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雉野つよしが愚か可愛くて苦しい

知ってます?
人って自分の想定を超えて誰かを好きになると怖くなるんですよ。
こんなはずじゃなかった。そんなつもりはなかった。
そう思いながら、心は坂道を転げ落ちるみたいに突き進んで止まらないんですよ。
怖いよ。いま私は私が怖いよ。
雉野つよしをこれ以上好きになる自分が怖いよ

ごきげんよう。雉野の限界オタクです。

15話を視聴しました。
おいおいおいおいいおいおいおいおいおいおいお
神さまは何を考えて彼を創造したのですか?
私をどうしたいのですか?
どうなったらこんなことが起こるんですか?
「謎がいっぱーい!(カメラが引いていく)」

なぜ私がこんなに困惑しているのか。ちょっとキレてるのか。
風呂に入った後の冷静な頭で考えてみようじゃんね。

前回までの限界オタク

転職疲れの気晴らしに『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』を観た私。
メガネ、ヘタレ、サラリーマン、三枚目等々、数多の要素を併せ持つ萌えのいくら丼、雉野つよしが気になる存在に。
7話まではニコニコ見守っていたのに、8話の展開にうっかり心を滑らし完全な沼にハマってしまった!
「人でなし最高!!!」
とんでもないことをnoteに書かないと息ができないほど狼狽えた私は、3時間で5000字の萌え語りを吐きあげ、なんとか一命を取り留めたのであった……。

感情のクラウチングスタート、あるいはATB

もうね、何から話せばいいんだ。
頭に浮かんだこと全部書き出さないとまともな日本語にならんとですよ。風呂入っても全然冷静になれてない。雉野のこととなるといつもそう。全ての感情が一斉にヨーイドンで走り出し、次々にゲージを満タンにしてパツパツに膨れ上がるのよ。FFのアクティブタイムバトル方式だわ。
愛おしさ|■■■■■■■■■|
困惑  |■■■■     |
ときめき|■■■■■■■■ |
嘆き  |■■■■■■   |
憂い  |■■■      |
恐怖  |■■■■■    |

仕方ないから時系列順に整理していこう。

カーレンジャーって最高な作品があってさ

前回も申し上げました通り、私は激走戦隊カーレンジャーが大好きです。
初恋はワクワクさんなのですが、その次にカーレンジャーのレッドレーサーこと陣内恭介に恋をしています。(余談ですが、その次はロボタックで、最初で最後の人外恋愛ということになります。)

カーレンジャーは大人になるとより味わい深くなってくるスルメ作品だと思っていて、今も苦しい時やままならない時に見返しては勇気をもらっています。
5人全員サラリーマンという設定は斬新で、みんな副業(というかボランティア)としてヒーローをやっています。
テストドライバー、整備士、営業、経理、デザイナーの5人が協力して敵を倒す姿は、大人になって忘れかけた何かを思い出させてくれるんですよね。
戦う交通安全」ってキャッチフレーズがもう最高。wikiによると脚本家の浦沢義雄さんが考案したそうで、天才ですね。本当、こういう素晴らしい仕事にいくつ出会えるか、というのが私の人生の裏テーマでもあります。

もうええやろ、って感じですけど語り始めたら止まんねえや。続けるね。
もはや雉野関係ないけど、エンディングが最高なんです。
変身後の5人がカーレースをしているんですが、ピットストップの様子などは本番さながらで、働く大人のかっこよさを伝えています。
敵のザコが応援していてトロフィーを渡すのもいいし、曲の歌詞もザコ視点なのが心憎い。

総長は怖い顔して ガンバレなんて叫ぶけど
俺達だって生き物 休まなきゃ身体ボロボロ
楽しく踊ろうよサンバ 戦いが終われば天国
やられた悔しさもサンバ そのうちに忘れてワッハッハ
電線に鳩が2羽3バ 愛がありゃこの世は天国
皆様お疲れさんバ この次は絶対勝つぞ
キックはやさしくしてね たまには負けたりしてね

天国サンバ

今読むと泣けてきちゃうな。
いや、しんど。日本もうちょっとまともになってくれや。国ごとボーゾックやないか。チーキュウも温暖化だし、参っちゃうな。
いかんいかん、現実を忘れるために私はドンブラを見始めたというのに。切り替えよ。

「雉野」呼びについて

話を雉野に戻します。
犬塚以外の4人が集まるようになってから、みんなが雉野さんのことを「雉野」と呼び捨てにするので、私も本記事から彼を雉野と呼ぶことにしました。
「雉野くん」は同級生みたいだし、「雉野さん」は同僚みたいで、なんだかどれもこそばゆいですよね。
…………ヤバい!雉野さんと一緒に働きたい!残業してる彼の書類をちょっと手伝ってあげたい!
「う〜、みほちゃんが早番の日に限って残業なんて、どうして僕はいつもこうなんだ〜」
と頭を抱える彼にコーヒーを差し入れながら一緒に頑張りたい!
雉野さんの資料は数字の半角と全角がゴチャゴチャになってそうだから全部半角に直してあげたい!
パワポの改行変すぎて読みづらいところをちょっと教えてあげて
「わー!これなら読みやすい!ありがとうございます!」
って満面の笑みで言われたい!!!
そもそも彼の名刺を頂きたい!ジャケットから名刺入れを出して名刺を取り出し、向きを変えて両手で差し出して上目遣いで私の目を見るまでのモーションを瞼に焼き付けたい!!!(彼は166cmで私は177cmなので必然的に上目遣いになる!!!!!)ヤバい!!絶対可愛い!!!!!!!!苦しい!!!!!!!殺してくれ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

だめだ、雉野の呼び方だけで一段落つかってしまった。逆エコ。この世で一番SDG’sから遠い女。ちゃんとしろ。

想定内の展開、のはずが、公式はそうすんなりとは雉野を調理しない

※以下、15話のネタバレを含みます。ご注意ください。

えー、ようやっと本題に入りますが、8話からすでに不穏な雰囲気がしてました。
彼はみほちゃんのことになると我を忘れて怒り狂っちゃう上に、手段を選ばないことがわかりましたから。
8話で彼がとった行動は、本来の罪の重さを度外視し、自分の感情の大きさのみで物事を判断した『私刑』そのものでした。
こういう「状況を客観視できず、うまくいっていないことだけに目がいって負の感情を増大させている人間」がヒトツ(怪人)になってしまうので、雉野ももれなくヒトツ鬼になってしまいました。出た!愚か可愛いオロカワ!!!

雉野、大丈夫!誰だってそういうところはあるよ!
これ、自覚してるかどうかが結構大事なんだと思うんですが、彼の場合は妻への愛という後ろ盾が大きすぎて、「みほちゃんの安全(及び幸せ)が絶対」で、それを阻むものは万死に値する、という一見正しいように見えて本当はすごく危うい感情に疑問を呈することなくきてしまったんですね。
これはマジで根深いです。ネットのレスバとかでも自分の意見に疑問を持たない大人が、矛と矛で平行に互いを刺し合って埒があかないのをよく見かけますからね。
今回雉野はそこに気づけたかな〜?

ヒトツ鬼になってしまった雉野はみほちゃんが危ない目にあった元凶である車やバイクをどんどん消していってしまいます。
おや…?
地面から土埃を立たせてダブルラリアットのように急速回転したり、移動時に「ブゥン」というエンジン音・止まる時に「キキーッ」というブレーキ音が鳴る演出、どこかでみた気が…
カーレンジャーだこれ!!!!!!
後から知人に言われて思ったのですが、頭に信号機がついていたり、肩ががっしりとしていて胴から下がほっそりしているフォルムも、カーレンジャーに出てくるシグナルマンに似ています。
シグナルマンは妻子を自分の星に残し、地球に単身赴任している警察官。
ルールを遵守する意識が強く、家族想いな雉野は限りなくシグナルマンに近い存在と言えます。
「交通安全〜!!!」と叫びながら怪人化してしまう雉野はシグナルマンと表裏一体だったのかもしれません。
いや、エモすぎひん???????????

考察を深掘りして保っていた冷静さが、今しがた本厚木あたりに飛んでいきました。
前回の記事で雉野の要素を洗い出した時点で、「もうこれ以上何かが乗っかることはないでしょう」「これからはもう提示された情報だけで調理されるはずだから安心しよう」と心のどこかで思ってたんですよ。
それがさ!!!!まさか私が一番好きなカーレンジャーが乗っかってくると思わなくない!?!?!?!?!?
しかもシグナルマン(悪)みたいな!?!?!?
戦う交通安全(差分)みたいな!?!?!?!?
な ん そ れ !!!!

おいしすぎるんですよもう!!!!いくら丼ひっくり返してキングサーモン乗っけたかと思ったらカニ茹でて出してきたみたいな感じですよ!?!?!?なんのご褒美!?!?!?!?私前世で何したの!?!?!?それとも今世がオワコン!?!?キビポイント使い切って明日死にますか??????
ヒトツ雉野(ヒトツ鬼化した雉野)のアクスタって売ってないんですか?卓上に飾って仕事中に一緒にキレたい!!!!(そして私も晴れてヒトツ鬼に!!!オソロだね、雉野!)

そして、妻を愛し、もう交通事故なんか起こってほしくないという想いが誤った方向に暴走させてしまうの、あまりにも雉野がすぎる!!!間違いない間違い!!!愛おしい!!!!!!
とんちみたいになってきちゃった。とにかく不器用な彼のキャラクターにガッチリと噛み合った丁寧な脚本で、本当に頭が下がります。ありがとうございます。

戻れて良かったね!でも…

「今度はお前が戻ってくる番だ」
そう言ったタロウに成敗されたヒトツ雉野は無事に人間の姿を取り戻すことができました。
「桃井さーん、ごめーん!」
膝から崩れ落ちながら号泣する雉野。戻って来れて良かったね。
しかし、性格の悪い私は意地悪なことを思ってしまいます。
雉野(みたいな人)がもう一人いたら殺されてたね^^

先ほど少し触れたように、何が正しくて何が間違っているかなんて良い大人でも断言できることってほとんどないんだと思うんです。
この回を見てからずっと思っているのは、
「自分の信念は大切。でもそれが他人にとっての正しさとは限らない。それは突き詰めれば、自分が別の立場の自分を殺しうる」ということ。
きっと私が雉野に秘めた思いの中に、薄ぼんやりと黒い霧が立ち込めているのは、共感性羞恥や同族嫌悪に近いものなのでしょう。
愚かオソロだよ、雉野!!!
自戒の塊みたいなnoteになってるね!

これで本当にめでたしなのか

で、ここからが結構大事で、今回の件を雉野がどう解釈するかなんですよね。
「僕がしっかりしてなかったからヒトツ鬼になってしまった!ヒーローの自覚がなかった!ごめんなさい!」なのか
「僕がみほちゃんを愛するあまり、冷静になれていなかったんだ。みほちゃんに何か起こったとしても、人や物を恨んだり憎んだりする前にできることを探さなきゃいけなかったんだ」なのか。
多分前者なんじゃないかなー、知らんけど。

私もそうなのでよくわかるんですが、何かミスが起きた時、一つ手前の段階を反省するのはあまり得策ではないんですよね。
例えば、寝坊したとき、「昨日寝るのが遅かった」と反省するのは良くない。
なぜ寝るのが遅くなったのかを解きほぐすと、翌日のプレゼンが不安で資料を見直しすぎたとか、友達とのテレビ電話がなかなか切れなかったとか、コーヒーをうっかり遅い時間に飲んだとか、根底に色んな理由があるはず。それによって対策って全然違うんですよね。
だから今回雉野は「みほちゃんのことになると我を忘れてしまうのをどうしたらいいか」という問題に向き合うべきなのですが、どうでしょうか……。

みほちゃんが犬塚の想い人・なつみと酷似している件もまだ残っていますから、今後の動向にも注目ですね!!!

ようやく安心して寝れる

と、いうわけで、15話視聴後公園のベンチから立ち上がれなくなったところから、ようやく安心して就寝できるマインドに持っていくことができました。みなさんのおかげです。
すでに展開をご存知のリアタイ組がこのnoteをニヤニヤしながら楽しんでくれることを祈りながら寝ることとします。

それではいつもの合言葉で締めたいと思います。
せーの、トリッキー!!

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