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3.Stuttgart(シュツッツガルト) で深夜にケガしたこと(その2:クルド人のタクシードライバーに助けられました)

病院まで 乗ったタクシーの運転手は片言ながら英語を理解するので助かったのですが、夜間のため病院の入り口からしてどこだかわからず、ボクはドイツ語がダメなのを見て、代わりに受付までして夜間診療の病棟まで連れて行ってくれました。

どうせホテル持ちということもあり、別れ際に謝意を述べながらチップをハズみつつ、どちらのお国の方か(ヨーロッパではタクシーやトラックの運転手は他国からの出稼ぎの人が多い)を訊けば、
“Where do you come from ?”
(お国はどちらですか?)

"I am Kurdish."
(クルド人ですよ。)

そう言う訳で、急遽その時点から私はクルド人諸君の一日も早い独立を心から願ってやまないものです。

そうして恐る恐る入っていった病棟の受付に居た看護婦さんに話しかけても、一切英語は通じずドイツ語で何やら書類に記入する様に窓口で言われたのですが、これもドイツ語なので全く読めませんでした。

困って周りを見回すと3組ほど既に待っている方々がおり、それぞれ「具合の悪そうなおじいさんと何だか陰鬱なその家族3名」「ヤーさん風訳ありそうなサングラス1名」「浮浪者的胡散臭げな若者2名(多分ラリってる)」という、普段ならお目にかかることは全くないであろう方々と居合わせた真冬の日曜深夜のドイツ・シュッツツガルトの病院の待合室。

どうやら皆さんこちらが困っているのは分かったようで、若者2人のうちの一人が受付窓口のところに来て、片言の英語で名前、ホテルの住所、パスポート番号などを記入するところを教えてくれました。

「さっきはラリってるとか疑ってごめんよ。」とかドイツ語では言えないので(ま、そんなことは英語でも日本語でも言えませんが) ”Thank you.” と礼を述べ、空いている椅子に座って「4番目じゃあ呼ばれるまでだいぶかかるなぁ」と滅入っておりました。

しばらくして先ほどの看護婦さんがやって来て何か言ってるのも、「どうせこっちには関係ないや」と思っていたら、先ほどの若者が立ち上がって家族連れ、ヤーさん風と言葉を交わしたかと思うと、こちらにやって来て診察室(と思われる)方向を指さしてニッコリ。

「え?いや、ボクはまだ後でしょ。」と思いマゴマゴしていると、全員が診察室を指さして、看護婦さんも仏頂面でこっちを見てうなづくので、再び皆さんの事を著しく誤解していたことを心の中で大変お詫びしつつ、ではお先にゴメンと会釈をして看護婦さんに促されて診察室に向かったのでした。

シュツッツガルト駅と隣接するホテル


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