春分の日の今日、雨。

今夜は雨が降っている。

今のところ、強張った心を慰めてくれるような穏やかな雨。

百人一首に出てくる春の和歌。まだこちら桜は咲いてないけれど、今日に似合うかもしれない。

花の色は 移りにけりな いたづらに
我が身世にふる ながめせしまに (小野小町)


(訳)春の長雨で花は散って、すっかり葉桜になってしまった。
この世の儚さを考えて物思いに耽る間に、私もすっかり老け込んだのかしら。

外を見たときに、桜が長雨によって散った様子が目にうつり、自身の心情を照らし合わせた、との解説。

話は逸れるが、和歌を思い出すといつも決まって、小学校の算数の時間を思い出す。

小学校の頃、算数の先生なのに、必ず授業の前に百人一首を読ませる変わった先生がいた。
それは国語の授業では?と突っ込みを入れたくなりそうだが、
当時ピュアだった小学生の私は、百人一首に触れる時間、一生懸命大きな声で、先生と一緒に和歌を読み上げた。
良い先生だったなあ。休み時間にはけん玉教室もひらいてくれたっけ。けん玉のもしかめをマスターしたよ。

あー、もう気づけば22歳です。一生懸命歩んできたたつもりだけど、圧倒的に足りないと思うときもあって、苦しんだり、情けなくなったり、まだまだだと思う。

そうして、小野小町ほど立派ではない物思いに耽り、そうやって儚い時間は過ぎていく。うじうじしている暇はないのだ。

春。これから昼が長くなる。私も冬の寒さから目覚めて、蕾を開けるように、1日1日を大切にしたい。


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