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予習していくともっと楽しめる!タイのお寺巡り【仏像編】

タイのお寺巡りをさらに楽しむ小ネタ・第2弾は【仏像】です。

⬇️第1弾壁画編はこちらからご覧ください。

タイには日本の寺院では見かけない仏像がたくさんあります。

由来を知っていると、さらにタイのお寺巡りが楽しくなると同時に、日本でお寺巡りをした時に違いが分かって面白いです。

代表的なタイ寺院にある仏像とその印相についてご紹介します。


タイの仏像基本知識

タイでは仏陀の像のことを【プラプッタループ】と呼びます。
このプラプッタループの後に所作や印相、その仏像にまつわる伝説などを合わせて、プラプッタループ・○○と名前が付いています。

仏像の手の形を【印相(いんそう)】と言います。
サンスクリット語では【mudra(ムドラ)】とも言い、手指の形でブッダが言いたい事や伝えたい事を表しています。

プラプッタループ・パーンマーラウィシャイ(降魔印の仏像)

触地印(そくちいん)とも
呼ばれる仏像は
タイの寺院で多く見られます。

タイの寺院で最もよく見られる仏像です。

坐禅を組んだ右足に手の平を下に伏せて指先で地面に触れる降魔印(ごうまいん)は、釈迦が悟りを開き、釈迦から仏陀(悟りを開いた人)になった瞬間を表すため、重要な印相のひとつです。

修行中に悪魔の集団に妨害を受けた時、釈迦が指先で地面に触れて大地の神を出現させ、洪水を起こし、それによって悪魔を退けたという伝説から来ています。

プラプッタループ・パーンナークプロック(ナーガ上の仏陀坐像)

ナーガに守られながら
瞑想する仏陀像

とぐろを巻いた7頭のナーガの上で、片足のみを太ももの上に置いた半跏趺坐(はんかふざ)の状態で、おへその辺りで禅定印(ぜんじょういん)を組み瞑想している仏像です。
座り方にも色々種類があるので、そこも注目ポイントです。

仏陀が7日間の瞑想に入っているとき、菩提樹の下で瞑想を続けている間、風雨がひどい日がありました。

菩提樹の葉がナーガの王・ナーガラージャに変身し、その大きな体で仏陀を七重に取り巻いて、7つの頭で仏陀の頭上に大きな傘を作って守ったという伝説から来ています。

首の下までナーガがぐるぐる巻きになっているものもあるそうで、一度は見てみたい!と思っています。

川の流れを止める仏陀像

水を割るなんて
モーセみたいですよね。

※この仏像のタイでの呼び方を失念してしまったので、また調べておきます。サムトーンだったかな…

両手を胸の辺りまで上げ、手のひらを外に向けた洪水を避ける神通力の姿です。

仏陀ミラクルストーリーのひとつに【カッサパ三兄弟の帰依】があります。

元々バラモン教の僧だったカッサパ三兄弟が仏陀の数々の神通力を見て、彼らの弟子と共に仏陀に帰依するのですが、その話の一番最後に出てくる神通力の姿がこちらです。

雨季の時期に大雨が1週間続き、川の水があふれて、辺り一帯が湖のようになりました。
その時仏陀は川近くの林にいたのですが、カッサパがすぐに船を出させて仏陀のいる林の中に入っていきました。
すると仏陀の周りだけ、水が避けて流れています。
その姿をみてようやくカッサパ三兄弟とその弟子、合わせて1,000人が仏陀に帰依しました。

この最後の神通力まで3,500回もカッサパ三兄弟に神通力を見せつけたらしい。

プラプッタループ・パーンリーラー(仏陀遊行像)

優雅に歩く姿が美しい。

直立や坐像の多い仏像の多いなか、歩く姿、つまり動きのある仏像はとても珍しいですね。

右手は施無畏印(せむいいん)の印相で、人々の恐怖を取り除き、安らぎの心を与えるという意味があります。

中性的な流れるような丸みを帯びたボディラインに、透き通るような薄衣がひるがえる足元がとても美しいです。

近代の遊行仏よりも、スコータイ王朝期の遊行仏の方が、もっと腰のひねりが強く、腰のくびれも強調してあり、腕や指先の造形もしなやかで優雅な感じがします。

仏法を説いて回っている姿とも、天から地上へ降りてくる姿だともいわれていますが、個人的には三道宝階降下で人間界に降り立った瞬間の姿だったら素敵だなぁと思います。

今、わたしが一番会いたい仏像
「病僧を看病する仏陀」

慈しみあふれる仏陀の看護像。

バンコク内ではワットスッタラーム、アユタヤ付近ではワットカノーンヌアにある仏像です。

ワットスッタラームはバンコク市内にあるのに、なかなか機会が無くてまだ会いに行けていません。

ある修行僧が胃腸の病気を患い、仲間から捨てられたまま、大小便のなかに埋もれて臥していました。
それを見た仏陀は気の毒に思い、弟子のアーナンダに水を持ってこさせて、修行僧を入浴させて身体を洗いました。
仏陀は弟子達に「私に仕えようと思う者は病人を看護せよ」と説きます。
病人を看病することも仏に奉仕することも同等だ、という教えです。

とても慈しみあふれる、まるでピエタ像のような美しい像ですね。


雨季のタイには、大事な仏教祭日が2つあります。

今年2023年の予定は

釈迦が初めて弟子に対して説法を行い悟りに導き三宝(仏・法・僧)が揃ったとされるアサラハプーチャ(三宝節)は2023年8月1日(火)

雨季の期間、オークパンサー(出安居)の日までの約3ヶ月の間、僧侶達が仏教の修行に専念するため寺にこもるカオパンサー(入安居)は2023年8月2日(水)です。

今から行かれる方は寺院の仏像や壁画も楽しみながら、ぜひこれらの仏教祭日にも参加してみてはいかがでしょうか。

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