見出し画像

『キジのおんがえし』が明日を生きる勇気をくれる……というおはなし

以前、私はこう言っていました。

ぬいは萌えの銃刀法違反
(中略)
仮定:雉野のぬいを持ったら人生が終わる
(中略)
結論:アクスタだけでも十分限界だったので、ぬいなんて持ったらアカン

限界オタクすぎて推しの「ぬい」が買えなかった話

それが今はこう。

人生終えてこう!! 楽しもうぜ!Don't booでhappyなパーリータイム!!

どうしてこうなっちゃったのか。
それはシアターGロッソで毎週末行われている暴太郎戦隊ドンブラザーズショー ドン3弾『キジのおんがえし』に心を動かされてしまったから。

頭がおかしくなるくらい愛したい。
そう思える何かに出会えただけで、こんなに素晴らしいことはないのに、何を躊躇しているのか。
愛しすぎて、それまでの自分じゃなくなって、形を変えてしまったとしても、それはそれで良いんじゃないか。
私にそう思わせたのが、雉野つよしであり、鈴木浩文であり、1623なのです。

ここでは『キジのおんがえし』の魅力や作品を通じて感じたことを残していきたいと思います。

前回までの限界オタク

転職疲れの気晴らしに『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』を観た私。
萌えのいくら丼、雉野つよし8話で完全に堕ち15話で心を轢き殺され俳優さんのバースデーイベントにまで行ってしまった
そして毎週必ず雉野の見どころを作ってくれる東映(および井上敏樹)の方角に向かって拝礼の儀式を行いながら日曜の午前を過ごすのであった…。

異色にして最高のヒーローショー『キジのおんがえし』

シアターGロッソで行われるドンブラザーズのショー、第3弾の本作。
脚本を書いているのは雉野つよし役を演じている鈴木浩文さんです。
鈴木浩文さんは「1623」という名前で脚本のお仕事もされているため、今回このような異例の企画が通ったのだと思います。

30分のヒーローショーで面白い脚本を書く。
それは至難の業だと思いますし、二度とないチャンスをモノにしようと張り切ってしまうことも予想されます。
本業は俳優さんなわけだし、本人冬でも雪駄履いてるくらいこだわり強そうだし、ヒーローショーの脚本が本筋と解釈違いなことってあるし、そんなに期待しないでおこう……。そう思っていました。(超失礼)

ところがどっこいどんぶらこ!!!

ドンブラオタクの、ドンブラオタクによる、ドンブラオタクのための、完璧なエンターテイメントがそこにはありました。

『キジのおんがえし』のここが最高

※ここからは『キジのおんがえし』のネタバレを含みます。
というかほぼ全部の話をしてます
未見の人は気をつけてください!
素顔の戦士公演も多少のアレンジはあれどストーリーは同じっぽいので、知りたくない方はご注意を!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

スクリーンいっぱいに映し出された映像には不穏な雰囲気のキジブラザーと倒れている仲間たち!登場即不穏!
「なぜこうなってしまったかというと……」からのロゴ出現!タイトルコール!
いつも日曜の朝に見てるやつだ!!!
これだけでめっちゃテンション上がるし、引き込まれます。

客席から登場するやつ、大人になってもめっちゃ興奮するな!!

急な名乗り!急なクイズ大会!
いつも本編の展開が急すぎるから、全く気にならないぞ!!

雉野「いつも思うけど、お神輿運んでくる方、アルバイトなんですかね……」
それ言っちゃう雉野が本当に好き。
コンサル的にも気になるよね!ってか以前雉野が金額を間違えた見積書の請求元は彼ら(お神輿ブラザーズ)の可能性がある訳で、公私ともにお得意様ということになるのでは。

メンバーにまつわるクイズにペンライトや拍手で参加。ちびっ子を楽しませつつ、お父さんお母さんはおさらいができる、親切設計!
一つも正解できない雉野、犬塚翼の特徴に関する問題で「足は速いけどいっつも怒ってて怖いしな…」と言って『口が悪い』を選んでしまう。
目に見えるもの、自分が感じる全ての出来事をありのまま吸収しすぎるが故に、本質を見失ってしまう、雉野の良くないところが顕著に現れています!!!
この一言だけで雉野のそういう部分を表してしまうの、この話書いた人は本当に雉野のことを知り尽くしていると思う。鈴木浩文、相当雉野オタクだぞ。

ジロウ「何の取り柄もない雉野さんのこと、誰も気にしませんよ」
私も他人の評価に大きく左右されてしまうタイプなので、結構グサッとくる。
誰にも気にされないのが一番辛いんじゃんね……。
例によってめちゃくちゃショックを受ける雉野、無事に三度目のヒトツ鬼化!!!本当にありがとう!!!!
鈴木さんの手で雉野をヒトツ鬼にしたこと、自己実現や欲望のためではなく、不安や焦りからヒトツ鬼になったこと、全てが尊くて、自然と合掌してしまう。
何ならちょっと泣く。

そして「雉野の鬼だからキジノ!」と教授が名付けてくれるじゃないですか!
公式が名付けたらもう定番だよね。にっこり。

メンバーの特徴になぞらえた攻撃をしてくるキジノ鬼!
さっきのクイズ大会は伏線だったのね!なんてことなの!!
2回目にプレミア席で見た時気づいたんですが、キジノ鬼、近くで見ると歯の造形などが結構凝っていて、しっかり邪悪です。あと強い❤️

そうやってキジノ鬼が仲間をいじめている間にソノイが空から登場!
上からワイヤーで登場するのって堂本光一のワンマンライブみたいで王子様感あるよね。ロマンチストなソノイにピッタリ。一瞬で場の雰囲気が変わります。

ソノイはヒトツ鬼を倒すのが役目だから、キジノ鬼も倒そうとしてしまいます!
本編でもやらなかったのに、めちゃくちゃ怖い展開!!!
あそこまでドンブラメンバーと仲良くなった脳人が、例え雉野であったとしてもヒトツ鬼を倒そうとするなら、なんて残酷な運命なんでしょう……。
そもそも雉野はロン毛の人をソノイに倒させてるから因果応報なのよ……。これもある意味「縁」?考えれば考えるほどエグいて……。鈴木浩文、鬱書くの上手すぎか?

ソノイからキジノ鬼を守っているのに、当のキジノ鬼からは攻撃を受けてしまう仲間達。マジでどうするのが正解なんだこれ。ぜーんぶ雉野が悪いじゃん。
雉野自身も正気を取り戻していき、事態を理解し始めます。
しんどいよね、自分のミスで周りに迷惑かけてるのに、自分が動くほど周りの仕事が増えるの。消えたくなるよね。きっと仕事でもドンブラザーズでもその経験があるであろう雉野。何とかしてほしいところ。
自力で鬼から戻ろうとしますが、叶いません。その劣等感や焦燥感・罪悪感こそがヒトツ鬼化の根源なわけだから、仕方ない。可哀想すぎる
それでもみんなの応援でキジノ鬼は雉野は戻ることができました!

その後なんやかんやあってドンモモとソノイが宙を舞いながらイチャイチャします。
ソノイ「楽しいぞ!」
タロウと戦えて喜んじゃうソノイをわざわざ書くあたり、そっちのファン精神もわきまえてるのかよ。太っ腹か。

2回目のタロウのお神輿。
そしてソノイのお神輿まで登場!
本編の美味しい要素全部盛るやん、この脚本

キジノ鬼のコンプレックス的なものがみんなのエネルギーを吸って、別の大きい鬼を形成してしまったらしいです。(ここ、2回見ても感情が溢れすぎて理解が追いついてません。)バルーン鬼と命名!ベイマックスみたいなプニプニボディが可愛いな。抱きしめたい。

みんなの応援によって力が集まり、バルーン鬼も倒すことができました!
毎回ここで号泣してしまう。
声が出せたらフーリガンぐらい叫んで応援してしまいそうだ。

最後はいつもの通り「本当にすみませんでしたー!!!」という雉野の土下座でオチがつく。
タロウ「お前は真面目で一生懸命だ。それでいい」
良い話だなー、と、本当にこのまま終われるでしょうか?

『キジのおんがえし』というタイトル

ありのままの雉野でいい、というオチは、一見、多様性をテーマとしたドンブラザーズという作品に沿っているようにも思えます
しかし、周りが見えなくなって、仲間を傷つけて、守ってもらって、何とかなったら謝って終わる、というだけの話なら、『キジのおんがえし』なんてタイトルはつけないと思うのです。

何をするにも一生懸命で、それでも空回りしてしまうよね。結果、みんなに迷惑をかけてしまって、それを一番理解してて、苦しんでるのはつよしくん自身だよね。全部知ってるよ、ちゃんと見てるよこれからは、つよしくんがみんなにおんがえしをする番だよ。だから、君の物語はここから始まる。さあ、立ち上がってみせて。雉野つよしの未来を、僕は信じてるから

鈴木浩文さんから雉野つよしへのそんなメッセージが、このタイトルには込められているような気がするのです。
彼を演じながら日々雉野つよしと向き合っている鈴木浩文さんが、誰よりも雉野の理解者となり、彼を応援していることが垣間見えたような気がして、毎回涙が溢れて止まらなくなってしまいます。
鈴木浩文さんが雉野つよしの背中を押すと同時に、私の背中も押してくれるのです。

鈴木浩文(1623)さんと雉野つよしさんに感謝を込めて

雉野に性格も境遇も似ている私は、彼が傷つき、落ち込みながらも何とかやっていく姿に勇気をもらい、間違いを犯す背中を見て明日は我が身と襟を正す機会をもらっています。
基本的に自信がなくて、人としてヤバい部分が多い彼ですが、少なくとも鈴木浩文という理解者がいる、ということが(勝手な解釈ではありますが)更なる希望であり、救いになったのでした。
そしてそれを脚本を通して表現して下さった1623さん、本当にありがとうございます。
全然解釈違いだったらマジで恥ずかしいし、キモすぎて鬼になりたいくらいですが、私はこのショーを観ることができて本当に幸せです。
ありがとうございました。

雉野つよしさん。あなたは本当に素晴らしい人たちに愛されています。その事実は間違いないし、信じられるはず。みほちゃんを失うかもしれない不安や自分がまた自我を失って人を傷つけるかもしれないという不安と隣り合わせの日々は辛いと思いますが、目の前の幸せに気づけるあなたは素敵です。あなたの力で、みんなにおんがえしができることを、私も信じています。
お身体に気をつけて、無理せず頑張ってくださいね。いつも応援しています。

さいごに

さて、ここまで読んで下さった皆さん、ありがとうございました!
今回お話しした『キジのおんがえし』は1/3まで毎週末後楽園のシアターGロッソでやっています!当日券も結構出ているようなので、是非とも見てみてください!
このnoteじゃあ、全然伝えきれないから!

それ以降は素顔の戦士登場、ということで、本物の俳優さんが出てきてくれる特別バージョンのようなので、どうにか抽選に当たることを祈りながらこのnoteを終えたいと思います。

それでは、いつもの合言葉で締めたいと思います。
せーの、トリッキー!


この記事が参加している募集

いただいたご支援は執筆にかかる費用に使わせていただきます。よろしければ是非!