は刻々と変わっていきますが、今年の経験を踏まえて、オンラインと対面の良さをうまく使い分けていきながら、今後の活動を進めていきたいと思います。

コロナの一日も早い収束を祈りつつ、来年も多くの中高生に「未来を描き、切り拓くチカラ」を届けていきたいと思います!

ここまでお読みいただきありがとうございました。次の記事ではこれらのプロジェクトの展開を支えた組織ユニットの活動をご紹介します。ぜひこちらもあわせてお読みください!

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