🎋 映画監督 布施理恵子の手帳 『かぐや姫』製作記 第二部 8、
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「ねぇ、美香ちゃん」
ミケ、この女の子に語りかける。それが…いっつものミケじゃないみたい!でも美香ちゃん、相変わらずポケー。
「美香ちゃんが“かぐや姫”になんか興味ない方がいいのよ」
あ、あああ、あり?だ、だいじょーぶなんでおじゃるか?ミケー。
美香ちゃん、ポケー。
「エヘヘヘヘ、たっしかにねー!御伽話なんてねー!興味持たないよねー!」
く、くまプーと奥様を見ると、ミケを見守ってるんでおじゃる!こ、こりは…
美香ちゃん、ポケー。
「でもさ、美香ちゃん。ウチらの作ろうとしてる“かぐや姫”にはねー、ピンク色の竹とか出て来るんだよー!」
エヘヘヘヘ、とミケ。け、ケーコー、なーんかあなた、今すっごく楽しそうよー?えー!なになにー?何でー?
「ピ、ピンクの竹ー?」
こりまた、あり?み、美香ちゃんが食い付いたんでおじゃる!
「そう!ヘンテコリンでしょ?エヘヘヘヘ」
笑った顔が猫みたいなんでおじゃる。けど、ありあり?猫って笑いましたっけ?わっかんなーい!エシシシ、まぁいいわ!シメシメなんでおじゃる!美香ちゃんがハンノーしたの!ハンノー!
「もーっとね、色んな事考えてるのよー、わたし達。“かぐや姫”の最後って、月から御使いが来るでしょ?そのラストシーンをね、今ウチら、オペラみたいにしようって考えてるの!」
「オ、オ、オペラ⁈」
コレコレ、プーさん。静まるんでおじゃる。オーッホッホッホ、ねぇ、ミケ。そーなのよねー!ねー!驚いたか!エッシッシッシ!そうなんでおじゃる!こりからは妾達は、たーいへんな電気紙芝居を作るのよー!エッシッシッシ!観たい?観たーいー?エシシシのシッ!行け行け、行くんでおじゃる!ミケ猫ニャンコ!
「はい。エヘヘヘヘ、そうなんです、軽路さん!全部アイディアは布施の方から出た物なんですけど、はい…久美ちゃんじゃなくって残念だった…軽路さん、わたし達、頑張ったんです、久美ちゃん主演!って」
くまプー、ミケを見る。その目の優しい事優しい事…あ、あり?わたし…ちょっと涙が…ポロリ…一方奥様を見る。やっぱやさしー目。お姉ちゃん、同じ。やさしー目。
「久美ちゃん、結婚する事、それは…とても素敵な事です。けれど、わたし達、この“かぐや姫”…ねぇ、美香ちゃん?久美ちゃんの代わり、それって癪かも知れない。けれど…本当は久美ちゃんが遊ぶ予定だった、ウチのフセリエ・ランドに遊びに来ない?」
何とまー!か、かかか、カックいー!何とカックいー口説きかたするんでおじゃるの、三田慶子!で、でもフセリエ・ランドって何でおじゃるか?
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