21.Frankfurt(フランクフルト)でのご飯あれこれ(その1:カツカレーの遺恨)
これももう30年くらい前にFrankfurt(フランクフルト)にMusik MESSEの出展のため出張した時のことです。
会場となったフランクフルトMESSEは多分幾つかあるドイツのMESSEの中でも最大規模のものの一つだと思います。
ブックフェアやモーターショーが有名ですよね。
ボクが行ったのは30数年前のことですが、当時は幾つかの体育館状の建物が連なっており、それまで日本やアメリカなどで経験した展示会場とは規模が違うことに驚きました。
会場をつなぐトラムも走っていましたが、宿泊先から自分の展示ブースまで、或いは会場内を移動するのに毎日かなり歩いた記憶があります。
これは別の機会に行ったシュツッツガルトのMESSEも同じで、以前のMESSEは建物が旧市街の丘の上に十数棟連なっており、入り口から端の会場まで行くのに結構歩かされましたね。
今は10年位前に空港に隣接する形で新設されて、建物が3角形を構成しているのでずいぶん会場を回りやすくなりました。
通常海外にビジネスショーで出張する場合は視察がメインのことが多いのですが、フランクフルトの展示会(Musik MESSE )には出展者として行ったため、ブースで展示している製品の説明員もやらねばならず、打ち合わせなどもあり、日中は辛うじてお昼を食べる時間がとれる程度で、忙しい毎日でした。
そんな中唯一の楽しみが市内の日本料理店から届けられる日本食のお弁当でした。
説明員のドイツ人のスタッフもいるためか、お弁当の半数はサンドイッチだったのですが、昼食に遅れていくと何故か先に昼食休みに入ったドイツ人スタッフが日本食を食べてサンドイッチしか残っていないことが多く、そのことが我々日本から来たスタッフには不評でした。
一度どうして日本食の方を選ぶのかをこっちはサンドイッチを食べながら訊いてみたのですが、
“Why do you guys choose Japanese foods ?”
(なぜ日本食を選んだの?)
“Because it’s warmer.”
(こっちの方が暖かいもの)
そのお弁当屋さんは幕の内系のお弁当を届けてくれていたのですが、ご飯が冷めないように発泡スチロール容器にいれてくれていたので、それが洋の東西を問わず好評ということなのでした。
ある日先に昼食を済ませて戻ってきた先輩が「おい、今日はカツカレーだぞ。まだ暖かくて美味かったから、お前も早く行けよ。」と促されて、今日こそはドイツ人アルバイト諸君に負けてはならじと急ぎ足で向かった控室。
辛うじてご飯が一つ残っていたので、「やったぁ!最後の一つゲット!」と喜んだのも束の間。
あれ?カレーが無いことに気づき、食事中の周りに尋ねると、「あー、さっき専務が『カレーが旨いっ!』ってカレー2個食べてたなぁ…。」
くそぅ、センムの野郎。
なら、せめてウスターソース、いやお醤油でも…、と思ったのですがフランクフルトのMESSEの控室にそんなものが有るはずもなく、塩味ゼロのカツライスを食べたことを今だに覚えているってことは、やっぱり食べ物の恨みは強いものが有るんですねぇ。
前からあまり好きではなかったセンムのことがますます嫌いになったのは言うまでもないことです。
最もその時は昼食の日本食とサンドイッチの差が大きかったので日本食の方が良かったわけですが。
フランクフルトでは是非名物のフランクフルト・ソーセージを食べたいと思っていたのですが、なかなか機会が有りませんでした。
やっと最終日の昼食に(その日はお弁当なかったので)同僚とMESSE館内のカフェでビールとフランクフルター(フランクフルト・ソーセージ)を頼むと、出てきたのは20㎝くらいある長細い(日本のウィンナーの半分くらいの太さ)ソーセージでした。
ずいぶん細いことと皿からはみ出すくらいにめちゃ長いので、それまで日本の屋台とかで食べてた「フランクフルト・ソーセージ」は何だったんだと。
まあ、本場のものは日本でのそれと随分違うのはソーセージに限ったことではないですけどねぇ。
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