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ICU「英語リーディング」の対策


リーディング概要

リーディングはPart1とPart2に分かれています。
Part1は長文の読解問題が3つ(Text1~3)、Part2は長文の穴埋め問題が1つです。Part1は各長文につき8問、Part2は12問で、リーディング全体で36問です。
おそらくPart1が1問2点で、Part2は1問1点で、リーディング全体で60点です。Part1が点の稼ぎ所です。

ICUの入試はICUの教職員がオリジナルで作成しています。そのため、単語の難易度や構文の複雑さはかなりしっかりと調整されています。例えば、使われている単語に関しては、英検準1レベル以上の単語は出てこない、もしくは出てきても設問にされるかのどちらかです。また文法に関しても、難しくても連鎖関係詞ぐらいで、国公立大学の和訳問題で出るような複雑な英文が出ることはありません。つまり、読むだけであれば非常に簡単です。逆に言えば、ICUのリーディングの難しさは設問にあるということです。

何問正解すればよいのか

リーディングPart1 15問以上
リーディングPart2 8問以上

Part1の合格の目安は15問以上ですが、その内訳はどうでもよいです。極端な話をするとText1と2が満点で、Text3が0点でも15問以上正解できるので、とにかくPart1は、全体で15問以上正解することを目標にしましょう。

Part1対策

文章概要

問題文は、前述の通りICUの教職員が作成しているので読むだけなら非常に簡単であり、さらに全てアカデミックライティングで書かれています。そのため、論理関係を表す語句(for example, in other words, howeverなど)がしっかりと使われています。つまり、文と文の論理的な関係を把握するのは決して難しくないです。
またリポート構造(Someone said that SVやaccording toのような表現)が非常によく使われます。リポート構造は大体のイメージで言うと、文章全体の真ん中あたりによく出てきます。

文章各論

単語は、しっかりと難易度が調整されているので、シス単やターゲット、速単必修編などの高校標準レベルの単語帳をやっていれば「十分」です。わざわざハイレベルな単語帳をやるぐらいなら、リスニングや現代文を勉強しましょう。
論理関係を表す語句を学ぶには、「英文精読へのアプローチ」や「ディスコースマーカー英文読解」といった長文の読み方を教えてくれる参考書をやるとか、現代文を勉強するとか、予備校で英文読解の授業を取るといった選択肢が考えられます。
リポート構造は知っていると非常に便利ですが、知らなくても解けます。余力がある人だけがやりましょう。リポート構造の読み方は「英文読解のグラマティカ」という参考書に詳しく載っているので、リポート構造の解説「のみ」を読むと良いでしょう。(個人的には「グラマティカ」の英語の定義文に関する解説も時々役に立ちました。しかしこの本は非常に情報量が多く、消化し切れない可能性があるので、リポート構造(や定義文)の解説以外は読むべき「ではない」です。)
しかしここに挙げた参考書をやる以前に、英文が読めないと話にならないので、まずは「正しく英文が読める状態」を目指しましょう。英文が読めるようになるには、文法の知識とその知識の使い方に習熟する必要があります。個人的に、文法の知識やその使い方を知るには「英文読解入門基本はここだ!」や「英文読解の透視図」、使い方に習熟するには大阪大学の和訳問題などがあります。しかし、どの参考書が良いとか、どの先生が良いとかは個人的な感想でしかないです。そのため、上で挙げた参考書や有名な参考書、予備校講師などが、自分にとっても良いものであるかは分かりません。なので、ネットや友達の意見に流されず自分に合った参考書や先生を見つけるのが一番良いでしょう。もっとも、今手元にある教材や授業でとりあえず頑張ってみるということも大切だとは思いますが。

設問概要

設問内容は、各パラグラフや具体例の役割、単語の意味、パラグラフに基づく推測などの「パラグラフの内容を問う問題」と、文章のタイトルや筆者のMain ideaなどの「文章全体の内容を問う問題」とがあります。後者のタイプの問題は各Textで1~2問です。

設問各論

「パラグラフの内容を問う問題」には大抵、「according to paragraph 1」や「in paragraph 5」のように、パラグラフ指定があります。推測をする問題はinferやimplyなどの動詞が設問文で使われます。
パラグラフ指定がない場合は「文章全体の内容を問う問題」です。このタイプの問題は最初か最後の設問のことが多いです。
解き方としては、1. 各パラグラフを読んでパラグラフ指定のある問題を解き、最後にパラグラフ指定のない問題を解くというやり方と、2. 問題文を全部読んでから設問を解き始めるという2つの方法があります。何年分か解いてみて、自分に合ったやり方を選びましょう。
どちらのタイプにせよ、設問では文章の論理関係そのものとそこから推測できること(単語の意味や筆者の主張、意図など)を「素直に」聞いてきます。そのため、設問のための特殊な解法や特別な解法は必要ないです。その代わり、どこが主張でどこが具体例でというような、文章全体の論理的な構造を理解する必要があります。そしてこの理解こそが直接設問で問われる内容であり、この理解が正解に直結します。つまり、論理的に読めれば解けます。

Part2対策

問題形式

文章に12個穴が空いていて、穴埋めをしていく形式です。各穴には4つの選択肢が与えられています。文章の長さは、Part1に比べると短いです。

設問の特徴

穴埋めの選択肢は「1. 文脈から解くもの(文と文の論理関係を示す語句など)
、2. 動詞の語法、3. 文法(分詞が頻出)、4. 前置詞、5. 副詞(副詞句)」の5つが多いです。
5は単独では出ず、大抵1と組み合わさって出題されます。1と3が組み合わさることもあります。

解き方

解き方は、わかるところから解くという方法しかないです。わからないところで悩んでいても試験時間は進みますし、最初見たときにはわからなかった設問も、文章を最後まで読むとわかることがあります。そのため、わからなかったら潔く飛ばすべきです。わからないとこは飛ばして、わかるとこから解きましょう。
英文を読む練習と文章を論理的に読む練習をしていれば、1と3は瞬殺できるはずです。4は難しいです。しかし4を落としても他で取ればよく、そもそもリーディングの点の稼ぎ所は、Part2ではなくPart1なので、4で間違っても気にしなくて大丈夫です。また、1と3が組み合わさっている場合は、文法的に選択肢を絞ってから選びましょう。このほうが早く解けます。

Part2の類題は、北海道大学や早稲田大学の文学部、文化構想学部などで出題されています。類題演習をしたい場合はそれらの大学の過去問を解くと良いでしょう。

リーディングまとめ

ICUのリーディングは、論理的に読めれば解けるように作問されています。したがって、「英語を論理的に読んでいく方法論を解説した参考書または授業」と「現代文の勉強」という2つをリーディング対策として強く勧めます。

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