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【データテーブル】将来予測の「ブレ幅」を予測する感応度分析の使い方

今回は、財務シミュレーションの応用編です。

財務計画をたてる際、価格を上げるべきか、それとも販売数を増やすべきかなど、2軸で議論したい時ってありますよね。そんな時に便利な、データテーブルを使った感応度分析について見ていきましょう。

事業の将来を予測するには「ブレ幅」を考える

ビジネスプラン、特に新規事業は将来の計画が極めて不確実です。だからといって「このプランの将来は不確実だから、やめよう」と言ってしまっては、いつまでたってもチャレンジできません。

そこで大切な考えが、「うまくいったら○○円の利益が出ます。ダメだったときは、○○円の損失になります」と数値化するテクニックです。

これを経営陣に見せることで、ああ、これくらいの損失ですむなら、ぜひチャレンジしよう!と意思決定することができます。

議論を整理するときに大事な「2軸」

収益計画をつくると、たくさんの変数(ドライバー)があります。たとえば、販売数が上がったら?人件費が増えたら?円安で材料費が上がったら?などです。もちろんすべてのドライバーの将来を予測するのは大事ですが、そこで考えていただきたいのが、

本当に大事な数値って、なに?

経営に最もインパクト与える経営指標を絞り込むことで、その指標の将来性についてしっかり議論できるわけです。これは私の経験ですが、チームで議論するときは、「2つの指標」の組み合わせで議論すると分かりやすいです。

たとえば、値段を上げれば販売数は減る、でも値段を下げれば販売数は増える。これは、値段と販売数の2つの指標のシミュレーションになるわけです。

このように2つの指標=軸でシミュレーションを行う分析手法が、感応度分析になります。

「2軸で議論する」感応度分析とは?

感応度分析というのは、重要なバリュードライバー2つを同時に動かした時に、①どちらの利益インパクトが大きいかを可視化する ②数字のブレ幅を一覧することを言います。

例えば、下記の財務モデルを基に、

キャプチャ4

重要なバリュードライバーである「販売の成長率」「値段」を動かして、「来月の営業利益」にどの程度インパクトがあるのかを分析したいとします。この時、財務モデル上で「販売の成長率」と「値段」の2つの数字を同時に動かして議論しても、なかなか進みませんよね。

しかし、下記のように数字のブレ幅を一覧した表があると、議論が進みやすくなります。

キャプチャ

①2つの数字のどちらの方が利益インパクトが大きいのか あるいは、②2つの数字を掛け合わせた時に営業利益にどの程度インパクトが出るのか 一目瞭然ですよね。

エクセルでどうやってやるの?

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