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研修講師を目指す地方公務員の話!~講師デビューのしくじり先生~

 私は公務員として勤務して今年で20年目になります。年齢が40歳台半ばになると定年を60歳とした場合、残り15年です。最近は本当に「命の使いみち」を良く考えるようになります。

 どの様な生き方をすれば一番世の中の役に立てるのか、人の役に立てるのかを考えるようになります。私の譲れない想い・信念は「人は誰もが輝くことが出来る」であり、それを実現できるもしくは、お手伝いできる仕事は何かと考えた場合、私の場合は研修講師だと思っています。

  研修講師として登壇することは、もともと興味があったのですが、なかなか講師になるために具体的な行動を採るには至っていませんでした。頭では講師になって人の役に立ちたいなと思いながらも具体的な行動に移していないので、当然、理想に近づかないためもんもんとしながら月日だけが過ぎてきました。

 講師に対する想いが再燃したのは、3年前現在の部署に異動し、役所内での研修講師を依頼されたことがきっかけでした。内心、いよいよツキが回って来たなと思いました(笑)ただ依頼されたテーマが「談合防止研修」でした!いやはや、これまで入札担当や契約担当部署で勤務した経験がないのに無茶ぶりが過ぎるだろうと思いました(笑)私が配属された部署で契約事務に少しだけ接点があり、それで講師を依頼されました。

 デビュー戦はさんざんでした。研修中、教壇から受講者を見渡すと、怪訝な表情をしており、講師の言っている内容が分からない!という表情をしているのが如実に伝わってきて、研修の内容に興味が持てていないことが明らかに分かりました。
 しかし、そこから軌道修正しようとしても講師経験が乏しい私にはそれが出来ず、何とかしなければと不安と焦りだけが募りますが、用意していった内容を話すだけで精いっぱいで、その状態で最後までやり切るしかなく、受講者にとっても私にとっても気が重い時間になってしまいました。

 原因は明らかで私が独りよがりな研修内容を組み立ててしまったためです。講師として、①伝えるべきこと②受講者が聞きたいことを無視して、私が伝えたい内容を一方的に話したため、受講者からの共感を得られていないことが原因でした。せっかく講師を依頼されたので用意されたテキストどおりにやるのではなく、自分オリジナルの要素を盛り込もう!(←ここが独りよがりだったのです。)これが経験豊かなプロの講師なら受講者に対して分かりやすく講義できたと思いますが、講師デビュー戦の私にはとうていその力量が無く、風呂敷を広げたのですが、広げ過ぎて手に余り過ぎたのでした。

 当然、受講後のアンケートにも厳しい声をいただきました。気合を入れて勇んで講師を行っただけあってショックな経験でした。
 その1週間後に人を入れ替えて同一内容の講義を行うスケジュールだったので、その1週間で講義内容とテキストを見直しました。独りよがりとなった「自分のオリジナルの要素」、ここを大幅に見直しました。
 つまり、①講師として研修で伝えるべきこと、②受講者が聞きたいことにフォーカスして全面的に見直しました。

 そうして迎えた第2回戦。今度は講義をしている最中から手ごたえを感じられました。受講者の表情が明らかに違うのです。途中の休憩時間と受講者と交わした会話の中からも講義に興味を持っていただけていることが伝わってきました。研修後のアンケートも前回と打って変わって高評価をいただきました。

 本当に良い経験をさせていただいたと思っています。用意されたテキスト通りに無難にこなせば、大きな失敗は無いと思いますが受講者が受講して良かったと思える研修にはなりません。一方で私の様に「独自色を持たせる」つまりジャンプをし過ぎると受講者から共感を得られずつまらない、苦痛な時間になります。

 ただ、これは頭で考えているだけではだめで実際にジャンプしてみて痛い目に合わないとその塩梅が分からないのだと思います。私の第1回目の研修を受講していただいた受講者の皆様にはただただ申し訳ないと思っています。第1回目の研修内容は今振り返っても顔から火が噴出しそうです。

 現在は、講師としての知識・技能を向上させるべく(一社)公務員研修協会に入会し、協会の認定講師になるべく研鑽を積んでおります。研修講師として人の役に立ち少しでも良い方向に前進できるお手伝いが出来たら幸せです。その日を夢見て少しずつ前進したいと思います。


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