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空からチワワが降ってきた

風の強い日
雑居ビルを間を歩いていた。

揺れる木が
街灯を瞬きさせている

「ガタン」

上から茶色い毛むくじゃらの
なんだ、犬?
キャッチしたら
茶色のチワワだった。

その瞬間
すぐ目の前で
大きな看板が
落ちてきた。

このチワワが落とした?
違う、
命を救われた。。

何だか懐かしい気がする
周りを見ても誰も居ない。

腕の中で寝てしまった。

取り敢えず家に連れて帰った。

茶色い色のチワワだから
モカ色チワワで
モカチと名付けた。

それからペット可の
アパートに引っ越して
楽しく暮らしていた。

毛をブラシしてるときに
小さいペンダントを
している事に気がついた。

ペンダントトップを
ネジのように回すと
中に手紙が入ってた。

名前はモカチ

偶然にも
なんだか
モヤモヤする出来事だ。

でもモカチと幸せに
暮らして幸せな最後を
すごした。
とても良い時間だった。

それから20年経ったとき
同じ毛並みの
忘れもしない
モカ色のチワワを
ペットショップで見かけた。

モカチ?
抱き寄せると
あの頃を思い出す。

連れて帰ることにした。

半年暮らしたときに
突然クローゼットを
ガサガサ、ほりほりした。

何かおやつでも有るのかな?
何かいるのかと
クローゼットをあけると
モカチは懐かしい思い出箱を
開けてと言う。

中にはモカチと書いてある
ペンダントが入っていた。

そうそう
昔空から降ってきた
モカ色のチワワと
暮らしていたなと
思い出した。

懐かしくなり
モカにペンダントを
付けた瞬間

モカは消えて居なくなった。

「え?」

「モカ?!」

「どこいった?!」

どんなに探しても居ない。

その場から動けなくなった。

1時間経って
古いSDカードを見つけた。
マルチカードリーダーを
携帯端末に繋げ
昔の写真をみた。

モカチが初めて空から降って来た
その日の夜に撮った写真

さっきあげた
晩御飯のドックフードが
付いている。間違いない。

さっきまでの写真と
昔の写真はまるで同じ。

モカ....

変わらないのは
俺自身の笑顔
嬉しそうなモカの表情。

そしてさっきまで有った
ペンダント。

俺の字か.....

突然涙が溢れた。

あり得ない話だよ。

過去に行くなんて

誰も信じない。

さっきまで居たんだ。
せっかく会えたのに。

昔を思い返す。

モカチが居なければ
俺は看板に当たり死んでいたかも
しれない。

何もかも
やる気を無くしたときも
モカチには幸せを沢山あげたい
色々な思い出をあげたい。
俺の所に何故来たか
分からないけど
他の犬よりとにかく
幸せにしたいと

仕事も何もかも
頑張るきっかけに
なった。

思い返しても
悔いは無い。
贅沢はさせて
あげられないけれど
給料日は必ず
豪華なおやつを
買ってあげた。

最後も撫でながら
見送った。

不思議な事って
有るんだな。

きっと今の自分があるのも
モカチが導いてくれたに
違いない。

そんな長い夢をみた。

今日は仕事は休み。

ペットショップに
一人で行くと

茶色いチワワと
目があった。

店員呼ぼう

「すみませ~ん」
「すみませ~ん」
え?

同じチワワを指差す女性が居た。

なんの運命か
それから結婚して
3人で一緒に暮らしている

モカチとね。

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