32、🐈 連載小説/図書館員 布施真理子の日記
32、
「そそそ、それはー、でもー、実はー」
言ってしまうんですね。言いたくて。
「…」
佐藤さんの厳しい様な目。例えるなら刑事ドラマで犯人が自白する前の刑事さんみたいな。
「わ、わわわ、わたしー!瀬山くりと会ったんですー!」
わあ、言っちゃいました。
「あらぁ…本当?まあ…」
佐藤さん、驚いています。
「はい。エヘヘ」
他人に言えて、とっても嬉しいです。
「どこで?」
佐藤さん、顔が解れました。ああ、とっても優しい方だなぁ、やっぱり。他人の、何か、自